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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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茜さす帰路照らされど 2 (#35 ~36)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/12[ Wed ] 21:52
「…あの、俺…」
シンが困惑した表情で呟いたが、それはアスランも同じで。
「…とにかく、出頭準備を…」
端末を操作しながらそこまで云って、アスランは黙ってしまった。

そういえば、と。

「…アスラン?」
「ぁ、いや…その。お前、先にシャワー浴びていけ…」
「あ、はい」

アスランの言葉にシンは素直に従ってベッドから抜け出る。
ちら、と見るとアスランはシンに背中を向けるようにデスク上の端末に向かったままで、少し俯いて居ずらそうに立っていた。

その姿は勿論全裸で、シンと同じだ。

背筋のラインがやはり骨張っていて、それを見てシンは少し辛そうに眼を細めた。

「………っ、おい?。シン!?」
急に暖かいものが触れた感覚にアスランが驚いて首を横にむけると、シンが後ろから抱きついていた。腰の辺りから手を回しアスランの腹の上で指を組み、幾分か低い頭は俯いて肩に擦り付けられていた。
「シン、おい、だから………」
どもる声音には焦りだけでなく、どこか羞恥も含まれていて。

昨夜あんなに乱れておいて今更恥ずかしがるアスランが、公的な事になると全く気にもとめない癖に、通信が終わり我に返って自分の姿に恥ずかしがるアスランが、シンには堪らなく愛おしかった。

また、こんな時間が過ごせるなんて、思わなかった。

「シン、離せ…っ。いいから、シャワー浴びろ…」
「………アスラン」

回されたシンの手を払おうとした時、背後の彼が小さく名を呼んだ。

泣きそうな、切ない声に、どきり、とする。

「………本当に、ごめん………」
「…いいよ、もう…気にしなくていいから」
解こうとした手に自分の手を重ねて。きゅ、と優しく握る。
「それより、本当に早くしないと間に合わないぞ?」
「…はい」
のんびりしている場合ではない、とひどく冷静な判断にシンは耳を垂らした子犬のようにうなだれて、離れがたい気持ちを抑えてアスランから身を引いた。
そしてがっくりと肩を落としたままシャワールームへと進むシンの様子を見てアスランが苦笑する。彼の首に後ろから手を回してこちらを向かせて。

触れるだけの、優しい、キス。

「ほら、早く浴びてこい」
「…っ、はいっ」
頬を薄く染めながら囁くと、途端に嬉しそうな顔をしてシンが頷くから。

その笑顔が余りにも可愛らしくて。
アスランも、幸せそうに、微笑った。

やがてシャワールームにシンが消え、室内に一人残されたアスランは先程までの優しい表情を研ぎ澄まされたものに変えた。
床に脱ぎ散らかされた己の軍服を拾いながらデスクに置かれたノートパソコンに視線を向け、素肌に上着を羽織るとパソコンの横に挿入していたメモリーを引き抜いた。小さなそれは握り締めると簡単に納まって隠れてしまう程の小ささで。

「………慎重に動かなければ、と思っていたが…余り時間はないかもしれないな…」

そう呟くアスランは、シンに向き合っていた一人の人間の『アスラン・ザラ』ではなくて。

『軍人』の顔をしていた。






そして時間は簡単に過ぎ、アスランとシンは艦が停泊していた軍港の指定された場所へと向かった。
そこには既に議長側から用意されたエアカーが待機していた。
同じ深紅の軍服を身に纏った二人は無言でその車へと近付き、議長側の使者に敬礼をして後部座席に乗り込んだ。

直ぐに走りだしたエアカーはオープンカータイプで、巻き起こる風が髪をなびかせる。
シンはちらり、と隣に座るアスランを見た。

先にシャワーを浴びて自室に戻って着替えてきたシンが、再びアスランの部屋に戻ると既に彼は『軍人』としての公的な顔をしていて。
シンしか知らない等身大の彼の雰囲気は何処にもなかった事を、今は少し淋しく感じていた。
アスランはシンとは逆の方向をずって見つめていて、何を考えているのか、今どんな表情をしているのか、シンには全く判らなかった。
目線を泳がし、再びアスランを見つめる。
そして、そっと手を伸ばして。シートに無造作に置かれた彼の手に、シンは触れた。
前の座席に座る議長の使者には勿論見えない。
触れて握ると、アスランの肩がびく、と揺れて。
きゅ、と握り返された。

たったそれだけが嬉しくて。

シンは昨日まで荒んでいた心が安らぐのを感じて。

もう、この手は離さない、と。
なにがあっても、ずっと一緒に、居たい、と。

「………俺、もう、この手を…離しませんから…」

シンは祈るように呟いた。
小さくて風にかき消される声はアスランにしか、聞こえない。

「………ああ。俺も、だ」

顔を合わせぬまま、アスランが頷いてくれた。


アスランは、悲しくて切なくて、泣きそうになるのを必死に堪えていた。

ごめん、シン。
俺は行くけれど。
この気持ちは、嘘ではないから。


「ずっと………一緒、だ。シン………」




アスランは、シンに、初めての『嘘』を、ついた。

ちぐはぐな想いをそれぞれ抱いて、繋ぐ手はお互いの愛を伝えあって。

やがて議長の元へと到着するまで二人は視線を合わせぬまま。

ずっと手を握り締めていた。
Category [ 時系列(No.04)【茜さす帰路照らされど】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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