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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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【フェイス】03
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/11/30[ Sun ] 22:45
シンからのメッセージを見てから数日後、何故か周囲のアスランに対する対応に変化が現れた。
大丈夫か?と聞かれる事が急に増えた。大丈夫だよと答えるのも自然と増えた。何が大丈夫なのだろうか。自分には全く判らない。けれど何度も尋ねられれば、自分でも気付かない何かがあったのかと不安にもなる。
本当に大丈夫なのに、否、本当に大丈夫なのか。

判らないまま、アスランは答えるしかない。

大丈夫だ、と。



遠く離れたシンからのメッセージ。もう限界だと告げられた、恋人からの伝言。
幾ら普段職務を優先しているアスランでも、気にならない訳がない。当然告げた言葉の真意を知りたいと思う。
けれどアスランはシンにコンタクトを取る事はしなかった。正しくはしたくとも出来なかった。アスランの方から連絡を取る僅かな時間すら、過密なスケジュールに忙殺されていたからである。だからといって私情に振り回された挙げ句、職務に差し支えるような真似はしたくない。信頼を寄せてくれているカガリ達に迷惑はかけたくない。
そうやってシンの言葉を頭の隅に追いやり、アスランは任務に没頭していた。


「アスラン、お前本当に大丈夫か?」

今日は戦災で亡くなった人達を弔う慰霊祭があり、その後には慰霊祭の参列で訪問している地球連合の政府高官との会談を控えている。アスランはカガリに付き添い、慰霊祭の会場となった街外れの海岸へと向かっていた。
その車中で又聞かれたのだ、大丈夫か?と。
これで何度目か数えるのも億劫な程繰り返し聞かれた言葉。今アスランに思い当たる節は一つしかなくて。
「ああ、別に何ともないぞちゃんと定期検査は受けているし、検査結果も異常はない」
だから心配しなくていいと、微笑みを浮かべながらアスランは答えた。
アスランがオーブに戻ってきた時、酷い怪我を負っていた。それこそもう助からないのではないかと悲観する程瀕死の状態だった。医師達の懸命な治療のお陰で今でこそ元気に暮らしてはいるものの、多忙なスケジュールをこなすには些かの不安はある。カガリや医師に勧められて今も時折躯の状態を診てもらっていた。
恐らくその事を心配してくれているのだろうと思ったから答えたのだが、しかしカガリは何故かじっとアスランを見つめていた。
「……それならいいが」
そう言ったきり黙ってしまったカガリは、手元にある今日の慰霊祭の予定表に視線を落とした。
俯いた顔に、何故か翳りが滲んでいた。




慰霊祭の会場はアスランにとって思い出のある場所だった。
正しくは、シンとの思い出、のある場所だ。

少年が家族を喪いザフトに入隊するきっかけとなった襲撃。その被害で亡くなった人達を弔う為に建てられた慰霊塔。

過去の悲劇を忘れる間もなく繰り返された戦争。漸く終戦を迎えて直ぐの頃に、シンと再会した場所が此所だった。

そして、二人の関係に変化がおとずれたのも、此所だった。

アンタを嫌いな訳じゃないです、と。共に居た頃は生意気で天の邪鬼だったシンが、初めてアスランへ好意を伝えた場所。
俺もお前の事をずっと気にしていた、と。アスランもシンに告げた場所。

やっと互いに素直な気持ちで語り合えて。そうして和解から信頼へ、信頼から恋情へ。

互いに抱く想いが変化していくきっかけとなった、二人の思い出の場所。


久し振りに其所へ足を踏み入れて、アスランは暫し感慨に耽る。今頃シンはどうしているのかと。
無論そんな私情は一切顔には出さない。亡くなった人達を弔う式典の最中に不謹慎だからだ。
けれど、どうしても意識は記憶に眠るかつてのシンを思い出す。

月面で救助に向かった時に見せた、悔しさと哀しさで泣きそうだったシンの顔。
この慰霊塔で再会した時に見せた、会いづらいと戸惑い躊躇していたシンの顔。
徐々に打ち解け出し、親しくなっていく内に見せてくれた、シンの色々な表情。
告白する緊張の余り睨んでいた顔、想いを受け入れられ喜んでいた顔、多忙な為に逢えなくて淋しがる顔、もう限界だと告げて泣き出した顔。

思い出すどの表情も、鮮明に浮かんでくるのに。

今、この場には、シンは居ない。アスラン独りしか、此処には居ない。


それが少しだけ、淋しかった。




「アスラン?」
「……あ、ああ」
不意に隣に立つカガリに呼ばれ、アスランの意識は記憶から現実へと引き戻される。今何かが判りかけたような気がしたけれど、それ以上物思いに耽る場合ではないと、アスランは私情を排除して式典に集中した。
やがて式典は最後のプログラムを終え、次に控える会談に向かう為カガリを警護しながらアスランは車へと歩き出す。慰霊祭にはアスラン達政府関係者だけでなく、此処に弔われた被災者の遺族達も多く参列していた。沢山の人達でごった返す中を警備係に囲まれながら歩き、二人が乗り込む車まであと少しという至近距離まで近付いた、その時だった。


「アスラン!」


雑踏の中から聞こえた声。
アスランを呼ぶ大きな声。

「アスランッ!」


どんな雑音に紛れても間違う筈などない、アスランになら絶対に聞き分けられる声。


「ああっ、ちょっとすいません、退いて下さい……アスランッ!」


でも、今此処で聴こえる筈など有り得ない声。

「アスランッ、アスランッ!」
「…………え?」


まさか、と思いつつ振り返る。




「シ、ン」


其所には、シンが、居た。
錯覚でも幻覚でもない、確かに現実のシンが。

人だかりに紛れて、アスランの目の前に居た。
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