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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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【ほんとうのこと】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2007/10/11[ Thu ] 23:20
「ほらシン、コレだコレ!」


そう云ってある物を指さし、はしゃいでいるアスランさんは可愛い。
可愛い、可愛い………んだけど。

「アスランさん」
「前に俺が云っていたヤツだ」
「アスランさん」
「凄く旨かったんだぞコレ」
「アスランさん」
「シン、お前も一緒に食べよう!」
「アスランさんっ!」


頼む、誰かこの暴走ボケを止めてくれ!


俺が何回呼んでも全く聞いちゃいない。凄え満面の笑みできゃあきゃあ騒いで、俺の服の裾引っ張って息つく間もなく喋り続けてる。
堪らなくなった俺が声を荒げたら漸くちょっとは冷静になったみたいだ。けど俺の反応が不服らしく、口をへの字口にしてじっとりと俺を見てる。
ああ、はいはい。心配しなくてもちゃんと食べますよ、食べに行けばいいんでしょ。
別に俺は嫌いじゃないからそれ自体は問題じゃないんだ。

問題なのは………………此所がショッピングセンターのど真ん中、休日の昼下がりの込み合うファーストフードの店先だっていう事で。

タッパのある男がそれより………………ちょっと小柄な男をひっ捕まえてきゃあきゃあ騒いでるってのが、もう。


「ほらっ、さっさと入りますよ!」
「あ、うん。シン」
あんまりアスランさんが騒ぐもんだから、周りの人達の視線が痛い。流石に恥ずかしくなって俺はアスランさんの腕を掴むと引きずるように店内に入った。でも当の本人は何で周りに見られているのか、いやそれ以前に見られている事すらよく判ってないらしくて、キョトンとしながら俺に引きずられてる。

ああ、もうホントこの人に羞恥心ってものはないのかな。あの時以外で。


「いらっしゃいませ、店内でお召し上がりですか?」
「はい。えーっと、コレを二つ単品で」
「ありがとうございます」
昼時の混雑した店内は座る場所が余りない。アスランさんに場所を確保しておけと先に行かせて、俺はレジでご希望の品を注文する。
そんなにコレが食いたいかな。甘い照り焼きソースがかかったビーフパテと丸く焼いた目玉焼きが挟まったハンバーガー。別に嫌いじゃないけど、あんな風にはしゃぐ程じゃないと思うんだけど。
…ああ、でもあの人こういう店余り来た事なさそう。
そう考えながら注文したハンバーガーが載ったトレイを持ってアスランさんが見つけた席まで向かった。
「はいコレ」
「ありがとう、シン」
紙包みにくるまったハンバーガーを手渡せば、笑顔で感謝された。受けとるやいなや直ぐにアスランさんは紙包みを剥いてかぶりついて。
恥ずかしかったりしたけど、喜んでるからいいかな、とも思う。嬉しそうなアスランさんを目の保養にしながら俺も食べようかとガサガサと紙を剥がし始めたら。
「………?」
「どうしました、アスランさん?」
一口だけかぶりついた途端、急に固まってしまったアスランさんの様子にちょっと驚いた。あれだけ店先で食べたいと騒いでいたのに、何だろうこの反応は。
そんな俺の疑問は口の中のハンバーガーを祖酌し終えたアスランさん本人が直ぐに教えてくれた。
「………シン、これは本当に俺が言っていたやつか?」
「ええ、そうですよ。アンタがさっき指さしてたヤツ買ってきたんですけど?」
「何だか前に食べたのと違う気がするんだが…」
正直そんな事言われても困る。俺は言われた通りに間違いなく買ってきたんだし、アンタこそ間違えてんじゃないの?と口にしようとしたら。


「これ、エビが入っていない…」


と耳を疑う発言が飛び出した。

「はぁ?エビぃ?」
「ああ。エビだ」
「何でエビ!」

アンタ絶対勘違いしてる!と当然俺は思ったのだが、アスランさんは更にとんでもない事を言い始める。
「前に食べたのは中にエビが入っていて、そのエビが凄くプリプリしててうまかったんだ。だからシン、お前と一緒に来てまた食べたいと思ったんだ」
はあ…。いや、俺と一緒にってのは嬉しいんですけどね。でも先ず肝心な所が激しく間違ってる。
「アンタさ、自分が何を食べてるか判ってます?」
「当然だろう!照り焼き目玉ハンバーガーだ」
俺の問いにアスランさんはさも当たり前だと憤慨しながら答えたけれど、俺の中には既にもう違う答えがある訳で。

「じゃあ聞きますけどね、前に食べた時照り焼きソースの味しました?目玉焼き入ってました?」

「………………………」


沈黙したよ、この人!


どうやら俺に指摘されて初めて気付いたらしく、ハンバーガー片手に固まってしまった。

「じゃあ…俺が前に食べたのは…?」
「アンタが食べたのはエビバーガーです」

酷くショックな顔をしているから悪いかなとも思ったけれど、正しい答えは教えておかねば、と俺は座席から見える店内の壁にあるメニュー一覧を指さした。
「そんな…だって俺確かに照り焼き目玉ハンバーガーを指さして注文したんだぞ…」
看板メニューを振り返り見ながらアスランさんがまるでうわごとのようにブツブツと呟いている。
「恐らく店員が間違って出しちゃったんでしょうね。でも普通気付くし、味も食感も全然違うんだから」
俺がさっき浮かんだ答え、つか真実?を喋ってもどうやら耳には入っていないらしい。まだぐちぐち言ってて、ちょっとウザイ。
「いいからさっさと食べましょうよ。まだ買い物終わってないんだから!」
そうなのだ、今日此所に来たのは日用品やら何やらを買いに来たんであって。なのによく判らない工具やら螺子やら買うのに付き合わされて、まだ全然目的の日用品は買えてないんだから。
此処でゆっくりしてる時間がもったいないと急かす俺の目の前では、まだアスランさんが愚痴を垂れ流しながら間違って買った(アスランさん的には)ハンバーガーを渋々食べていた。





エビごときですっかりしょげてるアスランさんがやっぱり可愛いから、今夜はエビを山盛り食べさせてやろう、とちょっとだけ思った。
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