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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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風の誓い、白の契り(色々注意)
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/04/16[ Sun ] 22:21
この話は某所で知った近々発売のスーツCD10の事前ネタバレに基づき、妄想と捏造を膨らませたネタです。
(ええ、シン無理矢理出したよ。だって私シンアス者だもの!)
ネタバレ(ってもさくっと流しただけだけど)だとか一部氏にネタ?も絡んでおりますので、知りたくない方やそういった意味で暗い話を避けたい方、そしてレイファンの方はスルーして下さい。






「遅かったですね」

遠くからシンを目指して歩み寄ってきたその人に、首だけを回して振り向き声を掛けた。

「ああ、イザーク達と会ってな」
「へぇ、来てたんですか。偶然?」

顔だけを向けたままのシンの横に立ち止まったアスランは、彼等とのやりとりを思い出したのか困ったように笑いながら答える。

「いや…違うらしい。どうもディアッカが一緒に行こうとメールをくれたらしいんだが…」
「アンタは見ていなかった、と」

アスランが云うより早くシンがばっさりと言い切った。
う、と一瞬言葉を詰まらせたのは図星だからだろう。
実際此処に来る迄の間、彼がどのように過ごしていたかを身近で見ていたシンはよく知っている。

「忙しかったですもんね、アンタ」
「あぁ…いや、仕事のメールはチェックしてたんだがな…」

情報漏洩を恐れて公私別々に使い分けたノートパソコンは、ここ最近公用の物ばかり立ち上げていて。
私用の物は埃を被る寸前だ。

「でも結果的に此処に来て会えたんならいいじゃないですか」

楽観的に告げるシンに先程のイザークの様を再現してやりたい。
お前、アイツに絡まれた事がないからそんな簡単に云えるんだ。

内心毒を吐いてみたけれど、しかし再現するとなればまた自分が怒鳴られるだけだ。
以前より角が丸くなったとはいえ、今は欝陶しいだろうからとアスランは思考を違う方向に持っていった。

「お前はもう済んだのか?」

今も顔だけをアスランに向けたままで、躯を向き合わせていないシンに問い掛ける。

「ええ、もういいです」

シンはあっさりと答えたけれど、その赤い眼に一瞬だけ淋しそうな悲しそうな負の感情が籠められたのを、アスランはわざと気付かない振りをして頷いた。

そうして二人、大地に眼を向ける。
若葉色の草野原に規則正しく並べられた物の、ひとつ。
白い、白い、墓標。
生誕日も没した日も刻まれていない、その墓石。

『レイ・ザ・バレル』

とだけ、名を刻まれた白い墓標。

それをシンは哀しげに、けれど何処か懐かしそうに見つめている。

戦争が終息したのち、やはり彼の亡骸は欠片も見つからなかった。
ミネルバに置き去りにされた僅かな私物だけが彼の遺品となった。
レイが生きていたという証。
例えどんな謀略で生まれ出でた偽りの存在だとしても、シンやミネルバクルー達にとっては一人の人間でしかない。
戦後アスランと共にオーブに移り住んだシンは、ザフトを退役する前に軍上層部やプラント評議会と激しくやりあった。
戦犯かもしれない。あの議長と深く関わり、手先として暗躍していたのだから、それは否定しない。

けれど、だからといって彼が自ら選んでしまった結末を誰が責められる。

生きたくとも生きられない。
よく知らない誰かの代わりとして作られたクローンであるレイを。

シンの願いに、新しくプラントを守る地位についたラクス・クラインは答えてくれた。
騒めく周囲をやさしい笑顔で黙させ、議長の言葉に従ったシンを罰しもせず、そうしてレイの墓標を作る事を認めてくれた。

そのときアスランは先にオーブに移住していた為、後からラクスに話を聞き、そうして遅れてオーブに来たシンを優しく迎えた。

よくやったな、と。

そう言葉を掛けられ泣きそうな顔をして、けれど必死に堪えて笑い返したシンの姿を今も忘れられない。



そうしてアスランのかつての仲間の命日に、墓参りに行く彼に伴い、シンもまた此処に来ていたのだった。
墓石が完成する前にオーブに移住してしまったから、訪れるのは今日が初めてだった。
レイの墓にはシンが手向けた花束の他にも幾つかあって、恐らくルナマリアやメイリン、他のクルー達も時折訪れてくれているのだろうと一目で判った。

「良かったな」
「うん…」

ぽん、とアスランがシンの頭を撫でてくれた。
アスランはシンの気持ちを判ってくれている。

弔う墓標がない辛さを、彼は誰よりも知っている。
未だ戦犯とされている彼の父親の墓標はない。
だからアスランは同じく亡くした母の墓標に父の分も花を手向けていた。

シンはそうならなくて済んで良かった、とプラントのお偉方相手に無茶な立ち回りをしたシンをアスランは責めずにいてくれた。

それが今も、酷く嬉しかった。



「…行こうか、シン」

頭を撫でていた手を肩に置いて、アスランがシンに告げる。
一度頷きかけて、しかしシンはちょっと待ってくれ、とアスランを制止した。

不思議そうに首を傾げたアスランの手を握り締めて。

レイを、見て。

「………レイ。俺は生きるよ」

と、静かに語りだした。

「俺はお前の分も生きるから。お前が望んでくれた通り、未来を生きるから」

かつてレイに云われた、レイに託された、言葉。
それに今、答える。

ぎゅ、と強くアスランの手を握り締めて。


「このヒトと一緒に…俺は生きていくから」


かつて敵となってしまったアスランと共に。
かつて恨みすら抱いていた故郷のオーブの地で。

何の隔たりもない、平和な世界を守る為に。
望まれず生まれた命などない世界を作る為に。
生きたいと願う者を悲しく死なせない為に。

シン・アスカは、アスラン・ザラと共に。

生きる、と。

そう告げた。



「シン…」
「行きましょうか」
「ああ」

何の曇りも澱みもない真っすぐな眸でレイの墓標に誓ったシンに、アスランは一瞬だけ驚いてみせたけれど。
手を握ったまま歩きだしたシンに照れ臭そうに微笑う。

「お前、あれじゃ結婚を報告にきたみたいじゃないか」
「似たようなモンでしょ?」
「あのなぁ…」
「いいじゃないですか。一緒に住んでるんだし、第一俺達、オーブ行政府公認の仲なんだし」

狼狽えるアスランにシンはにやりと笑って答える。
シンの云う行政府公認というのは、つまり国家元首であるカガリ・ユラ・アスハ公認、という事だ。
確かにそうかもしれないけれど、でも。
歩きながら、うーうー、と唸りだすアスランに、シンは握り締めたままの手を強く引いて。
掠めるように唇を奪う。

「いい加減認めろよな、夫婦だって!」
「なっ、馬鹿!。こんな所でするなと云ってるだろ!」



夫婦宣言には否定せずに公衆の場でのキスに怒鳴るアスランと。
その罵声を封じようと再び唇を重ねて深く口付けたシンを。



幸せに生きろ、と春の風が優しく吹き抜けた。
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