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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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【少年よ、大志を抱け】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2007/04/27[ Fri ] 23:33
「アンタが好きです」


そんな、短い言葉に、何の意味が含まれているかなど。アスランが直ぐに気付く訳などなく。

「ああ、ありがとう」

と、手にしていた精密ドライバーで目の前の冷たい機械をいじり続けながら呑気に云った。


無論趣味のマイクロユニット製作に没頭し過ぎて、シンの話など半ば聞いちゃいない。それ以前にまともにシンを見てもいない。自室に招いたはいいけれど、背後に立つシンの気配を感じながらも視界に映した機械に意識は向いている。
「だから、俺はアンタが好きなんです!」
また、シンが云った。さっきのような少年特有の甘さを含む柔らかい声音ではなくて、元来持った荒い気性の鋭さを多分に含んだ声音で。

俺は、アンタが、好き。
そう、確かに云ったのだけれど。

アスランは再び繰り返された言葉にやっとシンを振り返り、その翠の眸に冷たい機械ではなく暖かい生身の少年を映して。
「俺も君が好きだぞ?」
と答えを返す。視界に映る少年の顔は普段の刺々しさや生意気な色合いは皆無で、何処か怯えたような不安げな表情をしていたのだが、果たしてそれにアスランが気付いたのかどうか。躊躇う事なく告げられた返答にシンが一瞬だけ赤い眼を期待に瞬かせた。
固く結ばれていた唇を僅かに緩ませかけて、しかし直ぐに。

ひきつった。

「君は何かと反抗的で手がかかる奴だがな、でも俺にとっては大事な部下だ」

何て残酷なんだ、この人。
シンが絶句したにも関わらず、それが何故か全く気付いていない、らしい。
「プラントではもう成人として見なされる年齢でも、君はまだ成長過程にあるから色々学ばなくてはいけない。そうすれば今よりもっと実力を発揮出来るだろう。その手伝いが出来るなら俺は可能な限り君を助けたいと思っているし、君に信頼してもらえるのは正直嬉しいよ」
そんな言葉を聞きたい訳じゃない。もっとちゃんとした答えを知りたい。そもそもこんな時まで説教じみた発言しなくてもいいじゃないか、この堅物。
つか人の話を聞けよ、そんなガラクタいじってないで。
見当違いの言葉を吐くアスランに、シンは過度の緊張ですっぽりと抜けていたある事実に漸く気付き、思わず天井を仰ぎ見ながら眼を瞑った。


ああ、そういえばこの人、えらく鈍いんでした。

強くて逞しくて機敏に冷静に判断を下せて、けれど時々惚けてて間抜けで精神的に脆い所もあって。

鈍くて鈍くて、どうにもなんない手遅れな人でした。

まさかここまでとは流石に思わなかったけれど。

でも、だから。シンですら見抜いたこの人の本質。偶然出会って偶然同じ艦に乗る事になって。まだ日は浅いけれど、それでもシンは気付いたのだ。

アスランの果てのない鈍さに。

「だから俺はアンタが好きなんですよ!」
「だから俺もそうだと云っているだろう?」
「俺の好きはアンタの好きと違うって云ってるんです!」
「どう違うんだ?」

ああ、もう。はっきり云わなきゃ判んないのかよ、バカ野郎。

同じ問答を幾ら繰り返しても全く進展する素振りが感じられない。それでもシンはめげずに何度も何度もアスランに告白し続ける。
この鈍感相手に我ながらよく頑張っているな、とくじけそうになる気持ちを奮い立たせて。
只でさえ気持を伝えるのにはかなりの勇気がいる。大好きな人への告白、しかもよりにもよって同じ男。まだ幼くて人生経験も恋愛経験も乏しいシンにとってはこれまでにない最大の難関であるけれど。

だって気付いてしまった以上、仕方ないじゃないか。こんなに鈍い人を好きなんだって、気付いてしまったら後はもう。


この愚かで鈍い英雄をなんとしてでも手に入れてやる。


少年はそう心に決めて。
ありったけの想いを込めて叫んだ。


「アンタが大好きだって云ってんだろー、んのバカヤローッ!」

愛の告白には程遠い怒鳴り声と、言葉で云って判らないなら態度で示せと直球な行動で。
突進する勢いで抱きつき、そうして。



玉砕覚悟の、キス。





呆気にとられ眼を真ん丸にしたまま惚け顔で固まったアスランは、けれどやっと本当の意味を身をもって知る羽目になった。

色んな意味で成長途中な少年と、成りばかりでかくても性的に未熟な青年の、紆余曲折波瀾万丈な恋物語はこうして幕を開けたのである。
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