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シン誕SS 11【夢の向こうに】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/09/07[ Thu ] 22:14
本当に、無茶をすると思う。死にかけたという自覚はないんだろうか、どれだけ心配をかけたか判っているんだろうか。

この、無茶苦茶な幼馴染み殿は。

幼い頃はいつも同じ事を云われて叱られてたけれど、でも本当に無茶苦茶なのは、アスランの方だ。限界まで我慢して、その限界を超えても我慢して。
挙げ句倒れてたら意味がない。

この間もまだ安静にしていなきゃならない躯で戦闘に出た。ナチュラルなら集中治療室から出られない、コーディネーターでも動くのがやっとな躯で、あろうことかMSに乗り込んだ、彼は、案の定戦闘後に倒れて医務室に逆戻りした。
やっと其所から出て自分と同じ部屋に移ってきたけれど、それでも戦況を把握して何か手を打とうと策を練って。毎日毎晩寝る間も惜しんできた。
まだ本調子じゃないだろう、と云っても聞こうともしなかった結果が、これだ。

「…ッ、ン、………ン」
今、アスランはキラと同室のベッドの上でうなされている。無理が祟って熱を出して倒れてしまった。勿論コーディネーターである彼がこうまでなるのだ、治りはじめていた怪我が悪化した証拠である。外面上は問題なくとも、恐らく痛めた内臓に負担がかかったに違いない。
「う…っ、ン…っ」
「アスラン?」
さっきからずっと、苦し気にもがいて何かをうめいているが、キラには全く判らない。
「アスランさん、どうですか?」
「あぁ、うん…相変わらず、かな」
「そうですか…」
兎に角今は休養が必要だからとベッドの脇に置いた椅子に腰掛けてアスランの様子を見つめていたキラに、メイリンが声をかけてきた。
先日偶然救出した、アスランがかばって助けた元ザフトのこの少女は、周囲に馴染もうと頑張っているけれど、やはりよく見知ったアスランが近くに居ると安心するらしい。寝込んでしまったアスランを案じて様子を見にきたらしかった。
「…ッン、ン…」
「さっきからこうなんだ。よく判らないけどずっと何かを呼んでるみたいにうなされてる」
「…アスランさん」
額に汗を滲ませて荒い吐息を浅く繰り返しながら何かを呼ぶアスランに、キラは半ば降参とばかりに両手をあげて。メイリンが更に困った顔をした。
けれど鎮痛剤や解熱剤はあっても、一番今必要なのは体力の回復だ。だから何も出来ずに二人は黙ってアスランを見守っていたのだけれど。
不意に意味をなさない言葉を繰り返していたアスランが、何か、ではなく、誰か、を呼び出して。
「…っ、シン…シ、ン…」
「………シン?」
「あ」
その名に覚えがないキラは首を傾げ、メイリンは反対に何か思ったらしい。
「シン、って誰?」
当然キラはそう尋ねるが、しかしメイリンは立ちすくんだままうつ向き、言葉に詰まってしまう。
「…シン、は…」
「うん」
「同じ艦に…乗ってて…。アスランさんと同じパイロットで…」
「もしかしてインパルス?」
キラの鋭い指摘にメイリンは頷くしかなかった。アスランがミネルバでパイロット達を束ねる立場にいたのはもう知られている。けれどアスランとシンがどんな関係だったかはキラは知らない。
「…シンはいつもアスランさんに逆らったりして…凄く手のかかる部下って感じだったんですけど…」
けれどいつしか二人の間に変化が起きた。反発しあってもどこか信頼しあっているようで。だがそれも戦局に左右されるように険悪になっていった二人を、メイリンはただ見守っていただけ。
そうしてあの時、アスランが軍を脱した時。追撃してきたシンに対してのアスランの態度に。二人の関係が思っていたものよりも深く、そして悲しい結末になってしまったんだと。初めてメイリンは知ったのだ。
彼等にとって癒えない疵を、今幼馴染みだというキラを目の前にして、どこまで話してもいいのか戸惑ってしまう。

するとまたアスランがうわ言でシンを呼んだ。
「シン…、たん………め、で………」
「え?」
「………」
さっきとは僅かに違う言葉にメイリンは首を傾げ、キラは沈黙したきりで。

シン、誕生日、おめでとう。

確かに今、アスランの唇はそう動いた。

「もしかして…そのシンって子、誕生日近かったりする?」
「え?、………あ」
「近い、んだね」
唇の動きを読んだキラがメイリンに尋ねると、彼女は記憶の端にあったシンのプロフィールを思い出す。確かにシンの誕生日は近かった筈だ。
では今アスランはうなされながらも、夢の中でシンにおめでとうと伝えているのだろうか。

現実では逢えない、夢でだけ赦された逢瀬で。

アスランはシンに、おめでとうと。

一瞬流れた沈黙を破ったのはキラだった。
「…あーあ」
「キラさん?」
「アスラン、とられちゃったかな」
「え?、え?」
キラの言葉の意味にシンとの関係を知っているメイリンは焦りを隠せずに慌てた。キラは違うよ、と苦笑いする。
「アスランはね、昔から他人の誕生日とか覚えるの苦手だったんだ。っていうよりそういうのに興味がないっていうか、無頓着っていうか」
自分の誕生日すら当日になって周りに祝ってもらって思い出すような人間だ。そんなアスランが家族と幼馴染みである自分以外の誕生日を覚えていて、しかも祝おうとしている。

それはつまり、アスランの中に深くシンという存在が根付いているという事。

「そっか…」
キラは一人で勝手に納得したようだった。じっとアスランの顔を眺めて頷いている。
「昔はキラキラ煩かったのにね」
「キラさん…」
「道理でこっちに戻ってきてから余り煩くない訳だ」
そう云ってキラは視線をアスランからメイリンへと動かし、彼女の肩を軽く叩いた。
「行こうか」
「え、あ、はい」
「大丈夫、あと少し寝てれば治るから」

だから今は、好きなだけアスランの望む夢を。
目覚めたらまた過酷な現実が彼を待っているから。
今だけは、幸せでいさせよう。

そうしてキラはメイリンを連れて部屋を後にした。
一人、シンの夢を見るアスランだけを残して。



彼と戦わねばならない現実を、今だけは忘れておやすみ。

アスラン。


そう、心の中で呟いて。
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