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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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【春の宵、君の隣で。】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/04/13[ Sun ] 16:01
全く変な時間に眼が覚めてしまったな、と。時計を見るより先に窓の向こうの空の色がアスランに時刻を教えてくれていた。
ベッド脇にある窓から見上げた、夜明けの空にポカリと浮かぶ白い月。半球に遠ざかった太陽光を浴び闇夜の空で金色に輝いていた月は、今また自転により近付いてきた太陽によって明けた空では白く浮かび上がるしかなくて。こんな時に地球は回っているんだな、と宇宙育ちのアスランは実感するのだけれど、でも今はそれよりも早朝に起きてしまった事の方が正直気掛かりだった。
まだ起きるには早い、しかし今から寝直すのも躊躇われる。それでなくとも最近はやけに目覚めが早くて、まだ大丈夫と寝直したせいでシンに起こされているのだ。アンタ何時まで寝てんの!と何度寝惚け頭で聴かされた事か。
そのシンはアスランの隣ですぅすぅと寝息をたてている。起きている時は大概不貞腐れた面構えばかりで喧しい癖に、寝ている時は穏やかな顔をしていて年相応に可愛らしい。
…………年下のガキを可愛いと思う事自体、間違っている気がしなくもないが。
それでも、この生意気な子供に惚れてしまっているのは、間違いなくアスランなのだから。
「あー……」
取り敢えず今はこの無駄な時間をどう過ごすべきか、そちらの方が重要だ。寝ているシンを起こさないように腕をあげて、アスランは自分の頭をガリガリと掻いた。
どうせ起きなくてはならないのだし、そういえばまとめなければならないデータがあったな、と。提出にはまだ余裕があるけれど、今の内にやってしまおうか。
そう考えてアスランはゆっくりと身を起こした。幸いアスランは寝相の悪いシンを壁際にして寝ていたから、ベッドから抜け出すのは容易い。それでもシンを起こさないようにと慎重に行動したのだけれど。

「……ん、アスラン、さん…?」

しまった、起こしたか。

アスランは慌てて隣のシンを覗き見て。

「…………」
「どうしたの…?」

そう尋ねられるまで、アスランはシンに見惚れていたのに気付かなかった。

「あ、いや…。起こしてすまなかった」
時間にして、ほんの僅かなものだ。決してしげしげと凝視していた訳じゃないし、長い間見つめていた訳でもない。それでも短い時間であっても見惚れてしまった事実は変わらない。今更取り繕ったって無意味だし、第一肝心のシンは寝惚けていて気付いてない。
「もう朝ですか…?」
「いや、まだ早い。もう少し寝てていいぞ」
眠い目をごしごし擦りながら聞いてくるシンは、確か午前中大事な会議があって一分たりとも遅れられないと言っていた。只でさえ最近は政府高官の護衛だの、特殊任務の訓練だので帰宅が遅いから、睡眠時間はとても貴重だ。

だからここの所ずっと御無沙汰で、無理をしてしたがるシンを宥めるなり殴るなりして早く寝かせていたのだけれど。

うっかり見惚れるなんて、俺もヤバいのだろうか。

…………いや、それは今は関係ない。

「アスランさんは…?寝ないの…?」
「俺は……」
やる事があるから、と言おうとしたのに、最後まで言えなかった。シンがアスランのパジャマの裾を掴んで引き留めたから。

「なら…まだ寝てようよ……アスラン」

と吐息混じりに呟いたシンの言葉に、う、とアスランは喉を詰まらせる。

この野郎、無意識か!

普段は呼ばなくなった、呼び捨てする呼び方を夢うつつで囁かれたら、幾ら生真面目なアスランとて後ろ髪を引かれる気持ちになる。それでなくとも最近御無沙汰なせいで、アスラン、と呼ばれていないのだ。恋人らしい時間が不足していて、じわじわと堪らない気分になってしまう。

「ねえ…アスラン…?」

また呼ばれて、これ以上は拒めない。

………拒むつもりはなかったけれど。ただちょっと躊躇っただけだけれど。

「仕方ないな…」
「えへへ…」
一度は抜け出したベッドへと戻れば、早速シンが抱きついてきた。ぎゅう、と両手いっぱいにアスランを抱き締めて、そうして寄せた頭部を肩に押し付けて。髪に頬擦りしながらシンはまた静かになった。
寝るには少し苦しい体勢だけれど、シンが嬉しそうだから良いか、と。アスランはされるがままシンの腕の中で瞼を閉じる。

まだまだ子供だと思っているのに、それでもたまに見せる表情にドキリとする。
出逢った頃より幾つか歳を重ねたせいだろうか。精悍になった顔付き、逞しくなった身体に、シンが大人の男になりつつあるのを感じる。さっきみたいについ見つめてしまう事も、たまにある。半分寝惚けている癖に、やけに違って見えて。
ああ、いいな、コイツのこのカオ。
認めたくはないけれど、鼓動が高鳴る。
それもこれも、惚れているからだと。判ってはいるけれど、認めたくはない。認めたらきっと、いや絶対に調子に乗るだろう。アスランだって男だ。まだまだ歳上ぶりたいのだ。
不意にアスランがシンの腕から若干身をずりあげて、今度は逆にシンの頭を掻き抱く。そうして、ふふ、と小さく笑って。

やっぱりこっちの方がいいな、まだ。

内心呟きながら黒髪にそっと口付けた。



窓の外は夜明けの藍から次第に明るい光に染まり、爽やかな晴天の蒼空に変わりつつある。
何をするでもなく、ただ穏やかな無駄な時間を過ごすのも悪くはない、かもしれない。

まだ短い人生で唯一惚れた男を、アスランは腕に抱き締めながら。



ささやかな幸せを温かく感じて、再び瞼を閉じた。
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