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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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シン誕SS 4【果たしてサボテンに心臓(ハート)はあるか?】01
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/09/02[ Sat ] 23:16
お待たせしますた!やっとメインつか長いの出来ますた!
誰が待っているのか判らないけど単に自分が書きたかっただけな、【サボテン】のその後ネタです(´∇`)
オフのネタなんでご覧になられてない方でも判るようには書いてますが…。
アスランは議員、シンは付き人?wwwww
(違いますひさこさん)
ラクス様が牛耳ってますプラントを(・∀・)

まぁ兎に角ご覧下さいませ。
下の「続きを読む」からドゾー
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
シン誕SS 4【果たしてサボテンに心臓(ハート)はあるか?】02
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/09/02[ Sat ] 23:06
前半までは書き上がってました。
この後半で詰まってましたorz

書きたかったのはこの後半なんだけど、そこに持っていくまでの流れがあんなんになって、やけに話が膨らむわスケールでかくなりそうだわサボアス相変わらずプルプル脅えてるわで。

ぐだぐだ煩いんじゃ!

と半ば無理矢理に進めたので、もっとぐだぐだになりました(´Д⊂グスン
ゆゆゆるして………。

ちなみにこの後の二人のネタは頭にあるんですが、某さんにちらっと話したら嘆かれました。
…うん、頭の中に一生眠らせておきますorz

兎に角ドゾー(・∀・)

Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
シン誕SS 2【罪が夢見るまほろば】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/09/01[ Fri ] 00:37
不意に眼が覚めて、アスランはゆっくりと首を回して隣を見つめる。
室内は照明が消されて闇の中だけれど、それでも見える彼の寝顔に密かに笑みを浮かべた。

シンは今、幸せそうに眠っている。

アスランと同じベッドの中、同じ毛布にくるまって、身を寄せあって、とても幸せそうに、すやすやと。
仰向けに横たわる自分に抱きつくようにして、横を向いて眠るシンの寝息が頬をかすめ、その距離に何故か安堵を覚える。
アスランは笑みを湛えたまま、そうっと手を伸ばして、己の胸元に置かれたシンの手を取った。
彼が眼を覚まさぬよう手を握り、互いの指を絡めて。
きゅう、と握って彼の掌の感触と熱と肌を感じて、また微笑む。

胸にある少年の手、それを握り指を絡めた己の手。
今握り締めているこの手は、先程までアスランを撫で回し、あちこちに刺激を与え、そうして快楽に酔わせた手だ。
何度もイカされ、愛されてきた指先だ。

けれど、この指は。シンの手は。

もう、清らかとは云えない手だ。

沢山の血を流し、沢山の泪を流させた指先だ。
例え直接手を下していなくとも、確かにもう赤く染まったものだ。

それは、アスランも同じ。
シンと同じ、清らかではない、汚れた指先。

人を殺してきたその手で、生きている人を愛している。

戦争という、歪んだ常識と螺子曲がった世界の中では、同じ境遇の者は沢山いすぎるけれど。
それが赦される事なのか今でも判らないけれど。

けれど、でも。

どうかどうか、叶うのならば。

そう心の中でアスランは何かに祈る。
天使ではなく無論悪魔でもなく。
神でもなくて。
兎に角、何かに、アスランはただただ祈る。

この子が背負うのは『罪』という意味を孕んだ名だけで充分です。
他は全て俺が背負うから、どうか。
彼が背負うべき罪も、俺が購うから。

だから、どうか。
彼に安らぎの未来を、幸せな時間を。
いつまでも終わりなく与えて下さい。

その祈りはアスランの胸中にそっとしまいこまれ、穏やかに眠るシンには判らなくとも。
それでもシンが過去に背負った哀しみも苦しみも、忘れて眠る今だけはこのままで居てほしいから、と。
それを癒して傍に居る事だけ赦されるなら、自分はもう充分だから。

アスランは握り締めたシンの手をそっと己の口許に引き寄せた。
絡めたままの指先に唇を這わせれば、ぴくり、と爪先が小さく震える。
「ん、う…。アスラン、さん?」
指先に感じた柔らかい感触に目覚めてしまったらしい。起きたら何故か指にキスをされていて、寝惚けながらも不思議に思ったらしい。
トロンとした眼差しでシンがアスランを見つめている。
「………いや、気にするな」
「そぅ?」
「あぁ。それよりすまないな、起こしてしまって。眠いんだろう?」
「うん…」
絡めていた指を離して、眠たげなシンを抱き寄せる。
抵抗もなく腕の中に収まったシンはアスランの胸に頬を寄せて、其処から伝わる鼓動を子守唄がわりにして再び瞼を閉じた。
「お休み…シン」
「うん…おやすみ、なさい」
そうしてまた眠るシンを、アスランは何も云わず抱き締めて。



「誕生日、おめでとう」

今彼が堕ちた夢の世界が幸せであればいい、と。
祈りながらの囁きは、静かに夜の闇に吸い込まれていった。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
シン誕祭SS 1【愚者の祝宴】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/08/31[ Thu ] 22:59
「シン、もう一度云ってみろ!」
「何度でも云ってやるよ!、この役立たず、頭でっかち、優柔不断!」
「…っの、馬鹿野郎!」
「またそれかよ!。アンタ言葉に詰まると直ぐそれだよな!」
「煩い、黙れ!」
「…ッ、そうやって直ぐビンタかよ、アンタって人は!」

さっきから罵声が止まらずに響くこの部屋で、シンはアスランと喧嘩をしていた。
最近は仲良くやっていたように思っていたけど、それは表面上だったのか、次から次と互いへの文句が飛び交っていた。
年下の癖にキレると口が達者なシンに対して、年上の癖に頭に血が上ると口下手が更に酷くなるアスランは明らかに負けている。
そうなれば口では勝ち目はなくて、後は手が出るだけである。
元フェイスの敏捷さと腕力でアスランが目の前のシンの頬を強かに張り飛ばせば、シンだって一時はフェイスにまでなったのだ、辛うじて踏み止まってギロリと相手を睨み返す。

何だってこんな時に喧嘩しなくちゃならないのかな。

明日はシンの誕生日で、今夜は17最後の夜なのに。
二人仲良くリビングで寛いでて、背中をあわせるように寄り添って互いに本を読んだりパソコンをいじったりしていたのに。
気付いたら二人仁王立ちして罵りあっていた。
原因は些細な事の筈である。
けれどここまでエスカレートしてしまったら、最初のきっかけなど何だっていい。
兎に角怒りが治まらない内は、見た目からして短気なシンと見た目に反して短気なアスランはどうにも止まらないのである。

「こっ、の、分からずや!」
「うっせぇ、頑固ジジィ!」
「が………ッ」

また殴ろうとしたアスランの拳から紙一重でそれを避けながら、シンはアスランにそう叫んでいた。
一瞬でアスランが拳を振り上げたままフリーズする。

「馬鹿野郎、二つしか違わないぞ!」

やっと我に返った彼の反論はやっぱり何処かずれていた。
もう天然のレベルを軽くつき抜けている。
それ以前に気付かないのか、明日の事を。
そう思えば余計苛々してくる。
「でもアンタ老けてっから!」
「お前がガキなんだろう!」
彼が密かに気にしている大人びた外見と立たず舞いを、老けているからとあっさりいい捨てたシンに、アスランはまるで子供のように言い返す。

