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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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永遠のパズル 13 (#33~34)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/07[ Fri ] 23:00
長い、長い艦内の通路を、アスランは一人歩いていた。

デュランダル議長の演説が終わるのを待つかのように評議会、つまりそのトップである議長からミネルバに下されたひとつの命令。

『AAを討て』。

その命令に疑念と反発を覚えたアスランは、今たったひとりで通路を歩いていた。
この艦の長、タリアに掛け合う為に。

演説を最後まで聞くに耐えず、集っていたブリーフィングルームからふらりと立ち去ったアスランだったが、自室に戻った途端内線端末から呼び出しを受け、呼び出し主である副長であるアーサーから驚愕の命を聞かされた。
それがAA討伐命令だった。
アスランは言葉を失うしかなかった。

やはり先程の演説は、議長は、AAを『ロゴス』である、と断定したのだ。

違うと識っていて断定した。

思いもよらず叩きつけられた現実にアスランは打ちのめされた。
思考が空回りして冷静ではいられない。
とにかく話さねば。
命を受けたミネルバの艦長タリアと、そしてデュランダル議長とも。

そう思いアスランは今、艦長室へと続く通路を急く気持ちを抑えてひとり歩いていた。

しかし今こうなって初めて気付く。議長直属の特務隊『フェイス』に任命されても、実際は彼と直に話せる事はない。勿論直通の通信手段もない。
これでは何の為の『直属』なのかと。以前先の大戦で実の父であるパトリックに任命された時は、手段はあった。余り使う事は残念ながらなかったが。
しかし今は、ない。これでは周りのクルーと何ら変わりはない。ただ、指揮官クラスの権威を持ち、自分の意志で動けるというだけの名ばかりの存在だ。
結局自分は『ザフト』という枠に再度はまっただけではないか。

それを今更ながらに気付かされて、アスランは己の立場に激しく違和感を覚えていた。




やがて艦長室に辿り着き、中へと通される。敬礼をし入室するといつもの定位置に艦長と副長が居た。
「…それで?。アスラン、話というのは何?」
タリアがデスク越しに問い掛けてきた。その表情は突然の討伐命令を受けた衝撃の所為か、アスランと同じように強ばっている。
「はっ。先程評議会から下された命についてなのですが…」
そう切り出すとタリアは手を額にあて、深く溜息をついた。アスランにはその溜息の意味が、判らなかった。
「………やっぱり、ね」
「…は?」
「いえ、こっちの話よ。…それで?」
じろ、とタリアが額を押さえた手の間から鋭い視線をアスランにむけた。怯む事無くアスランは言葉を続ける。
「あの命は、本当なのでしょうか?」
「ええ、勿論よ。先程正式に『AA討伐隊』に我が艦も加われ、と辞令が発せられたわ」
「…っ、では…!」
「ええ。命令通りこれから我が艦は他艦隊と合流します」
「そ、んな…っ」
眸を伏せがちにしてきっぱりと言い切るタリアの言葉にアスランは思わず声を荒げそうになった。二人の間に緊張が走る。
その張り詰めた空気に、アーサーは眉を寄せ成り行きを見守っている。
普段頼りなさげな男だが、まだ若い身空で副長に選ばれた人物だ。きちんと分を弁えて、今繰り広げられている会話も機密として頑なに守り通す事が出来る男だ。だからタリアもアスランも今この場でお互いの意見を隠さず語れる。

「しかし、艦長!。あの艦は…AAは決して『ロゴス』などでは…っ!。議長もそれを識っている筈です!!。なのに何故こんな…っ」
「…それに関しては私も同感よ。だから既に議長側に説明を求めたわ」
「それでは…っ」
「…結果は、変わらなかったわ」
一瞬期待したアスランを、タリアはいとも簡単にそれ打ち砕く言葉を吐いた。
何故タリアが議長に直談判できる手段を持つのか、この時のアスランは考える余裕すらなかった。とにかく今は。『AA討伐』を問いただしたい一心だった。
「…っ、では!。やはり討つのですか、あの艦を…ッ!!」
「そうなるわね」
思わず激昂したアスランにタリアはあっさりと云う。デスクに座ったまま、正面からアスランを見定めて。アスランの言葉の真意を探るように。

「…では、アスラン。貴方は?」
「………え?」
タリアの云う意味が、判らない。眉をしかめるアスランにタリアは鋭い視線と、ひどく冷めた表情で、吐き捨てるように云った。

「貴方はあの艦を、討ちたくない、とでも?」
「………っ、艦長!!」

アスランも判っている。それはつまり、命令に背くこと、だと。
「貴方は以前あの艦に居たのは知ってるわ。それに…確か『友達』がいるのよね?。…貴方を撃墜したのも、その『友達』よね?」

翡翠の眼が、かっ、と見開かれた。

「今、戦場を駆る機体を持たない貴方が、あの艦を討ちたくないと云って、誰が聞くと?。冷静さを欠き私情に流されている貴方が何を云っても耳を傾ける人がいるとでも?」

タリアの声音は恐ろしく冷めていた。しかしその眸は、投げ掛けられた言葉に愕然としているアスランを打ち抜く。
「艦長…っ」
余りの非情さに思わずアーサーが口を挟むが勿論聞き入れられない。尚もタリアはアスランを責めた。
「アスラン、貴方は今自分が置かれた立場を判っているの?。貴方は今あの艦の一員ではないの。この艦の、『ミネルバ』に搭乗している『ザフト』のひとりなのよ!?。それなのに命令は聞けないと!?」
タリアの発言は確かに間違ってはいない。アスランもそれは判ってはいる。タリア自身この命に疑念を抱いてはいても自分の立場を理解した上で非情に徹する事を決めているのだ。

しかしアスランは迷っている。
だからタリアはあえてきつく言い放つ。

「そんなにあの艦が墜とされるのを見たくないというのならば、自分の部屋に居なさい!!」

彼女の言葉の最後は叫びだった。

アスランはその気迫に、何も言い返せない。
悔しいが事実だった。
戦場に出る事が叶わない今、アスランには何のすべもない。しかも今の自分はみじめな程無力で、墜とされて以来彼らの期待を裏切っている事も痛い程判っている。
タリアの言葉はアスランにその事実を再認識させた。
悔しいならば、立場を理解し、非情になれ、と。己が何を求め戻ってきたのか、思い出せ、と。
彼女はそれをアスランにもう一度考えろ、というのだ。

「………っ」

アスランは俯いて、ぎり、と唇を噛み締めた。その力は強く、端から血が滲む。
「話は終わり、よ。………もう、行きなさい」
タリアが退室を命じる。アスランは屈辱を感じながらもその命に逆らえなくて。無言のまま敬礼し、くる、と振り返った。
そのまま足を進めようとした時。タリアがアスランを呼び止めた。

「それと………アスラン。貴方………シン、とは?」

刹那、アスランの胸がひどく痛んだ。

「…シンを、あの子を…ちゃんと、見ててね…?」

タリアの口調は、先程までアスランを責めていたものとは違っていて。『艦長』としてではなく、『いち個人』としての言葉だった。アスランは背を向けたまま、ドアの前に立ちすくんで。



「………………………は、い」




そう、小さく頷くのが精一杯、だった。
Category [ 時系列(No.03)【永遠のパズル】 ]
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