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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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永遠のパズル 17 (#35)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/10[ Mon ] 23:29

原型を留めない程に壊れたインパルスが、AA討伐作戦に参加していた他艦隊のMSに回収され、ミネルバへと戻ってきた。
故障して内部から開かなくなったコクピットを整備クルーが外部から無理矢理抉じ開けると、シートにくたり、と座ったシンが五体満足で其処に居た。
機体の余りの損傷に皆一抹の不安をもってコクピットの開放を見守っていたが、シンの無事な姿を確認し安堵した。

インパルス帰投の知らせを受けてルナマリアとレイが格納庫へと走りだした。その際ちらり、とレイがアスランを見やる。
アスランは未だ呆然としてモニターの前で立ち竦んでいた。顔色は真っ青で、今にも倒れそうな程で。
レイはにや、と微笑して視線を前にむけ走った。

やがてアスランがびく、と動き虚ろだった眸に光が戻った。激しさを含んだ翡翠色が何も映さなくなったモニターを睨み、そしてアスランはくる、と背を翻して格納庫へと歩きだしていく。
その時眸に宿ったものは、理性から解放された剥き出しの感情だった。

格納庫では整備クルーや駆け付けた仲間達がシンを歓迎していた。
先程までコクピットで疲弊していたシンも今は元気を取り戻し明るく振る舞っていて。それでも紅の眸は出撃前と同じようにぎらついて。
しかし皆シンの内面に隠された激しさに気付かないでいた。

「………っ」
仲間達に囲まれていたシンが息を飲み、視線を一点に集中させた。シンの様子に皆がそちらを見やると。

其処には、アスランが、居た。

彼はシンに群れる人から離れて一人たたずんでいた。何時の間に来たのか判らなかった。
つ、と群衆を抜けシンがアスランへと歩みだす。
「………誉めてくれませんか?」
そう云ってアスランの前で立ち止まると、じ、と相手の翡翠の眸を睨み付ける。
しかしアスランは何も云わず、シンを睨み返して。
二人を取り巻く空気の重さに辺りが静まり返る。
「あんたの分も仇とってきたんです。誉めて下さいよ」
またシンが挑発するように云った。
だがそれは真実でもあった。

ステラだけでなく、彼の分も。

シンは怒りをあの機体にぶつけてきたのだ。
顎を突き出すようにして見上げると、アスランがぎり、と唇を噛み締めて。
握り締めていた拳が、動いた。

「………ッ!!」

刹那、シンの頬に衝撃と共に激痛が走った。

殴られた。

アスランに。

一瞬驚いてシンがよろめきながらも殴りかかったアスランを鋭く睨み返す。

「…っ、な、んだよっ、あんた!!」
「煩いッ!!」

シンが叫ぶと怒鳴り返された。アスランはシンのパイロットスーツの胸元を掴みあげ、ぐい、と力任せに引き寄せる。
その眸は、その眸が映す感情は、『憤怒』だった。
間近で彼の顔を見て漸くシンは、アスランが自分に対して、怒り狂っていると、気付いた。
今までにも幾度か怒鳴り付けられて張り倒されてはきたが、こんなにも激昂し怒りをむけられたのは初めてだった。

知らない。
こんな、激しい彼は、知らない。
理性が飛ぶ程に、感情をぶつけてくる彼を、知らない。

シンはアスランの気迫に押されそうになった。

「お前…どう、して…あいつを討った…っ」
シンに顔を近付けてアスランが絞りだすような声音で呻く。
「あいつは、お前を殺そうとしたか?。お前に憎しみをぶつけてきたか!?」
「…っ、何ですか、それっ」
シンにはアスランの言葉が理解出来なかった。
「お前はっ、討つ気もない相手を何故討った!?」
「っん、なの決まってるでしょ!?。アレが敵だからですよ!!」
激しい憎悪をシンに向けてくるアスランは自分の頭の中が深紅に染まっていくように思えた。

この感覚は、あの時以来、だ。
アスランがキラと、殺しあおうとした、あの時のような。

「…っ、敵、だと…?。殺意のない者を、お前は敵だと云うのか!?」
「そうでしょう!?、だってアレは戦場を混乱させてかたんだ!。戦争をなくそうと戦う俺達の邪魔をしてきたんだ!!」
その言葉にアスランは自分に殴られて頬を赤く腫らしたシンを、本気で睨み付けた。
その眼差しは、普段の冷静な彼を識る者ならば驚く程に激昂していて、獣を思わせるような激しさを孕んでいて。