判っている。
以外と彼もまだ子供だって事。
だからこんなにムキになって低次元な喧嘩をしているのだから。
恐らくシンしか知らないだろう、アスランの幼い部分である。

でも、もう、いい加減にしてくれ。
よりにもよって今、喧嘩なんかしたくないんだ。

シンは半ばやけくそになりながら、自分より少しだけ大きいアスランの胸ぐらを掴み、力任せに引き寄せた。

そして、唇が触れそうな程近くで、叫ぶ。
ありったけの怒りと、想いを込めて。

「そのガキに惚れてるの、アンタだろうが!」

もう泣いていいかな、ホントもう無理。
情けないったらありゃしない。

するとアスランはシンの言葉に顔色ひとつ変えず、吠え返して。

「ああ、そうだ!。ガキに惚れて悪いか!」

と、真っ正面からシンにそう言い返したのだ。
流石にそんな答えが返ってくるとは思わなかった。
というより、キレた勢いで告白されるとは思わなくて。

「俺だってアンタに惚れてるよ!」

ついそう告白し、噛みつく勢いでアスランの唇にキスをしてしまっていた。
直ぐ離れたキスに、アスランは僅かに眼を丸くしたけれど。
「…ふん、知ってるさ。そんな事は」
「じゃあ言うけど、明日何の日かも知ってるのかよ」
アスランはどさくさ紛れのシンの告白にもキスにも動じずに、鼻で笑い返している。
それがやけに年上ぶっているように見えて。
また更にカチンときて、とうとうシンは本音を洩らした。

「当然だろう、馬鹿」
「あ、そ」
「惚れてる奴の誕生日位俺だって覚えている」
「じゃあ今日位喧嘩すんの止めようとか思わない訳?」
「お前が可愛げなく逆らうからだ」

さっきまでの罵声は何時しか囁くような声音にトーンダウンしていて。
気付いたら互いの腰に手を回して抱き締めあっている。

「誕生日は明日だろう。今日はまだ祝うには早い」
「祝ってくれるつもりだったんですか」
「嫌ならしないぞ?」
「アンタ、ほんと可愛くない」
「お前もだ、シン」

そうして、赤と翠の眼が互いを見つめあって。

絡み付く、キス。

「ん…っ」

どちらともなく洩れた甘い吐息が、仲直りの証となったようである。
そのまま濃密なキスを繰り返し、ガキだと罵ったシンに腰抜きにされたアスランが、ガクリ、と膝を崩した。

そして、それが夜通し繰り広げられる祝宴の始まりとなる。



「…おめでとう、シン」
「ありがとうございます」
「一つ年をくったんだ、もう少し大人になれ」
「ガキと同レベルな喧嘩する人に云われたくありません」

二人、一つのベッドの中で、同じ毛布にくるまって同じ高さとなった体温を感じながら。
可愛げない愛の囁きを繰り返し、繰り返し。

そうしてシンは大人になる。

ムカつくけれど、大好きな人の側で、繰り返し、繰り返し。
年を重ねて大人になって。

いつまでも、一緒に。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
『全てを下さい』完結
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/10[ Thu ] 23:54
R18裏にアス誕祭の最後のお題、『全てを下さい』続きをUPしました。
これで全部終わりました。
ええ、長かったよ…本当にorz。

つうか、続き。ひたすらエロです。最大にエロいです。
だらだらすぎて1~5までずっとエロです。
駄目だね、こういうのは勢いで一気に書かないとorz。
波に乗れるまでちんたら書いてたら収集つかなくなって結局エロさ増量(当社比)、話の長さも倍増…。

うん、でも書いてて満足しましたんでw。

時系列は明日以降ちまちまUPします。週末になんとか難関を乗り越えたい…。うん、次はMS戦が待っているのさ…。ああ…orz。


あ。関係ないけど、暫く放置してた日記もようやくちまちま復帰しました。
わしの生態が気になる方はこそーりリンクから飛んで見てくだされ。

うん、たいした事言ってないし、書いてないし、おそらくシンアス萌語り倍増しそうだけど…でも一応中の人サイトとも繋がってるので控えめにせねばorz。


Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
2(裏) 『全てを下さい』 
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/07[ Mon ] 23:50
R18裏にアス誕祭で唯一UPしてなかった2(裏)『全てを下さい』をUPしました。

しかーし。まだ未完です。
ええ、未完ですとも。

のっけからエロのくせに、未完なんですよ、奥さんorz。

テーマは「シン、わんこになる」。
舐めて舐めてふやける位舐めております。はい。

うん…一番執拗かもしんない。今までに書いてきたシンアスエロの中で。

兎に角未完なのでorz明日以降に残りUPさせたいなあ…。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
8 『彼からの贈り物』 (裏)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/03[ Thu ] 23:26
ツンデレアイコン3


裏にアス誕祭の8『彼からの贈り物』の裏バージョンをUPしました。
勿論これもツンデレ設定ですが、流石に裏仕様で書いてる為、あちらに回収されることはありませんのであしからず(苦笑)。

だってだって、本当にエロいから。つうか、変態だから。自分。
うん、さくっと認めるさ。

シンアスでは初のお道具プレイだから!。
薬ネタは前にも書いたけど、でもお道具は初めてさ。

ほんとは裏にUPするのも…なんだが、所詮裏。
開き直って公開しますよ。あはー。

でも見た後で後ろ指ささないでねorz。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
8 『彼からの贈り物』 1
TB[ - ]  CM[ 1 ]   Edit   2005/11/01[ Tue ] 22:27
●8 髪弄り

ツンデレアイコン1


「アスラーン。あんた宛てに荷物届いたよー?」

一人で寝るには広すぎるダブルベッドで毛布にくるまって心地よく眠っていたアスランを、シンの叫び声が叩き起こす。

「………………んー」
「あ、まだ寝てるし。いい加減起きて下さいよ。いくら今日がオフでも、もう昼だってば」
「………………シン」

小さな箱を片手に寝室へ入ってきたシンが、未だ毛布の中でもそもそと蠢いているアスランの髪をくい、と引っ張る。
すると眠たげな目蓋が開いて、ぎろ、と睨まれて名を呼ばれた。
その声音は擦れていて。寝起きだから、という訳ではないのをアスランの表情が物語っている。

「…昨日、俺は何時に寝た?」
「………う」
「誰かの所為でずっと泣かされて、漸く寝たのは朝日が昇る頃だったんだが…?」

擦れた声で静かにアスランが怒気を放つ。

確かに昨日、久々に頑張ってしまったけれど。
でもそれはアスランの誕生日の前日で、しかも今日は丸一日完全なオフで。
『ツンデレ』として多忙な日々を過ごしている二人にとって、そんな日は滅多にないし、しかもアスランの誕生日でもあって。
当然祝いながら愛を確かめあったからで。
ついつい可愛く喘ぐ姿に更に煽られてしまったけれど。
アスランだっていつも以上に泣いて縋って乱れていたじゃないか、と。

