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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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【ハッピィサプライズ】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/02/17[ Sun ] 21:49
「…………」

偶々目についた其れを、アスランは足を止めて凝視していた。時間にしてほんの僅かな間だったが、その瞬間に色々と思考を巡らせる。

あれ、いいかもしれないな。色が良い。形は…何れも似たように思えるけれど。でも飾りにつけられた、あの色が良い。

赤い飾りが、アイツの目みたいだ。


そうして、気づけばアスランは声を掛けていた。
女性客でごった返す売り場で、ニコニコと接客を続ける同じく女性の店員に。

「すいません、これをひとつ下さい」







瞬時にそれが何か理解出来る程、シンに余裕はなかった。というより差し出された瞬間ぶっ飛んだ。

「え、これ、何、ちょっと、え、え、え」
「落ち着けシン。何を言っているか全然判らないぞ」
差し出された物を受け取ったはいいが動揺はこれっぽっちも治まらない。とんでもなく慌てふためくシンとは正反対に、アスランは暢気で尊大な口調である。
目の前でやけに落ち着きはらった態度で、尚且つ頭をポフポフと撫でる年上のアスランに、無性に腹が立つ。
「落ち着けって、落ち着ける訳ないじゃないですかーーッ!」
「だからって叫ぶな怒鳴るな切れるな馬鹿野郎!」
キレたらキレ返された。しかも毎度の如く拳骨のオマケ付きで。
ジンジン痛む頭のてっぺんをさすりながら、シンは改めてアスランに聞いた。
「これ、お土産って、どう見てもバレンタインのチョコじゃないですか!」
「ああ、そうだが」
「何で今更!今日何日だと思ってるんですか!」
また怒鳴って再びアスランに殴られる前に、シンはポツリと小声で呟いた。

「…いいの?バレンタインって…アンタ……」

そう言って恐る恐る見上げたアスランは、笑っていた。

「いいんだ、シン」

と、笑って、そうして。

「お前にあげたかったんだ」


そっとシンを抱き寄せた。




アスランは昨日、今日と二日間プラントに行っていた。正確にはプラントのテリトリー内に在る、空虚な宇宙空間に。スペースデブリしか浮かばぬ闇の中に。

バレンタインデー。
地球に住む者にとっては愛を伝える恋人達の甘い行事。
血のバレンタイン。
プラントに住む者にとっては悲哀と悔恨が今尚色濃い悲しき記念日。

戦後オーブで暮らす二人だったが、その日だけは遠く離ればなれだ。シンは地球で向かえるけれど、アスランはいつも宇宙に上がる。恋人を置いていくアスランにシンは文句も言わないし、言う権利もない。
アスランにとって、バレンタインは母の命日なのだから。無念に散った母の魂を弔う為に、想い出の中の母に逢う為に。アスランは平和を迎えた今、欠かさずに慰霊祭に参列する。
一緒に居て下さいと言えない。一緒に行きますとも言えやしない。母を戦争の犠牲で失い、父を戦犯として失い、自らも罪を重ねてきた呵責に今も苛むアスランの心情を思えば、同じく肉親を失ったシンには何も告げられない。

勿論チョコを下さいとも言える筈もない。

だからいつもシンはホワイトデイにアスランへプレゼントを上げていたのだ。バレンタインの分も合わせて。
こういったイベントごとに無頓着なアスランも最初は忘れがちだったが、シンが騒いだせいか今ではしっかり覚えていて。毎年二人でプレゼントの交換をして、甘い夜を過ごしていたのだけれど。

まさか、貰えると思わなかった。
アスランから、バレンタインチョコを。


一日遅れではあるけれど。


「式典が終わって、イザーク達に付き合ってもらって買い物に出掛けたんだ。お前に土産でも、と思ってな」
「はあ…」
「立ち寄った店はちょうどバレンタインで賑わっていてな。店内を見て回っていた時にそれを見つけたんだ」
「はあ…」
「って、お前何だか嬉しくなさそうだな」
チョコを購入した時の状況を伝えるアスランに、シンは何とも曖昧な返事を返すばかりで。つまらなさそうに映る態度をアスランが追及すると、シンはまた声を大にして言った。

「嬉し過ぎてビックリしてるんです!」

シンの絶叫はアスランの耳に痛い程伝わった。それもその筈、二人抱き合ったまま、ぴったりと密着した状態で話しているのだ。聞こえ過ぎな位である。
「俺…何も用意してませんよ…」
「いいさ。ホワイトデーを楽しみにしているよ」
こんな事ならチョコを買っておけば良かったと悄気るシンに、アスランは軽くキスをして囁いた。
「それよりチョコ食べないのか?」
そう言いながらシンの唇から首筋へとキスを繰り返すアスランは、まるで誘っているようで。これで意識してないんだから末恐ろしい。
「勿体ないから今は食べません!それより先にアンタを食べたいです!」
まだまだ若いシンにはアスランの無自覚な誘惑に勝てる訳がない。だから勢いよくアスランをその場に押し倒した。
「ちょ、ちょっと待て!」
「待てません!」
「今か、今なのか!」
「そうです!今、此処で!」
又も逆キレるシンに、アスランの鉄拳が飛ぶかと思いきや。
「仕方ないな」
と、拳を飛ばす代わりに強く抱き締められた。





一日遅れのバレンタインと、一日遅れの恋人同士の甘い夜。
事に及んで、全て終わって。疲れて眠ったシンの幼い寝顔をしみじみ眺めながら、アスランがポソリと呟いた。

「俺は勿体なくないのか、お前」




シンの横には、さっきアスランがあげたチョコレートが置かれていた。
勿体ないからと開けるのすら後回しにされて、先にアスランの甘い躯を食べられて。

それでもアスランがシンの為に選んで買ってきたチョコレートだ。食べられるのを今か今かと待ちわびているだろうから。

早く起きろ、シン。起きたらそれを食べてくれ。俺の見ている前で、食べてくれ。


悪態をついたばかりの唇で、アスランはすやすやと眠るシンの瞼にキスをした。
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