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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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【フェイス】06
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2009/01/04[ Sun ] 23:37
「シ、ン……?」

突然見せられたシンの涙に、アスランは目を疑った。
「アンタに会いたいって……俺、何度も言いましたよね?」
泣きながらも語るシンの目に、ジワジワと涙が滲んでは溢れて頬を濡らす。
「何で判ってくれないんですかぁ……ッ」
その一言一言が、まるでアスランを責めるようにシンの咽から絞り出される。
「アンタ……酷いよ……ッ!」
「…………」
何も言えなかった。言い訳も謝罪も、今のアスランには何も。
まさか、泣くとは思わなかったのだ。確かに二人逢うのは久しぶりだ。逢えて嬉しいと思うのはあっても、泣く理由がアスランには判らない。目の前で起きた突然の出来事にただただ戸惑うばかりである。
それでも少年の泣き顔は見たくない。シンの言う通り久しぶりの再会ならば尚更だ。涙の理由は判らなくとも、泣く様を見たくはないという気持ちが次第にアスランの中に芽生えてきて。
「シン……泣くな……」
そっと手を伸ばし、溢れる涙を拭いてやろうとして。けれど爪先が触れるか触れないかのところで、フイ、と顔を背けられ、シンに避けられた。
「……シン」
一瞬息を飲む。と同時に胸が痛んだ。首を振る、たったそれだけの動作が、こんなにも胸を締め付けるなんて。
「頼む、泣かないでくれ……」
「誰のせい、だと……思って、るんですか……っ」
しゃくりあげながらシンが自らの腕で涙を拭った。その仕草が酷く哀れに思えて。

気付かぬ内に、アスランはシンを抱き寄せていた。

震える背中を両腕で抱き寄せ、ぽふん、と頭を己の肩に押し付ける。
「……シン」
そうして、耳許で名を呼ぶ。たったそれだけの事なのに、何故だろうか。
とてつもなく緊張して、そして嬉しかった。

抱き締めたその感触に。
腕の中のシンの感触に。

ああ、そうか、と。

アスランはこの時やっと
判ったのだ。

会いたかったんだ、俺も。

仕事に没頭して多忙に駆け回って、今は会う時じゃないと思い込んで。そうやって自分を誤魔化していた。
今は恋愛よりも世界。その為に俺は此処に居る。
確かにその志は間違ってはいない。けれど根本的な事をアスランは判っていなかった。
誰かと付き合うというのは、時として己の支えになる。挫けそうな時には安らぎとなり、頑張ろうという時には活力源になる。例え遠く離れていても、自分は独りじゃないと勇気づけられる。
恋愛とはそういうものだ、決して己の利己欲の為に利用するものではない。
簡単だけれど難しい、他人との関わりあい。でも、だからこそ人は自分以外の誰かを求める。独りで生きていくのは寂しいから。
特にアスランもシンも、己以外の血の繋がりを喪っているから。

なのに、アスランは大好きなシンに淋しい想いをさせてしまった。

泣かせたくなかったのに、笑っていて欲しかったのに。

シンに会って、話をして、触れて、そして。

抱き締めたかった。
抱き締めて欲しかった。

何だ、俺も淋しかったんじゃないか。
シンに逢いたくて堪らなかったんじゃないか。

その証拠に、シンを離せない。


「シン、すまない……」
今まで邪険にしていた事、会える時間も会おうとしなかった事、シンの気持ちを判ってやれなかった事、それら全てに対してアスランが謝罪する。少しだけ抱く腕の力を強くして、ギュウ、とシンにしがみつく。
するとシンが強く抱き締められて苦しいのか、やや顔をしかめて呟いた。
「……痛いよ、馬鹿力」
「ああ、すまない……シン」
「…………」
腕の力を緩める代わりに、シンの黒髪に頬擦りして。
「本当にすまなかった……」
再度謝るアスランの腕の中で、シンはじっとしていた。さっき顔を背けたみたいに、腕を振り払って逃げない。それが有り難かった。
「アスラン……お願いがあります」
「何だ?俺に出来る事か?」
不意にシンがアスランへ声を掛けた。何事かと尋ねれば。
「アンタにしか出来ません」
と、シンは泣いて濡れた頬もそのままに言い切った。
「……ちょっとでもいいから、俺との時間作って下さい……」
それは切実な願いだった。何度も繰り返し頼んできた事だった。シンの願いは、今のアスランになら理解出来た。
「……判った」
だから頷いて、シンの眼をじっと見つめる。
「これからは俺からもお前に連絡する」
「絶対ですよっ」
「会うのは難しいが……」
「それは……我慢します」
それでも全く会えない訳じゃない、時間は掛かってもまたいつか会える。そう告げると、泣き顔だったシンが笑って。

「アスラン……ッ!」

強く、強く、抱き締め返された。

「アンタが好きです……ずっと、好き……!」

その告白に、その笑顔に、胸が震えた。


逢えて嬉しいだけじゃなくて、逢えて切ないという気持ちを、初めてアスランは知った。






「俺もう帰らなきゃ……」
「もうか?」
「何、淋しい?」
「馬鹿っ」
「え、図星?図星?」
「大人をからかうな!」
「アイタッ!」
暫く抱き合ってていると、不意にシンがプラントへの帰還を告げた。滞在と呼ぶには余りにも短い時間にアスランが聞き返せば、会えて余裕が出来たのかシンが子供っぽくからかってきて。そのいたずらっ子みたいな顔つきに、思わずドキリとする。赤面しそうになるのを誤魔化す為に、ついシンの頭を殴ってしまった。
「アンタっ、久しぶりに会ったのに殴りますか!」
シンが怒鳴る。ついさっきまで泣いていたのが、笑ったり怒ったり、コロコロと表情が変わって。

そうだ、お前の色んな顔を俺に見せてくれ。
俺だけしか知らない顔を、もっと。

「じゃあ、また」
「ああ、元気でな」
「戻ったら直ぐ連絡します」
「待ってるよ、シン」

言葉を直に交わし、間近で互いの顔を見つめて。

今はまた離れなきゃならないけれど、いつかまた逢えるから。

そう遠くはない未来で、必ず逢えるから。

「アスラン、大好きです!」


そう叫んだシンの顔は。



アスランの大好きな、シンの笑顔だった。
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