シンはそう云いたいのを辛うじて我慢した。
きっと云ってしまったら大変な目に遭う。
今ですら『現役』ばりばりに睨み付けて撲殺しかねない勢いなのだ。
シンの愛しい恋人は。

「と、とにかく!。ほら、コレ。あんた宛ですから!」
と自分に不利な話題を変える為に、シンは手に持っていた箱をアスランの枕元に、ぽん、と置いた。
「誰からだ?」
「さあ?。送り状には差出人の名前ないんで判りませんけど」
漸く毛布から抜け出て起き上がったアスランがその箱を両手で抱える。
さほど大きくない箱。ディープブルーとホワイトのストライプが綺麗な包装紙でラッピングされた箱。
シンはその箱の中身より、その箱を持つアスランの姿が、気になって。
昨日、いや今日朝方まで激しく交わった彼の身体は、疲弊していた為にシャワーを浴びながら睡魔に襲われて。裸体のままで眠りについていたのだ。勿論今も何も身につけておらず、きめこまやかな肌にはシンがつけた赤い印がちりばめられている。
正直、かなり目の毒で、そそられる。
若くてヤリたい盛りのシンはまた押し倒してしまいそうで、慌てて視線をアスランの持つ箱に移す。
「開けてみたら?」
「ああ………」
促すとアスランがラッピングを丁寧に剥がしていく。やがて包装紙が剥ぎ取られ、一枚の小さなメッセージカードが箱と共に現われた。
「カード?。誰?」
「ああ………あ」
書かれた文字を見てアスランが固まる。
その眸は僅かに見開かれてもいて、シンは彼の反応が気になって横から覗きこんだ。
そこに書かれていた言葉。

「何…?、『アスラン、誕生日おめでとう。大事に使ってね。K』…?。誰?」

「………キラ、だ」

「キラ?。………ああ」

アスランの嬉しそうな呟きに、シンはぶぅ、とふくれた。
しかしシンの反応も当然の事で。

戦後、アスランはシンを選んで、尚且つ『ツンデレ』として生きる道を選んで。幼い頃からの親友だという『キラ』はアスランの選択に最初は反対したらしく、何とかアスランが説得したけれど、今だに何か腹に抱えてるらしかった。
しかもアスランが選んだ『男』がかつて刄をむけ戦い『フリーダム』を撃墜したあの『インパルス』のパイロットとくれば、彼のシンに対する態度も常軌を逸していて。
時折戦時中と同じようにふらりと現われてはアスランにちょっかいを出してシンを怒らせ、からかって又ふらりと消えていくのだ。
アスランはいつもぼーっとしていて気にしていない上に、何だか嬉しそうで。
余計シンは面白くなかった。

「………で、何なんです?。中身」
「何怒ってるんだ?。お前」
「怒ってませんよ!」

さすが『ツンデレ』の『ツン』担当である。逆ギレは得意中の得意だった。
シンの態度に慣れきっていたアスランは気にせず箱の中を開いてみた。

「………………………!!!!」
「…どうしました?」

エメラルドの眼が大きく見開かれて、箱を持つ手がぷるぷる震えている。シンも彼の手の中の箱を覗き込んで………口をあんぐりとあけて硬直した。



「ばばばバ*ブーッ!!」


叫んだ直後、シンはアスランの右ストレートをもろに食らう。

「なっ、ばっ、馬鹿ッ!。声に出すなっ!」
「だ、だって!。こ、これ、これっ!」

二人とも激しく動揺してもはや人間の言葉を忘れてしまったようで。
アスランは顔を真っ赤にして涙目で、シンは挙動不審者の如く両手をばたつかせていて。

キラからの贈り物の正体は、大小様々の所謂『大人の玩具』で、中には凸凹してたり、くねったり丸かったり、本当に種類もさまざまだった。

お題配布元→http://roo.to/abandon/
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
8 『彼からの贈り物』 2
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/01[ Tue ] 22:23
●8 髪弄り

ツンデレアイコン1


暫らくはちゃんとした会話にもならなかったが、漸くアスランが理性を取り戻し、跳ね起きてリビングに置かれた通信端末を猛スピードで立ち上げるとオーブにいる『キラ』を呼び出した。

勿論、未だすっぽんぽんのまま、である。

シンが慌てて全裸の彼にパジャマの上着だけでも羽織らせてやる。



『………はい?。どうしたの?、アスラン』

オーブの中枢で国家元首であり双子の妹であるカガリと共に過ごすキラを呼び出すには幾ら元仲間のアスランでも簡単にはいかなくて。
カガリの腹心の部下であり、良識あるキサカを通じて漸くキラを呼び出したのだ。
キラの姿が端末のモニターに映った瞬間、アスランは鼓膜が破れそうな位の絶叫をあげた。

「きききキラーッ!!、アレは一体何なんだーッ!!」

『もう、そんな大声出さなくても聞こえてるよ、アスラン』

双方のモニターには真っ赤な顔をして怒りすぎて涙目にすらなっているアスランと、つんざく怒声に両耳を軽く塞ぎながら無表情で淡々としているキラと、全く正反対な二人が映されていた。
シンはモニターに噛み付く勢いのアスランの後ろで呆然と成り行きを見ている。

「何であんなモノ、送ってきたんだ、お前!」
『あ、届いたんだ。どう?、気に入ってくれた?』
「馬鹿!、気に入る訳ないだろう!。というか、あんなモノ、どうやって手に入れた!」
『え?。貰った』
「誰から!?」

『ラクス』

暫らく押し問答が続いたが、キラが一人の女性の名を出した瞬間。

アスランが凍り付いた。

「ら、ら、ラクス………?」

なんとか絞りだした声は明らかに動揺していた。

『うん、ラクスがね、これをアスランに差し上げましょうって』
「………え、え?。え!?」
「アスラン、落ち着いて」

あの、アスランの元婚約者でもあるラクス・クラインからの提案だと知って激しく錯乱し倒れかかるアスランを、シンが後ろから支えてやる。だが次の瞬間、モニターの向こうのキラが発した言葉。

『彼女も、ファンから送られてきたらしいんだけど、でも彼女も僕も使う趣味はないから』

「お、俺だってない!!」

モニターを叩き割りそうな勢いでがしがしと掴んでアスランが絶叫した。
しかしキラはアスランの怒声に恐れをなすどころか、慣れきった態度で。アスランの背後にいるシンを、この時ちらり、と初めて見つめる。その視線にシンは何か企んでいそうで、どきりとする。

『うん、でもそっちの彼は、どう?。使ってみたくはない?』
「え、お、俺!?」
「キラっ!。シンもそこで動揺するなーッ!!」

いつもはさくっとシンを無視するキラからの呼び掛けとその言葉に、シンが狼狽えると、アスランがモニターの向こうのキラと背後のシンをきょろきょろと交互に見て叫ぶ。

普段はどこまでも果てしなくボケな彼も今この時はシンを越える鋭いツッコミを入れている。

『とにかく、こっちにあっても困るから返品しないでね?。受け取り拒絶するから』
長年の付き合いのアスランの考えなどお見通しなキラが先手を打つ。

『それに以外と色々と使えるかもよ?。君達、芸人なんだしさ。それを使ってネタにしたらどう?』
「………ネタ」
「頷くな!。シン、頷かないでくれ!」
『じゃあ、僕忙しいから。又ね!』
「あっ、おい!。キラ!?」

