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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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月ひとしずく 14 (#43~45)
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/09/07[ Sun ] 21:17

アスランからもたらされた真実はとても重すぎた。特にカガリを始めとしたナチュラルには到底受け入れられるものではないだろう。事実皆が言葉を失っている。青ざめてカタカタと震え出す者や、隣に立つ者の顔を見る余裕すらなく呆然と何処かを見つめている者すら居た。
そんな中でも、数々の苦難を乗り越えてきた経験からか、カガリがいち早く立ち直る。
「どうして……そんな恐ろしい事を……っ」
やっとの思いで声を絞り出したカガリの呟きに、彼女達ナチュラルの恐怖が如実に現れていた。身の内からの恐怖に抗うカガリに、アスランは哀しげな眼差しを向けて、言った。
「だが恐らくこの計画に反対するのはナチュラルだけだ」
「何故だ!お前達は平気なのか、こんな計画を!」
アスランの言葉を、カガリは直ぐには信じられなかった。それまでの恐怖がたった一言で怒りにすり替えられ、仰々しい表情でアスランを睨み怒鳴って。まだ怪我が癒えぬアスランに飛び掛かろうとするのを慌ててキラが押さえ込むも、カガリの怒りは収まらない。
当然だろう、コーディネーターは議長の計画に賛同する可能性がある、とアスランは断言したのだから。
チラリと視線を移せば、カガリを押さえるキラがアスランの眼を見て頷いた。言いたい事は判る、と。
だからアスランはカガリにはっきりと告げた。何故そう確信したのかを。
「カガリ、判らないか?」
「え?」

「俺達コーディネーターは管理されるのを然程苦痛とは思っていないんだ」
「な……っ!」
又もカガリは言葉をなくした。さっきまでアスランに飛び掛かろうとした勢いすら今の言葉で削がれたらしい。バランスを崩し、押さえるキラの体に寄り掛かる程動揺した彼女に、今度はラクスが口を挟んだ。
「既にもう管理された人間だから、でしょう?アスラン?」
「ええ、ラクス」
やはり彼女も理解してくれたか、とアスランは肯定した。
コーディネーターは生まれた時からもう遺伝子を書き換えられている。それはこれから先の未来を有益に生きる為に、若しくは生まれつきもたらされた才能を限りなく生かす為に。そして各々の適正に合わせ将来を決めるし、共に未来を歩む相手をも遺伝子で決める。無論パートナーを選ぶのは遺伝子操作の弊害で出産率が低下する彼等なりの対応策でもあるが、より最適な相手を選ぶ傾向が予てよりあったのも事実である。
つまり、既に議長の計画の下地は出来ているのだ。
言い換えれば、議長はそこを上手く利用したとも言える。ナチュラルとコーディネーター、二つに区分されるこの宇宙で、人類の半数は既に遺伝子操作に違和感を持たない。残る半数のナチュラルをどう従わせるか、それだけを考えれば良い。

「議長が言葉巧みに計画を述べれば、今のプラントは彼の計画を支持するでしょう」
「ええ、ラクス。直ぐにとはいかなくとも計画は議長の思惑通りに動き始めます」
コーディネーターが計画に賛成するよう洗脳するのは、あの議長ならば容易いだろう。それだけのカリスマ性をあの男は持っているし、既に評議会やザフトは彼の手駒と化している。後はナチュラルを従わせるのみであった。
管理、否、支配される生きざまをコーディネーターは受け入れられる。無論それはナチュラルには理解出来ない。だからこそこれまでの確執があったのだし、戦争が起きた。
争いをなくす、その大義名分の為に、議長は計画を遂行する。己の手駒を操り、武力で捩じ伏せてでも遂行するつもりなのは明白だった。
「だから……ラクス」
「判っていますわ、アスラン」
アスランの呼び掛けに、ラクスはにっこりと微笑んで頷いた。
「計画を阻止する事が出来るのは……恐らく私しか居ないでしょう」
議長とは異なるカリスマ性を持ち、その発言の影響を恐れて抹殺されかけた、ラクス。彼女しか対抗出来ないのだと。
「そしてナチュラルを先導する事が出来るのは……カガリ、君しか居ない」
「私が?」
「君は争いを好まない、中立国オーブの長だろう」
「あ……」
アスラン言われ、カガリがハッとした表情を浮かべる。この先間違いなく戦争は激化する。今カガリ達が恐れをなしたように、ナチュラルが混乱したままでは圧倒的に不利な戦いになるのも目に見えている。それを抑え、導いて議長に対抗出来るのはオーブにしか出来ないのだとアスランは言っているのだ。
ラクスとカガリ、この二人が人類の未来を守る為には必要である。
そして。
「キラ、お前も……」
「うん、判ってるよ」
「ありがとう」
言論だけでは終息しない。武力には武力で対抗しなくてはならない。しかし議長に洗脳されたとはいえ無駄な血は流したくはない。その為にはキラの戦闘能力が欠かせない。これまで争いを嫌い、静かに生きたいと願っていたキラを表舞台に引きずり出す事にアスランは躊躇いすら抱いていたのだが、キラはその気遣いすら理解した上で頷いてくれた。

彼等に託して良かった、と。心底アスランは思った。
恐るべき計画を阻止するには自分一人では明らかに無理だった。彼等の力を借りねば叶わないと考えた。だから危険を犯してまで盗み出したデータを自ら届けに来たのだ。
一度は議長に洗脳されかけ、敵対した裏切り者の自分を赦してもらおうとは今更思わない。しかしどうしても協力してもらわねばならなかった。
「では共に立ち向かいましょう、カガリさん」
「ああ!」
ラクスの呼び掛けにカガリが強く頷く。その表情にもう恐れはない。
「アスラン、君も協力してくれるよね」
「……勿論だ、キラ」
ラクスとカガリ、二つのカリスマ。キラとアスラン、二つの強き力。議長と戦う為に必要な駒は、今此処で改めて決意を表した。それは他の者達にも伝わり、皆各々奮起する。

今度こそ、何者にも脅かせられない、平和な世界を。
そう、誓いあって。


「頑張ろう、アスラン」
「ああ、キラ」


全てを話し、共に戦う決意をしてくれた彼等を。

信じて良かった、と。



一人胸中で感謝しながら、アスランは差し伸べられたキラの手を握り返した。
Category [ 時系列(No.08)【月ひとしずく】 ]
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