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【Only one promise】01
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2009/12/14[ Mon ] 00:39
それはアスランにとって些細な事で、特に深い意味なんかなかった。






今、アスランが居るのは、地球上の大海原を航海している巨大な戦艦の中だ。見慣れたオーブの景色も、打ち解けた仲間達も、無い。一から信頼関係を築かねばならない初対面の人々と共に、見渡す限り障害物など何もない海上を宛てもなく漂流している現状だ。
此処に来るまでに色々あったな、とか、オーブに居る彼等はどうしているか、とか、今のアスランには思慮する余裕は無かった。
それもその筈、今は再び始まってしまった戦争の最中で、アスランもまた一人の戦士として存在しているのだ、このミネルバの中で。
本部からの命令は現状待機、つまりこの海原を漂っていろ、との事だ。身を隠す物などない場所では、少しの油断も命取りになる。今後の進路において手を打っておくべきだと、アスランはグラディス艦長に呼ばれ、対策を話し合ってきた。

ある意味目的のない作戦会議を終え、自室に戻る帰り道、アスランは偶々食堂の前を通過した。
「……で、メイリンがね」
「やだ、云わないでよ!お姉ちゃん!」
その際聴こえてきたのは、部下達の賑やかな声だった。女性特有の高い声音は、察する事もなくルナマリアとメイリンの姉妹だと直ぐに判った。
「…………」
聞くつもりはなくとも、廊下に居るアスランにも会話が聞こえてくる。
「プレゼントの箱を開けた途端に泣き出したのよ、この子ってば」
「お姉ちゃん!」
「自分で欲しいって頼んでおいて、違う色が良かったとか我が儘言ったの!」
「メイリンらしいなー」
「もう、ヨウランの馬鹿っ!」
食堂に集った彼等は皆まだ年若く、アカデミーでの学生気分が抜けきっていないらしく、時折こうして騒いでいる事がある。初めて戦艦に乗ったからか、それとも戦争の実感がまた無いのか。幾多の経験をしてきたアスランは、常に気を引き締めろ、と注意したくなる時がある。その反面、経験少ない彼等にはまだ息抜きは必要なのだ、と半ば諦めてもいる。
今だって何処に向かえば良いのか判らない状況だ、アスランですら不安になるのだから、この場は見なかった事にしよう、と。そう考え、そのまま食堂を通過しようとしたのだが。
「あ、隊長ー!」
呼び止められてしまった、彼等の中で一番騒いでいたルナマリアに。
「……やあ、ルナマリア」
内心、しまった、と。心の中で密かに舌打ちする。
「今皆で食事していたんです。隊長も一緒にどうですか?」
正直言って、アスランはルナマリアを苦手としていた。悪い子じゃない、でも、少し強引過ぎる。此方の都合などお構い無しに、連れ回されるような、そんな印象を持っていたからである。
だいたい今はそれどころじゃない。早く部屋に戻りたい。
「いや、俺は……」
「えー、いいじゃないですか、たまには!」
「しかし……その……」
ルナマリアからのお茶の誘いをどう断ろうかと、言葉を濁した時。
「…………?」
不意にアスランは彼等の中に一人足りない事に気付いた。
「隊長ってば、いつもそうやって誤魔化して逃げちゃうんですもん、今日こそは付き合ってもらいますから!」
「あ、おい、ルナマリアッ」
ほんの僅かな隙をつかれて、アスランは呆気なくルナマリアに捕まった。
「ルナマリア、腕を放すんだ」
「そんなこと言わずに、ほらこっちにどうぞ!」
強引に腕を組まされ、そのままズルズルとルナマリアに引きずられて、アスランは彼等の輪の中に招待されてしまったのだった。

予測出来る限りの不慮の事態に備えて、シミュレーションをしておきたい、とは結局云えなかった。



「隊長はどうだったんですか?」
無理矢理着席させられるなり、ルナマリアが尋ねてきた。どんなにアスランが逃げたくとも、目の前に彼等のリーダー格のルナマリアが居ては、脱出は不可能である。その上いきなり質問されても、今来たばかりのアスランに話の脈絡が判る筈もない。
「え……?」
何が何やら、さっぱり判らないでいると、ルナマリアの陰からメイリンが説明してくれた。
「あの……今皆でクリスマスの話をしていたんです……」
姉と違ってやや引っ込み思案なのか、メイリンはアスランの前ではいつもおどおどと話している。
「子供の頃ってよく集まってクリスマス会とかやるじゃないですか、そういう思い出って隊長にもありますよね?」
是非とも教えてくれと言わんばかりに、ルナマリアが身を乗り出して聞いてきた。これはもう、答えなければ絶対に此所から帰してもらえないだろう。そんな予感がしつつ、アスランは自分の中の記憶を遡ってみる。
「小さい頃から父は多忙で家に居ない事が多かったし、母も研究所にこもりきりだったから……」
「え……じゃあクリスマスは……」
アスランの言葉を聞いて、急にルナマリアが静まった。何を想像したのか、声音で直ぐに判断できた。
「いや、月に居た頃は友達の家で一緒に過ごしていたよ」
そう言うと、案の定ルナマリアの表情が明るくなる。アスランの話を聞いて、また皆で口々に思い出を語り出した。


確かに間違いじゃない、クリスマスはいつも、友達の、キラ、と過ごしていた。
親友だったキラと、いつも優しかったキラの母親と、遅くになってから合流してくれた、……母さんと。
父さん……は居なかった。クリスマスを一緒に過ごした記憶が、無かった。
子供の頃から不在がちで、月とプラントで離れて暮らして、また元に戻っても家には余り居なくて。

そうして…………あの、血のバレンタインがきて、以来クリスマスの思い出は途絶えた。


家族で過ごした記憶は、無かった。



その事実を今更ながら思い出して、そうしてアスランは不意にある事をルナマリアに聞いた。
さっき感じた違和感。此処に居ない存在。仲間なのに、何故か姿が見えない、いつも一緒に居るとばかり思っていたのに、と。

「ルナマリア、シンはどうした?」

家族、というキーワードが、今この場に居ない少年の事をアスランに連想させたのだった。
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