1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
スポンサーサイト
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   --/--/--[ -- ] --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Category [ スポンサー広告 ]
月ひとしずく 10 ( #43~45)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2006/03/08[ Wed ] 21:15
「………う、そ。…嘘、嘘ッ!」

シンに告げられた衝撃の事実にルナマリアは愕然としていた。

思わず立ち上がった彼女はシンから見ても判る位にカタカタと震えていて。

これが他人事ならばどんなに良かっただろう。

ぼんやりとシンは目の前で震える程驚いているルナマリアを見つめながら考えていた。
しかしそんな訳にはいかない。
自分にとってもルナマリアにとっても、アスランの生存は簡単に片付けられる問題ではなくて。

「アスランが…生き、て、た…?」
「………うん」
「そんな…っ」
「本当、なんだ…。俺、モニター越しに話した…から…」

初めて知らされたルナマリアの驚く様はシンの胸を締め付けた。
アスランとの会話は彼が緊急用の回線を開いた事で叶ったものだ。
敵軍となってしまったシンと話した内容は明らかに両軍の通信記録に残されたであろう。
しかしあの時ルナマリアはまだアラートで待機中で、その会話を全く知らなかったのだ。
「後で副長にでも聞いてごらんよ…本当、だから…」
あの時出撃していたパイロットだけでなく艦隊の中枢である司令室にも無線は届いている筈だ。
シンの促した答えにルナマリアは頷かざるをえなかった。
「でも、じゃあ…ッ!」
突然ルナマリアがシンに近づいて、力任せに肩を掴まれる。
女性とは思えぬ位の力の強さに、肩に痛みを感じてシンは眉をしかめ、しかしルナマリアの眼差しから逃れるように顔を逸らした。

彼女が今何を聞こうとしているのか、何を知りたがっているのか、泣きたい位判ったから。

「メイリンは生きてるのッ!?」

それはまるで血を吐くような、それ程までに痛々しい悲鳴だった。

目を逸らしたシンをルナマリアは蒼白した顔で見つめ、掴んだ肩に爪を立てて。

「シン!。答えて、メイリンは!?。あの子は生きてるの!?」
「………ルナ」
「ねぇ!。答えてよっ、シン!!」

もう辛くて逃げ出したかった。

死んだ、と諦めていた、シンもルナマリアも。
二人はどす黒い深海に飲み込まれ藻屑となって散ったと思っていた。
だから無理矢理に言い聞かせて諦めていたのだ。

裏切った者を討つのは軍属ならば仕方ない事だと、アスランを想うシンは。

命令に従わざるをえない立場で尚且つ想い人を討ったシンを責めきれなくて、巻き込まれたメイリンを想うルナマリアは。

理不尽な結果だと判っていても、これが『戦争』なのだ。
その中を今生きているのだ。
自ら志願して軍に属した時から覚悟していたのだから。

何かを失うかもしれない、と。

「………生きてる。メイリンは…無事、だって…云ってた…」

締め付けられる胸の痛みに枯れそうな程乾いた喉からシンが必死に声を振り絞り、ルナマリアに伝えたのはメイリンの生存であった。
途端に肩から爪の食い込む痛みが薄らぎ、かくん、とルナマリアが崩れ落ちた。
「…っ、ルナ!?」
慌ててシンが逸らしていた目を彼女に向ければ、ルナマリアはかくりと床に座り込んで震えていた。
大きく見開かれていた眸からはボロボロと涙が零れ落ちていて。

その時シンは初めて己が彼女に与えていた苦痛と罪の深さを悟る。

ルナマリアはアスランを討ち落としたシンを気遣ってくれてさえいた。
しかしシンは縋るだけで何も返せなかった。
それどころか、彼女から大切な存在を奪っていて。
その罪に立ち向かえていなかった。
想い人を自らほふった罪にばかり囚われて、もう一つの罪を贖う事が出来ていなかった。

「ごめ…っ。ルナ、ごめん…俺、俺…っ」

云いたい事は他にもある筈なのに、けれど謝罪しか言葉が見つからない。
シンの足元で呆然と泣き続けるルナマリアを、シンは堪らず覆いかぶさるようにしてきつく抱き締めた。
胸元に顔を引き寄せればルナマリアは弾かれたかの如くシンの身体にしがみつき、絞りだすように声をあげて泣きじゃくりだす。

「…っう、メイリン…っ。メイ、リン…生きて、生き…っ。うぅ、うーっ」
「うん、うん…ルナ…ごめん。本当にごめん…っ」
「あぁ…っ、シン、シンーッ。あぁぁーッ!」

泣きじゃくるルナマリアを抱き締めながら、シンの眸にも涙が滲んで。

ヒトを討つという恐さ。
壊したものへの喪失感。

戦いの果てに何が残るか、自分がおこした事の結末を、改めて知らされた気がした。

やがて泣き止んだルナマリアは疲れ果てたかのようで。
シンは彼女をベッドに座らせるとくしゃくしゃになった前髪をそっと払い除けて、泣いて赤くなった目蓋に唇を触れさせた。

親愛のキス。
贖罪のキス。

これで彼女の傷が癒える筈はないと判っていても。
「じゃあ、俺部屋に戻るから…」
そう云って立ち去ろうとしたシンの軍服の裾をルナマリアが、くい、と掴み取る。
不思議に思い振り返れば。

「どうして…アスランと戦うの、アンタは…」

泣き疲れ弱々しくなった声でルナマリアがシンを静かに責めた。

「………だって」
「裏切り者だから?。自分を置き去りにしたから?」
「…ルナ」
「オーブを討つのを邪魔したから?」
「………ッ!」

その言葉にシンは一気に熱くなる。
かぁ、と頭に血が昇るようで、感情が激しく渦巻きだす。
「でも、私も…」
沸き起こった怒りのままに反論しようとしたシンに、ルナマリアは淡々と喋り続ける。

「………シンはオーブを討ったらいけない、と思うわ」

ぽつり、と呟かれたルナマリアの告白は彼女の部屋から立ち去った後も暫らくシンの中から消えなかった。
スポンサーサイト
Category [ 時系列(No.08)【月ひとしずく】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
COMMENT






  
Web 拍手
少しでもお気に召して戴けたならぽちっと 押してあげて下さいw

Web拍手

気紛れでお礼SSを更新中。 お返事は日記の方で不定期にしてたりしてなかったり。 日記へはリンクコーナーからどうぞw。
カレンダー
最新記事以外のログはカレンダー日付からどうぞ。
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
サイトについて
当サイトはガンダムSEED DESTINYの二次創作小説サイトで、シンアスオンリーで活動中です。 女性向の同人的要素満載な上、性描写を思わせるSSも多数UPしております。 (もろそういうのは全てR18裏に隠しております) そういったものが苦手な方、及びシンアスに興味のない方は、閲覧つらいかと思われますので回れ右して下さいませ。 そして学校、会社等の公共施設での閲覧もご遠慮下さい。

現在仮オープン中ですが、いずれ正式に開設予定。 しかしこれからオフ生活が繁忙期に突入な為、 年内の開設はけっこうきつい今日この頃。
ブログ検索
メール
管理人へのご連絡はこちらから。シンアス同志少ないのでいただけると泣いて喜びます。 ご意見ご感想、好きなシンアスシチュ等何でもOKですのでお気軽にどうぞ。

メールフォーム

お返事は余程の事がない限り必ずしております。 シンアスシチュが管理人のツボにはまったら書く可能性大w。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。