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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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【フェイス】04
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/12/07[ Sun ] 23:20
「アスランっ」
「……え、シ、ン?」

突如現れたシンに、アスランは思わずその場に立ち尽くした。一瞬此れが現実だと忘れる程で、驚きを隠せないまま呆然と少年を見つめていた。
しかし当の本人は、漸くアスランに気付いてもらえたのが嬉しいのか、満面の笑みで手を振り声を掛けてくる。
「シン、お前……」
「良かった、やっと気付いてくれた!」
シンは人混みを掻き分けてアスランに近寄ろうとするも、寸前で警備係達が接近を阻止しようと二人の間に割って入ってきた。カガリ同様、政府要人であるアスランに危害を及ぼすかもしれない、と判断するのは当然だ。遠く離れたプラントの、しかもザフト軍のパイロットであるシンの顔を、オーブ軍でも下級兵士の彼等が知る筈もなくて。
「ちょっ、ちょっと!」
「これより先は駄目です、近付かないで下さい!」
あと少し手を伸ばせばアスランに届くという距離で、呆気なくシンは人混みの中へ押し戻された。だが此処まできて簡単に引き下がる訳もなく、案の定警備係とシンとの押し問答が始まった。
「離せってば!俺、その人の……っ」
「駄目だ!いいから下がれ!」
突然起きた騒動に、周囲の注目が集まる。何事かとざわめく観衆の声を聞き、やっとアスランは冷静さを取り戻して。
「いや、彼は私の知人です。何もありませんから離してもらえませんか?」
と、暴れるシンを取り押さえる警備係に申し出た。不審人物ではないとアスランが事情を説明すると、警備係は納得したのか各々の配置に戻っていった。
「アスランッ、やっと会えた!」
警備係から解放されたシンが、今度こそアスランに駆け寄った。両手を差し出し、アスランに抱きつこうとする。
しかし此処は私室ではない、屋外だ。しかも辺りには多くの人々がいる。公衆の面前で再会の抱擁などもってのほかだ。
その上冷静さを取り戻したとはいえ、まだアスランはシンがオーブに来たのを信じられないでいる。見た目は落ち着いているように見えても、思考はさっきからグルグルと空回り中だ。
「どうして……お前、此処に……?」
そう言いながら、抱きつこうとするシンの肩を押し返すのがやっとだった。
「今日此所で慰霊祭があるとよく判ったな。キラから聞いたのか?」
そして、驚いているのは何もアスランばかりではない。傍で事の次第を見ていたカガリも同じである。だが混乱しきっているアスランより頭はしっかり回っている。カガリは的確に状況を把握し、突然の来訪の理由を混乱しているアスランの代わりに尋ねた。
「此処には俺の家族が居るんです!遺族である俺に連絡がくるのは当然でしょう!」
「ああ、そうか……そうだったな……」
「来賓の手配は実行委員会に任せていたからな。私達が知らないのも無理はない」
「カガリ……」
シンの説明を聞き、納得したカガリがアスランの肩を背後から、ポン、と叩く。
「アスラン」
「何だ?」
「私はもう行くから、お前は戻っていいぞ」
唐突に言い切られ、アスランは思わず振り返った。前のシン、後ろのカガリ、と続けざまに驚かされてばかりだ。
「だが会談が……」
「それは問題ない。会談にはキサカも参加するしな」
「しかし……」
「警護だって大丈夫だ。優秀な部下達が沢山いる」
それでも同行すると食い下がろうとしたアスランの言葉を、カガリがニッコリと笑って遮った。
「命令だ、アスラン」
「……カガリ」
笑顔とは裏腹な威圧的な物言いに、アスランはそれ以上二の句を告げなくなる。
「久し振りに会ったんだろう?ゆっくり過ごしたらいい」
そう言ってカガリは車へと歩き出そうとして。
「最近お前元気なかったからな。ちょうど良かったじゃないか」
と、アスランの耳許で囁いた。途端にアスランの顔がほんのりと赤く染まる。幸か不幸かシンには聞こえていないらしい。不思議そうに二人を見ている。
からかっているのか、ひやかしているのか、どちらにせよアスランを慌てさせるには充分過ぎて。
「カガリ……ッ」
「ん?」
思わず彼女を咎めようとしたが、無邪気に微笑まれてしまっては最早何も言えない。
「いや、何でもない……有り難う、カガリ……」
「気にするな」
感謝を述べるアスランの肩を再び叩くと、カガリは二人をその場に残し車に乗り込んだ。
次第に遠ざかっていく車を見つめながら、アスランは最近の彼女達の反応を思い返す。

道理でしつこく声を掛けてきた訳だ、とこの時漸くアスランはカガリ達の気配りの真意を知った。

だからといって今更どう接すれば良いのか、何をどう説明すればいいのか、アスランには判らない。

元気がないとカガリに心配された、その原因を。

シンの来訪を良かったと言われる、その意味を。


まだ判っていないのだ、アスランは。




「アスラン……?」

不意に声を掛けられる。シンだった。
急に黙ってしまったのを何と捉えたのか、やや不安そうにアスランを見上げていて。

「……ああ、いや。何でもないよ……シン」

兎に角今はコイツの方が最優先だ、と。


アスランは傍らに居る少年の頭をグシャグシャと撫で回した。




止めて下さいよ、と言いながら笑うシンの顔が、アスランの記憶に焼き付いた。
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