しかし、アスランの叫びも虚しく。

ぷつり、と通信は一方的に切られてしまった。

「ネタ………そっか、ネタかぁ………」
後に残されたのは、キラの言葉に妙に感心しているシンと。

「つ、使わない、よな?。シン、使わないよな?」
本当に泣きそうな顔をしておろおろとシンの周りをうろつくアスランだけで。





その後、キラから送られた『贈り物』が使われたのかどうかはさておき。

『ツンデレ』の新しいネタとして、それらが度々深夜帯の番組で使われる事になり、いつのまにか彼らの定番アイテムとなりつつあるのは、まだ少し先の話。






ちなみに後日、しっかりちゃっかり『大人の玩具屋』から『贈り物』の料金が何故かシンに請求されて。

「やっぱ、あいつ、初めからこのつもりだったんだ!。何なんだよ、あの人ーッ!!」

と。

叫んだ声は、オーブに居るキラには届く事もなかったらしい。


お題配布元→http://roo.to/abandon/
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
3 『波の花の祝福を君に』
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/30[ Sun ] 23:36
●03 手を繋ぐ
ツンデレアイコン2


ざぁん、と。

曇り空の下、天の色を映しこんだ灰色の海原が白波をたてて。
波打ち際の砂浜に押し寄せては引いていく。
地球の引力を感じる、母なる海の力。

まだ陽が昇らない薄明かりの空の下、冬の到来を感じさせる冷たい秋風が藍の髪を揺らしていく。

「アスラン、寒くないですか?」

シンが尋ねた。

「いや、まだ大丈夫だ」

アスランが答える。



海が見たい、とアスランが呟いたのは昨夜。
シンの腕に抱かれ、その抱き締める力の強さに、しかし伝わってくる暖かさに安堵して眠りにつこうとしていた時、ぽつり、と呟いたのだった。

終戦後、戦わずして平和を成し遂げようと選んだ道。お笑いコンビ『ツンデレ』として世界を笑わせて幸せをもたらす道を選んで。
多忙過ぎる日々を過ごしてきた。
今もオーブの温泉を笑いと共に紹介する旅番組の収録で地球に降下していた。
ハード過ぎるスケジュールで既に曜日感覚も季節を感じる事もない。
少し切ないけれど、でも自分達で選んだ道だからと。そう云って淋しそうに笑いながらも、海が見たいとアスランは呟いたのだった。
偶然にもオーブ滞在中宿泊しているホテルは海岸沿いで建物の裏側には寒々しいけれどアスランが見たいと願った海があって。

眠るアスランを起こしてシンは海へと連れてきたのだった。

朝になればまた収録が始まるから、今しかない。
気温差が激しい秋の空気は肌を冷やしていくけれど、今しかなくて。



「アスラン、ほら。気を付けて」
「ああ、すまない」
足場の悪い岩場を、シンが手を伸ばしてアスランを支えて歩ませる。
自分はオーブ育ちだから慣れているけれど、彼は月とプラントしか知らない。
一時オーブに隠住していたけれど、勿論自然に触れる余裕もなかったから、人工の街しか知らないアスランには、地球の壮大な自然は偉大すぎるようだった。

「何度見ても凄いな…」
「今日は天気も悪くて時化てますからね」
「しけ?」
「ああ、こんな風に風が強くて波が高い事を云うんですよ。海が荒れてるみたいでしょう?」
「そうか…」

シンの言葉に頷きながらもアスランがその身をぶる、と震わせた。
黒のスラックスに革靴、上は白いシャツと襟にボアがついた丈の短いジャケットを身に纏う彼は、さすがにこの気温では直ぐに身体が冷えてしまう。
「やっぱり寒いんでしょ?。そんな格好するから…」
隣に立つシンが心配そうにアスランを見つめる。
シンは秋の気温差の激しさも知っているし、岩場や砂浜を歩くのに適した格好も判っていて、スニーカーに色褪せた古着のジーンズ、上は濃赤のタートルと焦茶のコートを身につけている。

「ほら」

そう云ってシンがアスランの手を握り、自分のコートのポケットに突っ込んだ。
「手、かじかんでますよ?。風邪引かないで下さいね」
「ありがとう、シン」
少しだけ大人になったシンの優しさに、アスランは微笑んで素直に感謝した。

「アスラン、こっちです」
手を繋いだままシンが岩場を更に進んで波打ち際まで連れていく。
見せたいものがある、とアスランを岩場まで連れてきたのだった。
「見せたいもの、って一体何だ?」
「ん、直ぐに判りますよ」
そう云ってシンは岩場を覗きこむようにして、少し高度がある岩場の下の、荒波が打ち寄せる海面を指差した。アスランも恐る恐る身を乗り出して、先を見ようとした。

その時。

ふぅわり、と。

何かが、空を、舞う。

「………え?」

視界に入ったそれに、アスランが小さく声を洩らして。

そして翡翠の眼を瞬かせた。

そこには、白い、白い、華のような、泡。
幾つもふわりふわりと舞い上がり、風に飛ばされて。

「これ、『波の花』って云うんですよ」
「波の花………?」

シンがぽつりと呟いた。

「こんな風に風が強くて時化ている時に発生しやすいみたいです。詳しくは俺もよく判らないんですけど、打ち寄せた白波がその激しさに泡だつみたいに、その泡が風に飛ばされて舞い上がるんですよ」
「………綺麗だ」
「うん、今日みたいな天気なら見れるかなと思って。だからアスランに見せたいなって」
「ありがとう………シン」
風の吹くままに舞い踊る白い泡たちが、アスランの視線を釘づけにする。

