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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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愛って難しい・その二
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/11/29[ Wed ] 02:46
寝室を追い出されてからどれ位たったのだろうか。もう何時間も経過したようで実際は数十分程度なのだろうが、暗くて寒い玄関では時間経過すら麻痺して分からなくなる。
そんな中でシンはアスランに投げつけられた毛布に肩からすっぽりとくるまれて、抱えた膝の上に額を乗せて丸くなっていた。
勿論云われた通りに玄関フードの段差に座って情けない自分の状況を実感させられている。

どうしよう、ヤバイ、ヤバイ。あんなに怒ったのを見たのは久しぶりだ。
前からあの人が本気で怒ったのを何度か見てはきたけれど。
ふ、と記憶が逆戻りして、過去アスランが本気で激怒した時の様子を思い出す。
最初は命令を無視して勝手な行動に出た自分を見事に平手打ちしてくれた。
次は幼馴染みだとかを撃墜したら思いっきりグゥで殴られた。
それからアスランが脱走して、再会した時にMSで殴られたり蹴られたり。
………どんどんエスカレートしてるような気もするけど、でも、あの時は仕方ないと思う。
昔は上司と部下で、今は対等な恋人同士なのに。

と、其処まで考えて思考が過去の傷に触れて後ろ向きな方向に陥りかけたのを、シンは自分を包む毛布を強くたぐり寄せて思考を必死に現在に繋ぎ止めた。

そうじゃない、過去を振り返ってる場合じゃない。今現在を、どうにかしなきゃ、と。

大体いつもなら喧嘩して追い出されても居間でふて寝する程度なのに。今日はことごとく彼の怒りを買ってしまったから毛布を投げつけられるわ、玄関まで追いやられるわ。
踏んだり蹴ったりだけど、それだけアスランの本気が伝わってくる。
「うぁぁ…」
思わず溜め息と一緒に声が洩れた。謝れば済む事なのに筋金入りのひねくれた性格じゃ、謝って寝室に戻るのも何だか釈然としない。でもこのままでいるのはもっと情けない。
「………どうしよう」
シン以外誰も居ないのに顔が上げられないでいると、不意に背後に気配を感じて。
当然それはアスランで。振り返らなくても判るのに、今は振り返る勇気がない。
「………」
「………」
毛布にくるまったまま更に小さく丸まっていると、アスランの気配はゆっくりと近付いてシンの直ぐ側で立ち止まった。
お互い沈黙のまま気まずい空気が漂うのが、余計何を話せばいいか判らなくさせていく。
「おい」
「………」
「シン」
「………」
やがてアスランが声をかけるも振り向きもしないシンに、彼が小さく溜め息を溢した。
「まさか本当に玄関に居るとはな…」
自分で追いやった癖に本当に行くとは思わなかったらしい。変な所で素直で、尚且つ変に意地を張るシンらしいな、と半ば飽きれつつも可愛げがあるように思えた。
このまま放っておけばきっとこの子供は朝まで毛布と仲良く玄関で過ごすだろうから。アスランは近寄った背後からシンの肩をポンと叩いて。
「おい、シン。何時まで其処に居る気だ?」
「…アンタが此処で寝ろって云ったんじゃないですか…」
「意地を張るな、風邪引くぞ?」
「いいんです。毛布あるし」
声をかけたら案の定ダダをこねられた。今度は少し強く肩を引けば、嫌がって毛布を頭から被り直す始末だ。
「シン…」
「………」

あぁ、もう。このクソガキは。

いらつかせる癖に、可愛くて愛しいと。
そう思う辺り年下の少年に溺れている自分に気付かされる。
「お前が其処に居るというなら俺もずっと此処に居るぞ?」
「居ればいいでしょ」
「こんな格好でか?」
強がったシンに告げられた言葉に、思わず毛布からひょっこり顔を出してちょっとだけ振り返ってアスランを見た。

其処にあったのはまっ裸で全てを晒したまま仁王立ちしているアスランの姿。

「な!、あ、あんた!。何て格好してんですか!」
人に風邪を引くぞとか注意しておいて自分はすっ裸じゃないか。そんな格好で玄関に居たならアスランだって体が冷えてしまう。
慌ててシンは毛布から脱出して彼の前に立ち、己の肌で暖められた毛布をアスランに被せた。
「アンタこそ風邪引くから!」
「お前だって裸だろう」
「そりゃそうですけど!。つかなんでそんな格好で玄関まで来たんですか?」
「シャワーを浴びてきたんだ」
言われてみれば確かに髪が濡れているし、肌も湿っている。ならば尚の事玄関に居れば体が冷えるに決まっている。なのにアスランはこの場から立ち去る気はないようで。
「あぁもう、早くパジャマ着て下さい」
「ならお前、戻るか?」
「う………」
「お前が戻らないなら俺も此処に居るからな」
「アンタずるい!」
年上の癖に子供じみた我儘を云うアスランに飽きれながらも、自分も意地を張って彼を困らせている事に漸く気付いて。
もう頷くしか、選択肢は用意されてなかった。
「…判りました!」
「シン」
「戻ればいいんでしょ、戻れば!」
やけくそ気味にそう叫んで。そしてシンは毛布にくるんだアスランの体に抱きついた。
背中に手を回して胸に顔を埋めて。
「………ごめんなさい」
と、小さな声で喋ったシンの頭を、アスランがそっと撫でて笑った。
「うん、俺もすまなかったな。少し言い過ぎた」
そうして体を包む毛布を開き、抱きつくシンを中に招いて。

二人ひとつの毛布を分けあって。

肌触りのいい布の感触と、直に伝わる肌の温もりと。それだけが、何故かとても心地好い。

やっと玄関から移動した後、冷えた体を暖めようと、リビングにあるリクライニング式のソファーで共にホットミルクを飲む。

「旨いな」
「ただ牛乳温めただけですけど」
「でも、旨いぞ」
「…そうですか」

今もまだ二人は同じ毛布の中で、ぴったりくっついている。シンはソファーの上で膝を抱えているし、アスランはそんなシンの横に座って肩に頭を乗せているし。
恐らく睡魔が襲っているのだろう、アスランの言葉は段々意味を成さないものになってきて。
「シン?」
「なんですか。眠いんでしょ?」
「ん」
「じゃあベッドに戻りましょう」
「いや…このまま…」
「このままって、アンタ」
「………ン」
余程眠いのか、アスランは毛布とシンの温もりを感じながらそのまま瞼を閉じてしまった。スゥスゥと寝息をたてる彼の顔を横から覗き見て、シンはぽそりと呟いた。

「寝やがったよ、この人」
言葉とは裏腹に口許は幸せそうに緩んでいたけれど。

ソファーの背持たれを倒して簡易ベッドにすると、シンはアスランを起こさないようにそっと横たえさせ、自分も彼の隣に寝転んだ。寒くならないように空調を調整して、このまま朝を向かえる準備をする。
どうせこの人、一度寝たら確実に起きないし動かないから。

こんなくだらない喧嘩だとか他愛もない会話だとか、ちょっとした事に腹を立てたり、かと思えば凄く満たされたり。

愛って、不思議だ。

たった一人の、お互いに振り回されながら幸せになれる。

やがて暗く照明が絞られたリビングに、シンの声が小さく響いて、消えた。

「愛って難しい」
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