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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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永遠のパズル 4 (#33~34)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/09/28[ Wed ] 23:18

連合軍の新型巨大MS『デストロイ』を何処からか現れた無属籍軍のMS『フリーダム』が破壊した。

多分後の未来の公式データにはそう記されるのだろう。
形として残す事は至極簡単で、それを知る側も簡潔に表面しか知らぬだろう。

しかし今。その光景を見つめ、識ってしまった者はどう思うのか。

シンにとっては、『ステラ』を『アスラン』のかつての仲間であり、彼を墜とした『キラ』が殺した、と。
アスランにとっては、『シン』が守ろうとした『ステラ』を『キラ』が殺してしまった、と。

そう、認識せざるをえない。

例え、『デストロイ』から辛うじて救出された『ステラ』が、ミネルバに監禁されていた所為で寿命を縮める結果となり、もう生体部品として『廃棄』寸前だったとしても。
その為にはかない命が燃え尽きたとしても。

『キラ』が『ステラ』を殺した、としか。



そうして、更なる悪夢は、訪れる。







「………キ、ラ」
レクルームに置かれたモニターに映された外部映像を食い入るように、しかし茫然と見つめていたアスランはたった一言、彼の人の名を呟いた。
空を駆るべき機体を失ったアスランは出撃待機するアラートに足を踏み入れる資格すらなく、それでも戦況が、出撃したシンが、気掛かりで。
今唯一許されたこの場所で戦いの行く先を見ていたのだった。

だが彼を愕然とさせたのは圧倒的な力で凍てつく街ベルリンを破壊するMSでもなく、その地獄のような無残な都市の残骸でもなく、…急に戦意を喪失し『デストロイ』に立ち向かえなくなったシンの事でもなく。突如鬼神のように舞い降り、今また戦況を掻き乱し、そして『デストロイ』を破壊させた『フリーダム』、キラの存在だった。

急激に指先から熱が失われていく錯覚に陥り、息が止まりそうだった。
隣でアスランと同じモニターを見つめ、彼とは違いシンの様子に目を凝らしているルナマリアの存在も、レクルームに集ったクルー達の存在も、少し離れて壁に寄り掛かりながらモニターを見ている『アスラン』を冷たい眸で見つめているレイの存在も、今のアスランには別世界の者だった。

キラ。
何故。
キラ…。


『キラ』。それしか、なかった。


愕然とモニターを見つめたまま立ち尽くしていたアスランを我に戻したのは、破壊され動きを止めた『デストロイ』のコックピットから救出された『ステラ』と、間もなく息を引き取った彼女の亡骸を抱き明々と燃え盛る炎に包まれた瓦礫の街を涙を流しながら歩く、シンの血の色に染まった眼差しだった。

悪夢、だと思った。
眠らないままに悪夢を見せられたと。

やがて亡骸と共に『インパルス』に乗り込みシンは何処かへと消えていく。
その情景を見て騒然となる艦内。しかしアスランは黙したままで。
「アスラン…っ」
隣に居たルナマリアがシンの行動に驚き、アスランに困惑した視線を向けた時、彼の身体は力を失って崩れかけた。
「アスラン!?」
女性であるルナマリアに腕を支えられて辛うじて倒れそうになるのを踏み止まれた。
「…っ、す、まない」
「大丈夫ですか!?」
「ぁ、ああ…大丈夫だ」
しかし顔色は恐い位に白い。完全に血の気を失った色だった。ルナマリアは彼の顔色と、掴んだ腕の感触にたじろぐ。
「…でも。医務室に行った方が…」
「いや、少し…休めば治るから…」
支える彼女の手をやんわりと払い除け、アスランはレクルームから立ち去った。
しかし残されたルナマリアは自分の手に感じた違和感が拭い去れない。上官であるアスランの異変に初めて気付いてただ呆然としていた。



「もう、恐いモノは…ないからね…」
白い花弁のような雪が音もなく降り続く。
「だから…此処で、安心して眠って…」
湖水に一瞬浮かび、やがて沈みゆく亡骸。
まだ少し暖かった肌は雪で凍り今では硬く冷たい。
透明度の高い湖水は沈んでいく彼女をいつまでも見る事ができて。
「………おやすみ、ステラ」
シンの涙が、彼女を冷たく包む湖水に零れ、ひとつになる。
せめて今落ちた涙だけでも彼女を暖めて下さいと。

そう願いながらシンは泣いた。

「君が恐いと思うモノは全部俺が壊してあげるから………」

そう呟いたシンの眸に何か、が宿る。


そう。全部。壊すんだ。

戦争を仕掛ける『敵』も。
戦場を混乱に包むあの『死の大天使』も。
ステラを壊した『フリーダム』も………その機体を操る、『アスラン』の大切なトモダチだという『キラ』も。

全部。全部。全部。
俺が、壊してあげるから。

そして、シンは目覚める。

鬼神として。

かつてアスランが愛した鋭いけれど暖かい柘榴の色は憤怒に支配された、血の色に変わっていた。
Category [ 時系列(No.03)【永遠のパズル】 ]
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