負けじと歯向かうシンですら怯んでしまって。

「では、お前は…っ。俺達を攻撃し、ハイネを…撃墜した…ステラは、敵だと思うか?、思わないか?。どっちだ、シンッ!!」

アスランの言葉にシンが眼を見開いた。
唇を薄く開き、愕然とした。

それ、は。
その事実、は。

シンの思考を、激しく軋ませる。

「…っ、う、るさい…っ。煩いッ!!」

シンが眼を背けてきた事実を、アスランが突き付けた。
駄々をこねるようにシンが頭を振ると、アスランがまた拳を振り上げて殴った。
先程は何とか耐えられたが、今度は衝撃にシンが床に倒れこみ、格納庫に乱雑に置かれた機械に背をぶつける。

「シンっ!?」
倒れこんだシンに、ルナマリアが駆け寄った。
それまで気迫に押されて見つめるだけだった他のクルー達も、シンが倒れたのをきっかけに動きだす。
今尚殴りかかろうとするアスランをヨウランとヴィーノが必死にしがみついて押さえ込む。
倒れたシンをルナマリアが抱き起こし、レイがアスランとシンの間に割って入った。
「離せっ、離せッ!」
「…アスラン。貴方は今自分の立場を判っているのですか?」

掴まれた腕を振り払おうと暴れるアスランに、レイが冷たく言い放つ。

「…な、に…?」

「AA、そしてフリーダム討伐は本国からの、評議会からの正式な命令です。そして我等は本国を守る為に自ら志願したザフトの軍人です。シンも、アスラン、貴方もその一人です」
「レ、イ」

彼の言葉に、アスランの頭が一気に冷えていく。

「シンはいち軍人として命令に従い、そして見事撃破した。それは称賛されるべき事で、今貴方がしたように侮辱するべき事では決してない」
そう云って、レイの眸がアスランをぎらり、と睨む。その迫力は、アスランの記憶に眠る人を彷彿とさせた。

まさか。

一瞬レイに、彼の人のイメージが重なる。

「アスラン、貴方は今何処に居るのですか?。貴方は今どのような立場ですか?」
更にレイはアスランを追い詰める。
その言葉は漸く起き上がったシンにも届いていて。

軋む心にじわりと染み込んでいく。

「貴方は今、ザフトに復隊し、そして特務隊という責任ある立場でこのミネルバに乗り込んでいる。そして我等パイロットの上司だ。その貴方に命令を守ったシンが侮辱するいわれはない!」

レイが、強く言い切ると、アスランの全身から急に力が抜けた。

「………ぁ」

「アスラン、貴方は今一度自分の立場をよく考えて下さい」

レイの言葉は、ザフト軍人として、間違ってはいなかった。周囲の視線がそれを物語り、アスランではなくレイに賛同していて。
激情に流されたアスランにひどく冷めた表情をむけていた。

アスランの云う論は、確かに個人的感情が多分に含まれてはいたが、先の大戦を経験し、あの凄惨な戦場を生き延びて、人間の愚かさを思い知らされた者として間違ってはいないかもしれない。

しかし、今この場に居るのは、先の大戦を識らない者が多くて。
かつてのアスランが思っていた感情を持ち続けている者達ばかりで。

アスランの言動を理解出来る者は今この場にはいない。

この瞬間、アスランは己の居場所を、迷い悩んで、それでも選択したこの居場所を、自ら壊したのだった。

やがて騒ぎを聞き付けた保安担当のクルーが格納庫にやってきて、レイの言葉に打ちのめされ呆然としているアスランを連行していった。

「シン、大丈夫か」
連れ去られていくアスランの背中を一瞥し、レイはシンに声をかけた。
「………ああ、平気だ」
シンは遠くなる彼の背中をじっと見つめながらよろ、と立ち上がった。
心配そうなルナマリアや他のクルー達が見守る中、シンはそれ以上何も云わずに。

沈黙したまま格納庫を出ていった。
連行されたアスランを追うかのように。
Category [ 時系列(No.03)【永遠のパズル】 ]
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