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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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【フェイス】01
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/11/18[ Tue ] 21:49
「アスラン……会いたい……」

悲痛な表情。感情の吐露。

「アンタに会いたい……っ」

シンの、本当の、気持ち。

「会いたいよぉ……っ!」


何も、言えなかった。






多忙を極める、とはまさしく今この現状を言うのだろう。つくづくアスランはそう感じていた。
しかし、モニターに映る相手はアスランの都合などお構い無しに、さっきからずっと一方的に喋りまくっている。
『……でね、酷いんですよアイツ!』
「ああ……」
『人に仕事しろって言っておきながら自分はちゃっかりサボってんですよ!』
「ああ……」
『俺にレポートの提出押し付けておいて、アイツってば』
「ああ……」
シンの言葉に一応相槌はうつものの、アスランの眼はモニター横の時計をチラチラと見ている。
無視をしたら怒る。けれど話をちゃんと聞くつもりもない。何より、そんな時間がない。
何とかこの場を丸く治めようとアスランなりに考えての行動だったが、所詮浅はかな目論見である。
『……ちゃんと話聞いてます?』
と、案の定バレてしまった。
モニターに映るシンを見るふりをして時計を盗み見、生返事ばかり返すアスランの態度に、アスランだけを見て喋っているシンが気付かない訳がないのだ。
バレてしまっては仕方がない。というより寧ろ有り難い。
お陰で言いやすくなった、とアスランが口を開いた。
「シン、すまないが……」
シンの愚痴はどうせいつもの事で、今聞かなくても支障はない。それよりも早く向かわなければ。
「これからカガリに会いに行かなきゃならないんだ」
『アスハの所?』
「ああ、被災地の視察に向かうんだ。もう直ぐ出発だから今お前と話をしている時間がない」
そう言ってアスランが会話という名の愚痴を遮れば、シンは既に膨らませていた頬を更に膨らませ、ジロリとモニター越しに睨んできた。
『久しぶりにアンタと繋がったんですよ!いつコールしてもアンタ居なくって!』
「仕方ないだろう、俺だって任務がある。お前も同じだろう?」
『そうですけど!だから話せる時には話したいじゃないですか!』
シンの言い分も判らなくはない。けれど、時として通じない場合もある。それ位はシンにだってわきまえられるだろうと思っていた。
少しは大人になったと、思っていたのに。考えが甘かっただろうか。
しかし、そんな思慮する余裕すらなくなっていた。それだけ時間は切羽詰まっているのだ。
「シン、これ以上は無理だ……本当に時間がない」
『後五分、……駄目ですか?』
「我が儘言うな……」
後少しと食い下がるシンに、アスランは非情にもタイムリミットを告げる。
その言葉に、シンが黙る。
『…………判りました』
暫しの沈黙の後、シンはそう言って通話を切った。一瞬でブラックアウトするモニター。通話が切れる寸前見せたシンの顔が、アスランの網膜に残像として浮かぶ。
「…………」
通話を強制終了させた瞬間のシンの表情は、酷いものだった。

時間がないと全く相手をしてくれない薄情な恋人を、まるで恨んでいるかのような、そんな顔をしていた。



アスランとシンは、戦後離れ離れで暮らしていた。シンはそのままザフトに残り、アスランは流浪の末にオーブで生きている。
戻ろうと思えば、ザフトに復隊出来た。アスランが脱走したという記録は、戦中のどさくさか若しくは何かの謀略か、幸い公式には残っていなかった。それに現在プラントを束ねているのはかつての婚約者ラクスだ。今は違うとはいえ、彼女ならばアスランを己の膝元へ呼び戻すのは容易い事だったろう。
しかしアスランはオーブに残ると決めた。ラクスも止めなかった。代わりにキラを連れて彼女は争いなき平和な世界を成す為、政治の表舞台に上がったのだ。
唯一アスランの決意を認めようとしなかったのが、シンだった。
アンタ何で戻ってこないんですか!と泣き喚かれてしまった。もしかして俺のせいですか?と落ち込ませてしまった。
そうじゃない、と宥めるのに酷く苦労したのはもう随分前の事なのに、今でも鮮明に思い出せる程シンは当時荒れに荒れた。

否、荒れて当然だろう。

これをきっかけに二人は付き合い始めたのだから。

以前からそれらしい感情は互いに抱いていた。ただ自覚する前に戦争で引き裂かれた格好になっていたのだ。全て終わって、さあこれからという時にアスランはシンよりもオーブを選択したのだ。

『お前の事は好きだ。しかし今は国を、世界を助けたい』

行き場をなくした俺を救ってくれたオーブを、お前が憎しみ慈しんだ故郷であるオーブを、守りたい。

そう語るアスランにシンは頷くしかなかった。

『遠く離れても、想いは変わらないから』

その言葉はシンにも通じていると、思っていた。





フウ、と知らず知らず溜め息が洩れる。シンとの通話を終える度にアスランはいつも溜め息をついている。
シンの愚痴は大抵がキラの事だ。
艦長を亡くしたミネルバに、新しく艦長として配属されたキラ。イザーク率いるジュール隊とキラ率いるヤマト隊は、ラクスを加護する大事な部隊だ。シンはキラの部下として数々の任務をこなし内外に実力を認められてきている。その名声はオーブに居るアスランの元にも届く程だった。
アスランはといえば、オーブ軍に所属しカガリの補佐として日々各地を回っている。首相を護衛する傍ら、各地の軍事力を監視する役目を担っていた。ザフトとオーブ、両軍の機密を知るアスランだからこそ見極められる、とカガリに信頼されての任命だった。オーブだけでなく、地球軍側の施設や被災地等を視察して回る為、留守にしている事が多かった。

シンは宇宙を、アスランは地球を、各々駆け回る毎日。

当然簡単には会える訳もなく、モニター越しに話せる時間も限られていて。

けれど仕方ないと。今はそうするしかないと。



アスランはそう思っていた。

シンも同じだと思っていた。
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