生まれて初めて見る光景に、海が、風が、生きていると、その存在を示す光景に。
アスランは魅せられた。

「アスラン………」
シンが後ろからアスランわ抱き締めて、羽織るコートで彼を包み込んだ。
背中に感じるシンの体温と、目の前に広がる風景に。

ああ、俺は、俺の守りたかったものは、此処にある、と。

そう思うと視界が段々とぼやけていく。

「ねえ、知ってました?」
「…何をだ?」
シンの指が、そうっと、アスランの目尻に触れて。
滲んだ涙を拭いとりながら気付いていない素振りで話し掛ける。



「…今日は、あんたが、この世界に、産まれてきてくれた日ですよ」

「………あ」
「うん、多分忘れてるな、と思ったけど」

そう云って苦笑いされた。
抱き締める腕の力が更に強くなり、シンの唇がアスランの耳元に寄せられる。

「誕生日、おめでとうございす…アスラン」

そして、アスランの手を掴み、何かをその手の平に乗せた。

「………っ!」

視線を落としたアスランがそれを見て、言葉を詰まらせて。

ぼろぼろと、涙を、秋風に舞い散らせる。

「シ、ン」

「…形式上は無理だけど…」

シンの、声。
いつにもなく真剣で、愛が込められた、声。

ぎゅう、とシンの手がアスランの手の平にあるものを彼の手ごと握り締められる。


「………結婚、しましょうか。俺達………」


アスランの手の中にある、シンからの贈り物。

丸い、指輪。
愛の、印。

「………うん、うん。シン」

泣きながらアスランが頷く。

「本当はこんな寒空の中でプロポーズしたくなかったけど…でも見せたかったから。波の花」

「…ああ。ありがとう?」
「…いや、その…肝心なところで疑問系で答えないで下さい」

相変わらずのずれっぷりも、今では凄く愛しいけれど。

「…ありがとう、シン。最高の誕生日プレゼントだ…」

そしてアスランは、笑う。

幸せに満たされて、シンの暖かさと自然の美しさに満たされて、何よりも綺麗な笑顔を、見せた。





ふわりふわりと白い花が舞う中で、口付けをかわす二人を、夜明けの暁が照らしていた。


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Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
9 『唇から愛を伝えよう』
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/29[ Sat ] 23:56
●09 指切り

沢山、沢山、身体も心も全部愛してもらって。
指一本動かせなくなった身体は隅々までシンで満たされて。
心も、幸せでいっぱいで。

くたり、とシーツに沈んだアスランはまだ余韻から醒めやらず、惚けた顔で寝室の天井を見つめていた。

求め求められ、交わり合うセックスはいつもだけれど、今日は『特別』で。


今日はアスランの『誕生日』だから、『特別』で。






「アスラン?。生きてますかー?」

惚けたまま動かない、だけど時折ひく、と痙攣するアスランの肢体を横であぐらをかいて座るシンが上から覗き込んだ。
勿論シンも全裸のままで、散々頑張ったお陰で腰は痛いし顎も舌も痺れて感覚が薄い。
それでもアスランよりは元気で暢気に聞いてくる。

「アースラン。生きてるー?」
「………半分死にかけてる。やりすぎだ、馬鹿野郎………」

何度も聞いてくるシンが煩くて漸く重い口を開いてアスランが話した言葉はそんなもので。
喘ぎ過ぎた喉は痛み、声はすっかり擦れている。
「良かった、生きてた」
返事をかえせばそんな馬鹿げた言葉をほざくから。
アスランはじろり、と翡翠の眸でシンを睨む。
しかし泣いた所為で潤んだ眼で睨み付けても。
「そんな眼で睨んでも恐くありませんから!」
と。逆に云われてしまう。
諦めたアスランが疲弊した身体をもそり、と動かして横向きになって目蓋を閉じた。

大体こんなにもセックスに溺れて、終わった後に起きている方が珍しくて。
大概はそのまま失神してしまうのだけれど。

だが、シンは慌てたように自分も寝転がって眠ろうとするアスランの背中に縋るように抱きついてきて。

「ちょっと、まだ寝ないで下さいよ!」

睡眠を阻止されたアスランが、うー、と唸るとシンもまた、うー、と唸り返す。

「もう、散々したんだからいいだろ…」
「いや、もうしませんって!。俺だって枯れましたよ、さすがに」
「枯れたとか云うな。下品だろ」
「あんたに関する事なら下品とか思いません。つうか、そういう事云わせるあんたがエロいのがいけないんです!」
「………馬鹿か、お前は」

アスランにしてみればシンの言い分は全く理解できないのだけれど。

でも今日はさすがに自分でも乱れ過ぎたと自覚している。
誘い誘われ、互いを煽り、シンを搾り尽くした先程までの行為を思い出してアスランは首まで真っ赤に染める勢いで赤面した。

「あ。思い出してる!」
「煩い!。黙れっ!」

シンに図星をさされたアスランがシンの腹に肘鉄を食らわせた。

「ぐぇっ!。………アスラン、ひどい…」
「自業自得だ!」

撃沈したシンにアスランはとどめの言葉を吐き出した。
しかし彼からの愛の一撃もたっぷり食らい慣れたシンはこれ位ではめげたりはしない。
痛む腹をそのままに更にぎゅう、とアスランを後ろから抱き締めた。
「アスラン?」
まだ赤面しているアスランの耳たぶに唇を寄せて、シンは精一杯甘い声で彼の名を囁いた。
抱き締めた手をするりと動かして、腹部から胸を通過し、そして鎖骨をなぞる。

「…っ、シン」

やけに生々しいその指の動きにアスランが小さく震えて。

「やめろ…もう疲れた」
「うん、もうしませんってば」

そう云いながらもまだ動き続けるシンの指先はやがてアスランの唇に触れた。

「…ねぇ?、アスラン…」
「なんだ?」

触れた指先に言葉と共に伝わる振動。


「………幸せ?」


シンが、呟いた。

「…シン?」
「アスランは、幸せですか?」
「………」
「俺と一緒で…俺なんかと一緒になるのを選んで………幸せ、ですか?」

指先がアスランの唇の動きを確かめるようになぞり、そしてシンの唇がアスランの髪にそぅ、と口付けられる。
小さく震えるような、シンの鼓動がアスランの背中に伝わってくるようで。

それがやけに切なくて、不安げで。

沈黙したアスランの反応が、シンにはとてつもなく恐かった。

しかし。

されるがままだったアスランの唇がゆっくりと開かれて。

ぱくん、と。

シンの指先を銜え込んだ。

「…アスラン?」

思ってもみなかった反応に、シンが驚く。
銜え込まれた指先はアスランの口の中で、その奥に潜んだ舌が淫らに蠢いて舐められる。
「…っ、ん…ん、ん」
わざと声を洩らすように音をたてながら指をしゃぶるアスランに、シンは次第に彼の愛撫に酔い痴れて。

漸く放された指先はアスランの唾液で濡れそぼっていた。

「………アスラン」

しかしまだ問い掛けた答えは貰っていない、とシンが彼を抱き締めたまま名を呟くと今度は舐められた指先をアスランの手が掴み、そして目蓋へと誘導された。

「………っ」

シンは言葉を失った。

「………お前、本当に………馬鹿だな」

導かれた目蓋の、濡れた感触に。
手のひらに感じる、水の流れに。

シンは、彼が泣いているのを知った。

滅多に涙を見せない彼が、声もなく、泣いていた。

「アスラン………」
「好きだから、お前を好きだから、一緒に居ると、決めたんだ」
「………はい」

「お前を選んだのは俺だ」
「………うん」

「…お前と共にありたいと、初めて自ら他人を望んで、そして今、こうして一緒に居る」
「………」

「俺が幸せかどうか、判らないお前は、馬鹿だ」

強い口調で告げるも、涙はほろほろと零れていて。

シンに愛されている喜びと、心を伝えきれていない悲しみと。

「………ごめんなさい」

シンが泣きそうな声で呟いた。実際眼は潤んでいて、今にも溢れそうだったけれど。

「俺だって、同じ事を考える。俺なんかでいいのか、と」
「そんなっ!。当たり前です!」

アスランの言葉にシンが叫ぶ。
叫んで、シンは、気付く。

彼も、アスランも、同じ想いで。
幸福で、不安で、満たされ揺れている。

「………同じだ、シン。俺も、お前も………同じだから」
「うん、…うん。アスラン」
「すまない、俺は言葉が足りないから…」
「逆に俺は言葉余りすぎですけど」
「そうだな」

