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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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【フェイス】02
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/11/23[ Sun ] 23:57
世界中には戦争で壊滅的な被害を被った街が数多ある。それでもその土地で生きる者達は努力し、復興しようと日々頑張っている。今回アスラン達が視察した街もその一つだった。
今もまだ混乱に乗じた犯罪等が若干あるが、住民達自ら自警団を結成して街を守っていた。カガリはそんな現状を直に確かめ、何が必要か意見を聞く。アスランは、復興を目指す者の中に不穏な輩が居ないか目を光らせる。
そうやってオーブ内外を飛び回る多忙なスケジュールは、アスランから私的な時間を奪っていた。

躯を休める時間も、恋を語り合う時間も、今のアスランには無かった。

それでも、当然だと、思っていた。

視察先からオーブ官邸に戻ると、カガリはまた別の職務に向かった。アスラン以上に多忙な彼女の代わりに、視察の報告書を作成するのもアスランの任務の一つだった。
真っ直ぐ自分の執務室に戻り、早速パソコンを起動させる。
「……ん?」
起動と同時に繋がるよう設定された通信回線。モニターに見慣れたアイコンが表示され、アスランの目は自然とそれに注目した。
「……メール?」
気付けば、一件の新着メッセージ。
誰だ、と思う前に、シンだ、と判る。
差出人を確認するまでもなかった。何故ならばこの回線は軍用ではないアスランのプライベート用で、知るのは極僅かの人間しか居ない。尚且つその回線を通して頻繁にメッセージを送る人間は只一人、シンしか居なかったからだ。
「全く……今度は何の愚痴だ……?」
そんな言葉が勝手に洩れる。溜め息をつきつつメールを開くアスランの顔は、笑っていなかった。
一体いつメッセージを送ってきたのだろうか。つい先程なのか、それとも視察に行く直前か。否、どちらでもいい。視察から戻ったばかりで疲れているのに、そんな時ですらシンの愚痴を聞かねばならないのか、と。正直少し鬱陶しくもあった。
付き合う前は生意気な口ばかり叩いていた。付き合ってからは我が儘を言いまくる。本当に手のかかる子供。そういう印象を、アスランはシンに対し抱いていた。
だから今開こうとしている新着メッセージも、又愚痴や我が儘を一方的に喋っているんだろうと。視察に行く前、無理矢理終わらせた愚痴の続きか何かだろうと。
安直に考えたアスランは、それでも律儀に恋人からのメッセージを再生させた。
『…………』
けれどモニターに映されたのは、やけに神妙な顔付きをしたシン。
『…………』
再生と同時に、重々しい沈黙がモニターから伝わってくる。正しく再生されている筈なのに、シンは口を閉ざしなかなか喋らない。じっとモニターの向こうからアスランを睨むように凝視しているだけだ。
生意気な表情、不貞腐れた態度、いつもと変わらぬ可愛いげのないシンの姿。
しかし、何故だろうか。そんなシンの様子に違和感を覚える。
『…………アンタ』
程なくして、やっとシンが喋り出す。
『今は国が大事って言うけど……』
恋愛よりも世界、それは常々アスランがシンに説いた言葉。
『アンタの言ってる事……間違ってない』
今成すべき事は平和な世界の実現。
『それは俺だってよく判ってる……』
進む道は違えど志は同じ二人。
『戦争を世界から無くしたいって思うのは俺だって同じです』
だから今は離れていても、いつか笑っていられる日の為に、と。
『でも……じゃあ聞くけど』
そう思って、そう願って、頑張ってきた筈だ。
『俺達……全部犠牲にしなきゃ駄目なんですか?』
アスランも、そして、シンも。
『アンタとの時間、犠牲にしなきゃならないの?』
不意にモニターに映る、数時間前のシンの顔が、クシャリと歪む。
『俺はアンタの……何なの?』
それまでずっと睨んでいた少年の生意気な顔が。
『俺……アンタの恋人、なんだよね?』
今にも泣き出してしまいそうな、子供の顔になって。
『会いたいとか話したいとか、思っちゃ駄目なの?』
思わず固唾を飲んで、次の言葉を待つ。
『アンタの事、想っちゃ駄目なんですか?』
過去の映像に、過去の言葉に、過去のシンに。
『アンタさ、本当に俺の事……』
現在のアスランが何かを言える筈もなく。
『好き、なの?』
一方通行の独白に何一つ言ってやれない。
『俺はアンタに会いたい……っ』
とうとう泣き出した少年の泪も拭いてやれない。
『会いたい……アスランに会いたい……』
会いたい、会えない。
『会いたいよぉ……ッ!』
けれど、傍に居ない。
『……俺、もう限界…………』
絞り出すような呟きと同時に、メッセージの再生は終わった。
「…………」
モニターの前で絶句するアスランを独り残したままで。


そこまで追い詰めていたのか。

俺は、お前を。

シン、お前を。



そればかり、頭の中を駆け巡っていた。
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