1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
スポンサーサイト
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   --/--/--[ -- ] --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Category [ スポンサー広告 ]
永遠のパズル 1 (#31 ~32)
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/23[ Fri ] 01:10
やがて、不安は現実となっていく。



シンが独断でステラを連合側に返し、営倉入りになって数日。重罪を課せられると思われたシンは本国より何も咎められる事無く、共謀者のレイと共に解放された。
その驚くべき決定に周囲が騒めく中、シンは明らかに以前の彼とは違っていた。威圧感を放っており、まるで力を鼓舞し増長するような彼の姿は、自ら暴走し決して幸せではない何処かへとがむしゃらに走り続けているようにも思えた。
彼が変わってしまった事にクルー達は怯え不審に思いながらも憶測でその裏を勘ぐる。

だが誰もがその真実を言い当てる者は居なかった。


真実を知らず識る者、アスランは沈黙したまま。





あの牢獄での凌辱以来、アスランは何処か疲弊し切ったような、まるで脱け殻の如く空虚な人間になっていた。シンの変化と対を成すかのような彼の変化はやがてミネルバ内の誰もが気付いた。だがそれは『セイバー』を墜とされ、部下であるシンの問題行動の所為だろうと思われていたようだった。寧ろ同情的な眼差しで見つめられる。
アスランはそんな視線が向けられる中で、平静を保っていた。そうしなければ追い詰められた精神を辛うじて繋ぎとめるのが出来なかったのだ。何食わぬ顔で任務をこなし、時折苦痛に満ちた表情を浮かべるが、それでも決して周りには悟らせない。

だが、翡翠の眸は虚ろだった。あの日以来、自室で独り言のように記憶の中のシンにさよならを告げて以来、綺麗な翡翠は濁っていた。


それに気付く者もまた、シンだけだった。







「…不問、でありますか…?」
アスランはシンが解放された事を艦長室で教えられ表情を強ばらせた。
「…早い話、そういう事になるわね」
「今までの功績がどうとか色々理由がついていたが、結局は彼らは『特別』だという事ですよね」
神妙な顔つきで話すタリアの横で、副艦長であるアーサーも同じく強ばった表情で呟いていた。
ヱクステンデッドの少女ステラはどんな形であれ地球軍の兵士であり、しかも『ガイア』のパイロットだ。立場上は『捕虜』の彼女を上からの命令なく解放し、しかもあちら側の上官に直に引き渡しをしたのだ。普通ならば『銃殺』、恩情があったとしても『幽閉』などの重罪は免れない。
それが事実上の『無罪放免』だ。

「………本当に、議長は何を考えているのかしら」
タリアが少々憎らしげに呟く。議長と艦長の間に一体どんな繋がりがあるのか、アスランには判らない。だから今、彼女がどんな気持ちで呟いたのか知る由もない。それよりも、彼にとってもっと大事な事がある。

「アスラン?。どうしたの。顔色が優れないようだけど…」
「あ、いえ。………何でも、ありません」
タリアに訝しげに尋ねられ、アスランは迷走していた思考を慌てて呼び戻した。しかしタリアの鋭い目はアスランの態度に隠されたものを探ろうとしている。必死に隠している全てを見透かされそうで、アスランは半ば話を無理矢理に終わらせてその場を立ち去った。
しかし、艦長室を出る際にアスランの背中に浴びせられたタリアの言葉。

「………シンを、頼むわね。アスラン」


それが、いつまでもアスランの心に突き刺さっていた。



逢いたくない、しかし逢いたい。

完全に捻れた関係。もう以前のようには居られない。笑い合う事も、触れ合う事も、交わる事も。出来ない、と。

しかしそれでも。凍り付いた心の何処かで惨めな程シンを求めている。

アスランは、翡翠の空虚な眸を彷徨わせたままで。

艦長室を出て自室に戻る途中の通路で、アスランはとうとう出会ってしまった。

シン、に。

刹那、彼らを取り巻く空気が、凍り付く。

ルナマリア、レイと共に通路を歩いていたシンはアスランの姿を見つけて、ぎらつく眸を彼に向けた。柘榴の眸はまるで血を流しているかのように紅く、アスランに未だ残る心の消えない傷を抉る。
アスランは視線を合わせられずに立ち止まって俯いた。動けなかった。彼に対する、悲哀や恐怖、そして今でも消えない恋慕が、身体の自由を奪い去っていた。壁側に逃げるように退いたアスランをシンはにらみつけたまま無言で通り過ぎる。

通り過ぎる瞬間、小さな声で、シンが何かを云った。それはアスランにしか聞こえない、言葉。俯いていたアスランの翡翠の眸が大きく見開かれる。

シンの言葉に凍り付いたままのアスランを残し、シンはそのまま立ち去っていく。口元に笑みを浮かべて。二人の様子が明らかにおかしい事を気にした、ルナマリアの同情めいた不安げな眸と、レイの冷静を装った、何かを見定めるような視線にアスランは気付く余裕すらなかった。
スポンサーサイト
Category [ 時系列(No.03)【永遠のパズル】 ]
COMMENT






  
TRACKBACK
TRACKBACK URL
<%trackback?url>
Web 拍手
少しでもお気に召して戴けたならぽちっと 押してあげて下さいw

Web拍手

気紛れでお礼SSを更新中。 お返事は日記の方で不定期にしてたりしてなかったり。 日記へはリンクコーナーからどうぞw。
カレンダー
最新記事以外のログはカレンダー日付からどうぞ。
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
サイトについて
当サイトはガンダムSEED DESTINYの二次創作小説サイトで、シンアスオンリーで活動中です。 女性向の同人的要素満載な上、性描写を思わせるSSも多数UPしております。 (もろそういうのは全てR18裏に隠しております) そういったものが苦手な方、及びシンアスに興味のない方は、閲覧つらいかと思われますので回れ右して下さいませ。 そして学校、会社等の公共施設での閲覧もご遠慮下さい。

現在仮オープン中ですが、いずれ正式に開設予定。 しかしこれからオフ生活が繁忙期に突入な為、 年内の開設はけっこうきつい今日この頃。
ブログ検索
メール
管理人へのご連絡はこちらから。シンアス同志少ないのでいただけると泣いて喜びます。 ご意見ご感想、好きなシンアスシチュ等何でもOKですのでお気軽にどうぞ。

メールフォーム

お返事は余程の事がない限り必ずしております。 シンアスシチュが管理人のツボにはまったら書く可能性大w。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。