感情を表に余り出さない、人付き合いの下手なアスランと、素直すぎて、でも捻くれてて周囲に突っ掛かりすぎるシンと。
お互い気持ちを巧く伝えられなくて、心では判っていても言葉で欲しくなる事もあるから。

どちらともなく、ぷ、と吹き出して。

やがてそれは大きな笑い声となる。

「…シン」
アスランがシンの腕の中で、くるり、と身体の向きを変えて、シンの首筋に頬を擦り寄せた。
「うん…アスラン」
シンも、アスランの身体を強く、だけど優しく抱き締めて。


「愛してる」

と、互いに囁きあって。



「約束しましょう」
「約束?」
「うん、そう。約束。これからもきっと不安になったりするでしょうけど」
「…ああ」
「ちゃんと不器用なりに言葉で伝えて」
「たまには態度で、か?」
「茶化さないで下さいよ!」
「…ぷ。す、すまん」
「もう…。とにかく!。ずっと、一緒に、いましょうね、俺達」
「………ああ、シン」


いつのまにか涙は枯れて、互いの潤んだ眼を見つめあい、笑いあいながら。

二人、唇を寄せて。


キスで、指切り。



幸せの為の、約束を、かわした。


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Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
7 『仲良く幸せを分け合おう』
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/29[ Sat ] 21:00
●07 半分コ

シン「アスランさーん!。お誕生日おめでとうございまーす!」
アス「あ、ああ。ありがとう(何でこいつ、こんなに張り切ってるんだ…?)」
シン「はい、これ、俺からのプレゼントです!」
アス「ありがとう。(随分でかい箱だな…しかもやけに軽いし…)開けてみてもいいか?」
シン「はいっ、勿論!」
アス「…(箱を開けてる)………なぁ、シン?」
シン「(箱を開けてるアスランを見ながらわくわく)はい?」
アス「………これ、は何だ?」
シン「プレゼントですけど何か?」
アス「…俺には大量の…『アンシス』に見えるんだが………」
シン「ええ。そうですけど?」
アス「これ、全部、俺に食えと…?」
シン「いや、さすがに全部はきついでしょうから、俺も半分手伝いますよ!」
アス「(にっこり笑って)…シン?」
シン「(同じくにっこり笑って)はい?」
アス「…どちらかといえば、俺は『アンシス』よりも、お前を食べたいんだが?」
シン「え、ちょっ、まっ、マジですかーッ!?」
アス「ああ。(またにっこり笑って)本当だが?」
シン「(あああアスランさんの方から誘ってくれるだなんて!。こんな日が来るなんてーッ!)」
アス「ほら…シン?」
シン「はっ、はい!!」
アス「………ん、む…っ(ぱくん)」
シン「(うわ、うわっ!。アスランさんが跪いて俺のを、俺のを…ッ!)」
アス「ん、ヒン…っ」
シン「(その可愛いお口にくわえたまま、俺の名前呼んでるよ!)」
アス「………っ!」
シン「ぅ、うあ、あ(錯乱中)」
アス「(がぶ)」
シン「ギャ---ッ!」
アス「(口を拭いながら)…ふん!」
シン「(押さえて蹲る)………っ、い、いた、痛い…っ」
アス「何か不満でも?」
シン「あ、あ、あんた!、噛まなくってもいいじゃないですか!」
アス「だから、俺は食べる、と云っただろう?」
シン「使いモンにならなくなったらどうするんですか!」
アス「俺は別に困らない(きっぱり)」
シン「ひ、ひどい…っ(むせび泣き)。ちょっとした遊びだったのに…」
アス「受けを狙うお前が悪い!」
シン「うっ、うぅ、うーっ」
アス「ほら、いつまでそこに蹲ってるんだ?」
シン「だって…だって…っ(ぐすぐす)」
アス「…ちゃんと祝ってくれるんだろ?」
シン「え?」
アス「こんな受け狙いだけじゃなくて、ちゃんと祝ってくれるなら…許す」
シン「あ、はい!。はい、勿論!。祝いますとも!!」
アス「(結局甘いな、俺も…)ほら、シン…」
シン「アスランさん…」



こうして、散々シンに流され振り回され、結果少しだけ強くなったアスランさんでしたが、結局は負けてシンに身体も心も沢山祝ってもらったようです(ry

Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
6 『素直なココロ』 1
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/29[ Sat ] 16:39
●06 二人三脚

「アスラン、今日はデートしましょう!」

突然シンが宣言した。

早朝目覚めて、いつもの如く自分とアスランの朝食を作る為にキッチンへと向かった彼が、未だ寝足りなくて毛布にくるまり転寝していたアスランの元へいきなりやってきて、声も高々にそう告げたのだった。
朝食作りの真っ最中だった為に、勿論シンは白いエプロンを身につけている。
上半身は裸で下はジーンズという、エプロンにはミスマッチな姿をしていて手にはフライ返しを持ったままで。

「………ふぁ?」

もそ、と毛布の中から顔を出してアスランは欠伸をひとつ。
そして眠たげな眸でやけに張り切っているシンを見つめた。

「…お前、何をいきなり…?。今日はお前、仕事あるんだろ…?」

秋を迎えた朝は空気も澄んだように冷えていて、アスランはその寒さから身を守るように毛布を身体に巻き付けている。
暗にまだ俺は眠いんだ、起こすな馬鹿野郎、と態度が伝えているも、そんなのは以外と朝に弱いアスランと共に生活しているシンには慣れきってしまっていて。
全く動じずにアスランから毛布を剥ぎ取る。
毛布を奪われて一気に身体を冷たい空気が包み、薄手の生地のパジャマを羽織るだけのアスランが、ぶる、と震えた。
「あんたまだ寝呆けてますね?。今日は休みですけど?」
シンが奪い取った毛布片手にそう云った。
一気に眠気が飛んだアスランが、くる、と首を回して壁にかかったカレンダーを見やる。
そこに書かれた互いのスケジュールは空白で。

「………………あ」
「…ね?」

茫然とする彼にシンが首を傾げてにやりと笑う。

「だから、デートしましょう!。デート!」
「いや、しかし…」
「あんた今日は仕事ないでしょ?。俺ちゃんと知ってるんだから、誤魔化しても無駄ですからね」

言い淀むアスランの言葉の続きをシンは先読みしてきっぱりと言い切った。
先手をとられ、うぅ、と小さく唸るアスラン。

「という訳で、さっさと起きて朝飯にしましょう!。食べたら直ぐ行きますからね!」
やたらと張り切るシンが、手にしていたフライ返しを振り回し、そして再びキッチンへと戻っていった。

