1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
スポンサーサイト
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   --/--/--[ -- ] --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Category [ スポンサー広告 ]
月ひとしずく 13 (#43~45)
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2007/10/14[ Sun ] 20:42

アスランの口から語られた真実は、淡々としたその口調に反してラクスやカガリを始めとした仲間達には衝撃でしかなかった。
一握の希望すら砕く程の、デュランダルが描いた残酷な未来予想図。仁く未来の地獄絵図だ。
「そんな…そんな馬鹿な事、実現出来る筈がない!」
「カガリさん…残念ですが、恐らく可能なのでしょう。遺伝子学に秀でたデュランダル議長なら成し遂げられる。その自信があればこそ生まれたプランなのですわ…」
驚愕の表情を浮かべながらも激しく憤るカガリにラクスがやんわりと諭す。彼女より先にDプランの表側を知っていたからでは、決してない。告げられた事実を真実として受け止め、今後どう対処すべきか冷静に思案しようとしていたからだ。それでも直ぐには妙案など浮かばない。焦る気を抑えるので精一杯だった。

Dプラン、それは悪夢で形作られた未来の地獄絵図だ。
生まれたばかりの赤ん坊の頃から、調べた遺伝子情報を総合コンピューターに登録する。そしてそのコンピューターが各々の適性を判断して要所要所に振り分けるという、表向きは人材派遣面等で効率性を高めるひとつの方法かもしれない。特に出産率低下に悩まされているプラントでは多くの支持を得る計画であろう。
だが、真実はそうではない。
幼児の内に遺伝子情報を把握しその生命が進むべき未来を定めるだけではなく、必要とあらば周到に影から操り管理する者の都合の良いように人生を歩ませる。
つまり人間が人間を飼う、惑星規模の巨大な牧場なのだ。
表面上は幾らでも取り繕える。だが正しき方法で利用するなど誰が信じられるか。人間達にそんな理性があるならば、始めからこの争いは起きていない。
私用目的以外、到底考えられぬこの計画で軍事利用を危険視するのは当然だった。
それを、あのデュランダルという男は実現しようとしている。己の信念か、野望か、どちらでもない別の理由か。
ただ云えるのは、恐ろしい存在だという事。

「…それで、どうしてアスランはこの事に気付いたの?」
重くのしかかる絶望の沈黙を破ったのは、キラだった。皆の注目が集まる中、キラはアスランだけをじっと見つめている。普段は柔らかな紫が、今は研ぎ澄まされた色を滲ませていて、見られる側としては痛い。
「それは…」
一瞬アスランが云い淀む。
「最初は俺も表側の計画しか情報を見付けられなかった。けれど……おかしい、と感じたんだ」
「おかしい?」
「ああ、キラ。この計画を考え出したデュランダル議長が、今プラントの最高地位に居て何故直ぐに実行にうつさなかったのか、と」
アスランの指摘はこの場合正しかった。自分一人では実行出来なくとも、評議会に意見を陳情する事は出来た筈だ。しかしそれをしなかった。という事は既に計画は実行にうつされており、今は実験段階ではないのだろうか、と。そして思った通りの成果を得て、漸く日の目を見ようとしている。
そこまで推測してアスランはふと前にデュランダル議長に云われた言葉を思い出したのだ。

『私には君が必要なのだよ』と。

確か、彼はそうは云わなかっただろうか。
先の大戦でザフトに背を向けラクス達と共に反旗を翻した。後に名を変え存在を隠してオーブに亡命した。そんなアスランを議長は考えられない好条件でザフトに再び招いた。君の力が必要なのだと云って。
「それは…今思えば計画のひとつだったのかもしれない」
アスランが自嘲気味に呟いた。
あの時自分は落下するユニウスセブンを防ぎ切れず、争いが始まろうとしているのも止められず、何も出来ない非力を悔やんでいた。力が欲しかった。
それを言葉巧みに丸め込み、甘い毒の囁きで議長はアスランを誘惑したのだ。あの時は気付かなかったけれど、今ならそう思える。
アスランは力を求め、デュランダルは駒を求めた。自分の都合通りに動かせる、エースパイロットとしてのアスランの力を、自軍の駒として置きたかったのだ。
「じゃあ、あのラクスは?」
キラが真剣な口調で問うと、アスランは今度は迷う事なくそれに答える。
「俺の場合戦闘力を求められたのだから替え玉は効かない。しかしラクスは非戦闘員だ。予め用意された台詞を語るだけの存在だけで充分だったんだろう」
「私のラクス・クラインとしての存在だけを求めていた、という事ですね」
「はい」
己の影響力をよく知っているラクスに今更誤魔化し等通用しない。そう思ったアスランはラクスの追求に素直に肯定する。
「だからミーアという駒を用意して自分の為のラクスを作り上げたのです。ラクスに憧れていた彼女ならば喜んで成り済ますだろうと」
「それで本物のラクスに表側に出てこられちゃ困るから消そうとした………そういう事だね、アスラン?」
「そうだ」
アスランが認めると、キラはラクスの顔を見て静かに頷いた。ラクスもまた、キラの云いたい事を理解したのだろう。何も云わずに頷き返している。
ラクス襲撃に居合わせたキラはやっとその理由が判った、といった顔をしていた。デュランダルに反するラクスが邪魔だからというのはよく判る。けれどそれだけならば替え玉まで用意する必要はないのではないかと思っていたらしい。けれどこの恐るべき計画を実行する為には、偽ラクスの擁立と本物のラクスの処分はどうしても必要だったのだ。

やっと、ここまできてやっと、デュランダルの陰謀の欠片を掴めた。

けれどそれは余りにも強大過ぎて砕く可能性はまだアスラン達には見い出せないでいたけれど。
Category [ 時系列(No.08)【月ひとしずく】 ]
Web 拍手
少しでもお気に召して戴けたならぽちっと 押してあげて下さいw

Web拍手

気紛れでお礼SSを更新中。 お返事は日記の方で不定期にしてたりしてなかったり。 日記へはリンクコーナーからどうぞw。
カレンダー
最新記事以外のログはカレンダー日付からどうぞ。
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
サイトについて
当サイトはガンダムSEED DESTINYの二次創作小説サイトで、シンアスオンリーで活動中です。 女性向の同人的要素満載な上、性描写を思わせるSSも多数UPしております。 (もろそういうのは全てR18裏に隠しております) そういったものが苦手な方、及びシンアスに興味のない方は、閲覧つらいかと思われますので回れ右して下さいませ。 そして学校、会社等の公共施設での閲覧もご遠慮下さい。

現在仮オープン中ですが、いずれ正式に開設予定。 しかしこれからオフ生活が繁忙期に突入な為、 年内の開設はけっこうきつい今日この頃。
ブログ検索
メール
管理人へのご連絡はこちらから。シンアス同志少ないのでいただけると泣いて喜びます。 ご意見ご感想、好きなシンアスシチュ等何でもOKですのでお気軽にどうぞ。

メールフォーム

お返事は余程の事がない限り必ずしております。 シンアスシチュが管理人のツボにはまったら書く可能性大w。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。