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最期まで優しい人(要注意ネタ)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2006/03/03[ Fri ] 01:43
以下アスランさんの氏にネタですので駄目な方は回避推奨。
平気な方だけ反転して御覧下さい。




視界が霞む。

表面に張った水が膜のようになって、目の前に横たわる人の姿をぼやけさせる。

「………泣く、な、よ…シン」
「…っ、泣いて、なんかいない!」
「………そうか?。なら………い、い………」

呟かれる言葉が途切れ途切れになりながらも、シンを労り、優しい言葉をくれる人。
知らず溢れてくる涙を指摘されて、ぐい、と
乱暴に手の甲で拭いながらシンは悔しまぎれに怒鳴る。

そうすれば、彼は優しく優しく微笑うから。

また涙がボロボロと溢れて落ちて。
彼の青ざめた頬に雫は落ちて肌に染み込んでいった。

土埃で汚れた姿、傷ついた躯、血に濡れた胸。
力を失い、地に倒れこんだ彼、アスラン、の姿。
吐く息は次第に弱くなり浅く喘ぐように喉を震わせる。

アスランが今、冥府に旅立とうとしているのは明らかだった。

なのにアスランは消え入りそうな声音でシンの名を繰り返し呼んでいて。

彼に名を呼ばれるのは好きだった。
怒っていても悲しんでいても困っていても笑っていても。
アスランの優しい声で名を呼ばれて
綺麗な翡翠の眸にシンの姿が映るのを見るのが大好きだった。

だけど、今は、今だけは、厭で厭で仕方がなくて。

今は彼に名前を呼んで欲しくなかった。
大地に横たわるアスランをの横に膝をついて寄り添うシンは
ぎり、と唇を噛み締めて言葉を吐き捨てた。

「…んだよ、犬みたいに何度も呼ぶなって…云ってるだろ…っ」
「あぁ…すま、な、い」
「いいから…もう喋んなよ…っ。アンタ今自分がどんな状態か判ってんのかよ…っ」

平静を保って強がりたいのに、どうしても彼の死にゆく様を見ていると声が震える。

みっともなく取り乱したくはない。
そんな弱い自分を見せたくない。
最期は強い自分を見て逝って貰いたい。

俺は大丈夫だから、安心して下さい。
そう云いたいのに云えない。

「シン…そん、な顔…するな…」

泣き喚きたいのを必死に抑え歪んでしまったシンの顔を見て
アスランが眉をひそめて微笑んだ。
もう感覚が失われつつある手をゆっくりと上げて、シンの黒髪に優しく触れて。

ぽふん、と。

そっと髪を押さえるようにして軽く叩いた。

「…お前は…辛い目にあってばかり、だったんだから…笑っていて、ほしい、んだ」

今が一番辛いよ。
アンタが云うな、馬鹿野郎。

そう怒鳴りたいのを唇を噛み締めて堪えた。

「なぁ…シン…?」

ぽふん、ぽふん。

「お前、は…幸せ、だった…か?」

ぽふん、ぽふん。

時折息を詰まらせて呟かれる言葉。
酷く弱々しい力で髪をぽふぽふ叩く手の平。

死にゆこうとしていても尚、シンを慰めようとする、優しい人。
自分の事よりもシンを想ってくれている、優しすぎる人。

「俺、は…お前に…会えて…幸せ、だっ………」

急にか細くなる声。

「…あり、が…と…」

ゆっくりと伏せられていく目蓋。

「あ、い…し…て…」

ぱたん、と地に落ちた手。

最期まで云えなかった言葉。



「ぁ、あ、あぁ…ッ!」

シンは深紅の眼を見開いて。

たった今命が失われた彼の人の躯を力任せに抱き締めた。
頭を掻き抱いて、愛を囁きあった唇を己の胸元に押しつけて。

「馬鹿野郎…ッ!。アンタ、俺と会えて幸せだって…ッ!」

あんなに堪えた涙がぼろぼろと落ちても構わなかった。

「そう云うなら…っ、死ぬなよ…ッ!。生きろよ、生きてっ、俺の傍でっ、ずっと…ッ!」

まだ暖かい、まだ暖かいのに。
もう眸は開かない、もう声は聞こえない。



「アスラーーーンッ!」

今冥府へと旅立ったアスランに届け、とシンの悲しき絶叫だけが響いて消えた。
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