「…デート…って、今更…」

一人残されたアスランが、ぼそ、と呟いた。
そして寝起きでまだ体温が外気に慣れていない身体を、ぶる、と震わせて。
漸くベッドから起き上がった。



悲しい結末を迎えた戦争も漸く終わりを告げ、二人は迷い苦しみながらも新しい生き方を模索し選んでいた。
戦時中は周りに翻弄され敵となって袂を分かつ結果となった二人だったが、己の心に正直になろうとシンはアスランを、アスランはシンを、互いを何よりも必要だと選んで。

そうしてプラントへと戻ってきたのだった。

シンはアスランの反対を押し切って軍に残り、数少なくなったMS乗りとして現場レベルでの復興を行い、又アスランは亡き父やデュランダルとは違う思想のもと作られた新政権の為に評議会の一員になる選択をして。

もう、手を離さない、と。
何があっても、傍を離れない、と。

そうして二人は共に暮らす道を選んだのだった。



暫らくしてリビングにやってきたアスランはまだパジャマ姿で、藍の髪にはあちこちに寝癖がつきまるで鳥の巣状態だった。
「ちょっと。まだそんな格好してたんですか?」
アスランの姿を見てシンがぼやく。
「お前だって人の事云えないだろう」
口を尖らせ反論しながらアスランはシンのジーンズを指差した。
先程から履いている彼のそれはよれていて、所々穴があいている為お世辞にも綺麗とはいえないもので。

「古着だからコレでいいんです!」
「…俺にはその良さが判らないんだが…」
「俺だってあんたの服の趣味は理解できてませんから!。お互い様でしょ?」
「………悪かったな」

朝飯前の何とやら、毎朝繰り返される痴話喧嘩だった。
大概は寝起きで頭が惚けたままのアスランがシンに言い負かされて、拗ねたように椅子に座り、テーブルに置かれたコーヒーメーカーから自分のカップに中身を注いで終わる。
今日も例外なく、アスランがいつもと同じ行動に出て終わるかと思われた。

だが。

「…しかし何故また急に…」
注いだ濃いめのコーヒーをブラックのまま一口飲んだアスランが喋り続けた。
「急にって、デートの事?」
「…ああ」
焼きたてのプレーンマフィンと、オムレツになりそこねたスクランブルエッグをテーブルに並べたシンが問い返しながらアスランの向かい側の椅子に座った。

「何でそんなに行きたいんだ?」
「何でそんなに行きたくないんですか?」

アスランが聞けばシンは負けじと聞き返す。

「いや、行きたくないとは誰も云ってないだろ」
「あんたの態度がそう云ってますから!」
「………う」
「いいじゃないですか。たまにはデートしたって」

シンに追求されて言葉に詰まるアスランに尚もシンは突っ掛かる。
やたらと今日は反論するな、こいつ、と思いながらアスランは両手でカップを持ちコーヒーを啜った。

「たまには、って…一緒に住んでいるのにか?」
「一緒に住んでても、する時はするでしょ?。ていうか、何でそんなに厭がるんですか!」

次第に本気でふくれだすシンがマフィンにがぶり、と食い付いて。
アスランにも言葉で噛み付いて。
うー、と唸るように上目遣いで彼を見つめた。

「………………そんな目で見るな」
「じゃあ素直に話して下さいよ」
「………………………」

やはり今日のシンは手強い。
追い詰められたアスランがとうとう沈黙して視線を泳がせた。

「もしかして恥ずかしいとか云いませんよね?。今更」
と、シンに云われてアスランの視線が更に泳ぐ。
「図星かよ!」
思った通りの思考とその態度にシンが大声で叫ぶ。
「いや…その………」
もごもごと口を動かすアスランの頬が段々と赤く染まっていった。
顔を横に逸らしたり俯いたりと態度が忙しなくなっていく。

そんな彼を見るのは可愛らしいけれど、だからといって別に困らせたい訳ではなくて。
でも今日は、今日だけは違う。

今日は、特別なのだ。


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6 『素直なココロ』 2
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/29[ Sat ] 16:36
●06 二人三脚

「………アスラン?」

シンがこの場にそぐわないような、真剣な声で名を呼んだ。
それでもシンを見つめ返せないアスランを気にせずシンは告げる。

「今日は何月何日ですか?」

「…?。今日は………」

そう問われて先程寝室で見たカレンダーを記憶の中で再生させ、アスランは固まった。
そして錆付いたような不思議な動きでゆっくりとシンを見つめて。

翡翠の眸が大きく見開かれている。

「………シン?。もしかして………?」
「もしかしなくても、そうですってば!」
「………誕生日?」
「何でそこで聞き返すんですか!。あんた、自分の誕生日でしょう!」
「あ…、いや…それは」

ぎゃんぎゃん吠えるシンに反比例してアスランは益々狼狽えていく。

そういえば、とか。
ああ、だからか、とか。

ぐるぐると空回りする思考が言葉をうまく吐き出せなくしていくようだった。
「やっぱり、忘れてたんですね!」
「………あぁ」
とうとうシンは椅子から立ち上がり、未だ狼狽えながらも小さく頷いたアスランに身を乗り出して。
「どうしてあんたは自分の事となると激しく疎くなるんですか!」
「………」
またも図星をさされ何も云えないアスランはコーヒーカップを両手で持ったまま肩を竦めて小さくなる。
するとシンが椅子から離れて直ぐ向かいに座るアスランの元へ近づいて。

「………ねえ?。アスラン?」
後ろから椅子ごと彼を抱き締めて、寝癖で絡まった藍の髪に鼻先を埋めた。

「今あんたが何考えてるのか当ててみましょうか?」
「………シン」
「どうせ今更恥ずかしいだとか、祝ってもらうのがおこがましいだとか、考えているんでしょ?」
「………」

シンの問い掛けにアスランは沈黙で肯定する。窮地にたたされると普段口煩い彼が沈黙してしまうのは身をもって知っているから、シンは気にせず言葉を繋げる。

「あんた見た目通り頑固だから、素直に頷けないでしょうけど…でも、今日くらいそんなの考えずに素直に祝われて下さいよ…」

今自然と凄い事を云われたような気がしたが、シンの抱き締める腕に力がこもり、アスランは何も云えなかった。

「………今日は初めての誕生日、なんですから………」

シンの声が、微かに震えた。

抱き締められたアスランもその言葉に肌を震わせる。

辛いとしかいえない醜悪な争いの日々が終わり、未だ戦後の混乱が続く今。
本当はそんな祝い事などしている余裕はないのだけれど。

しかし、二人で初めて迎える誕生日なのだ。
出会った時は互いの誕生日など知らなかったし、当然こんな風に結ばれてもいなくて。
そしてシンの誕生日にはアスランはシンの傍には居なくて。

もう一度共に過ごせるなど思ってもいなかったこの日。

こんな、穏やかな時間。

「前に約束しましたよね?。ミネルバの、あんたの部屋で」

シンの言葉にアスランは、かつてミネルバに居た時に何気なくかわした会話を思い出す。

『あんた、誕生日も忘れて仕事してそう』
『…努力は、する』

しかし案の定アスランは忘れていて、シンは覚えていて。

「…だから俺、無理矢理休暇願い出したんです。あんたの分も」

さらっとシンが云った。

「出したのか!。しかも俺の分も!?」
「はい、出しましたよ!。出しましたとも!」

驚いて背後から抱き締めるシンの手を振りほどいてアスランは彼を見て叫ぶ。しかし返ってきたのは逆ギレしたシンの言葉で。
「何故!」
「だってあんた、絶対忘れてると思ったし、事実今日になってもそうだったし!」
「………う」
そう云われてはもう反論の余地はなかった。

それに、シンが出したアスランの休暇願いは、それを受理する評議会の長は。

「ラクスさんはにっこり笑って受理してくれましたよ」

そうなのだ。今、プラントの長は、ラクス・クライン。アスランのかつての婚約者で、その裏側もよく知る彼女なのだ。

シンの言葉にアスランは今度こそ撃沈する。

がくり、と力を失って椅子に座り込む。

「お前…なんて事を…。今度どんな顔して会えばいいんだ、俺は…」
「堂々としたらいいでしょ。どうせ知ってるんだし。彼女、俺達の事」
「だからだ…馬鹿」

ラクスだけじゃない。確実にオーブにいるカガリやキラにまで話は伝わる。
二人の低レベルな痴話喧嘩まで公的な回線を使って報告するような、ある意味強かなラクスだからこそ問題なのだと、アスランは痛くなる頭を抱えて考える。

「でもお陰で休暇とれたんだし、いいでしょ別に!」
全く気にしないのか、モラルが欠けているのか、シンはうなだれる、それこそモラルの固まりのようなアスランをまた背後から抱き締めて。

「…今日一日くらい、全部忘れて…何の肩書きも立場もない二人でいましょう。…ね?」
アスランの寝癖で巣食った髪にキスをした。

「………喜ぶべきか、悲しむべきか………」
「喜ぶべき、です。当然!」

まだうだうだとぼやくアスランにシンはきっぱりと言い切って。
身体を横にずらし、うなだれたアスランの顎をぐい、と掴んで上向かせて。

「………っん、う………」
いきなりその赤い唇を奪った。

朝にしては濃厚な舌を絡める口付けにアスランが僅かに手をばたつかせて抵抗するも、それは直ぐにキスに溺れる仕草に変わる。
シンはアスランの首元を、アスランはシンの背中を互いに抱き寄せて暫し互いの舌を貪っていた。

「………っ、は………っ」
漸く離された唇の端から溢れた唾液をシンの舌が舐めとって伏せられた目蓋に触れるだけのキスをする。
「ほら、もう納得したでしょう!。早く朝飯食べましょう」
まだ途中だった食事を促してシンは自分の席へと戻った。

「………シン」

キスの余韻から漸く我に戻ったアスランが俯いたままでシンの名を呼ぶ。


首を傾げて彼を見つめたシンに。


「………ありがとう………」




ぽつり、とそう呟いたアスランの頬は、赤く染まっていた。


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10 『今この瞬間を貴方と共に』 1
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/29[ Sat ] 02:49
●10 共有時間

「…ん。こら、シン」

アスランの咎める声がしたけれど、シンは勿論聞き入れない。

ミネルバの自室でデスクに向かい、ずっとノートパソコンのキーボードを叩いていたアスランの首筋に、シンは何度もキスをした。
最初はついばむようなキス。
そして時折舐めあげるようなキス。
さすがにきつく吸い上げるような激しいキスは、確実に白い柔肌に跡を残すから首筋にはできないけれど。
「シン、こらっ。本当にいい加減にしろ!」
段々と妖しさを増してきたシンの口付けにアスランがキーボードを叩く指を止めて首を回してシンの顔を見返した。

すると其処にあったのは、うー、と唇を尖らせて拗ねた子供じみたシンのカオ。

「…シン、何、お前拗ねているんだ?」
アスランがその表情の意味が判らないと尋ねれば、シンがぎゅ、と彼の肩を包むように抱きついてきて。

「………あんた、ひどいよね」
「は?。何がだ?」

呻くように呟いたシンの言葉の意味が、本気でアスランには通じてない。

「俺、今何処に居ますか?」
「俺の部屋だが?」
「何で此処に来たと思いますか?」
「………さあ?。俺が知りたい」

どこまですっとぼけているのか、アスランは真剣に答えている。
随分とくだらない事を聞くな、と呆れながら一度は止めた手を再び動かしてキーボードを叩く。
それでもシンの問いには律儀に答えるのがアスランらしいのだが、シンがそれで満たされる訳は勿論なくて。

「………あ。セックスしにきた、とか?」

いきなり思い出したかのように視線を上げて首に抱きつくシンに逆に聞き返す。

「………………も、いい、です………」
いつもならどこまでも果てしないアスランのボケッぷりに突っ込み返すのだが、今日のシンにはそんな余裕は全くもって、ない。
がくり、と力をなくした肩が哀れで。
アスランから離れたシンは、とぼとぼとドアの方へと歩きだした。
「おい、シン?」
さすがにおかしいと気付いたのか、それともまずいと感じたのか、アスランがパソコンから離れてシンを見つめると、ドアの前でシンが立ち止まる。

「…俺、別にあんたの事カラダ目当てな訳じゃないし」
「…シン」
「ただ一緒に居たいと思っただけなんだけどなぁ…」

振り返る事なくポツリと呟くシンの表情はドアに向けられていて、アスランからは全く見えない。しかし口調と淋しそうな背中でだいたいの予想はつく。

「シン」

アスランが椅子から立ち上がってシンを呼ぶも、こちらを見ようともしない。

「シン」
「もう、俺、部屋に戻ります」
「シン!」

パネルを操作してドアのロックを解除しようとするシンの手を、アスランが掴んで上から重ねるように、ぎゅ、と握り締めた。
それでもドアに向かったままのシンを挟むようにして、もう片方の手をドアにつきシンの後頭部にこつんと額をあてる。

「………」
「…拗ねるなよ…」
「…拗ねてなんか、ないです」
「いや、拗ねてるだろ」
「…拗ねたら駄目ですか?」

まるで駄々をこねる子供をあやすような会話。アスランの言葉にいちいち噛み付いてくる。
直情的なシンの性格は判ってはいるけれど、今噛み付かなくてもいいじゃないか、とアスランは小さく溜息をついた。
「…仕方がないだろう?。急ぎの仕事で、ミネルバで出来るのは俺しかいないんだし…」
アスランが今かかりきりになっていた仕事はMS工学のデータで、MSの中枢ともいえるOS開発に関する物だった。
かつての大戦でザフト製でも最高水準とされた機体ジャスティスを、カスタマイズして更に性能をあげた情報処理能力の持ち主で、今も自らの機体セイバーのOSをバージョンアップさせているのだ。
今後のOS開発で試作しているデータを確認しながら改良すべき箇所をチェックする作業はそう多くの者が出来る作業ではないし、現在もパイロットとして前線で活躍しているアスランにしか出来ないだろう。
勿論ミネルバには他に出来る者など居ない。

しかし、通常の任務以外にもそうやって外部からの依頼を受けていれば必然的にアスランは激務になり、自室に居てもくつろげる時間などなく、シンと共に居ても毎度こんな調子ではシンでなくとも拗ねたくもなるに違いない。



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