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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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可愛い大人、ずるい子供。
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2006/03/02[ Thu ] 23:57
季節が冬から春へと変わりゆく今、吹く風はまだ冷たく肌を刺すように吹き抜ける。
ぶる、と肩を小さく震わせてシンは隣を黙々と歩き続ける藍色の髪の人をちらりと盗み見た。
ついさっき喧嘩をしたばっかりで、その綺麗な顔の眉間にはしわが数本刻まれている。
確かにシンもムキになって言葉で噛み付いたけれど、彼だってシンの気持ちを判ってくれなかった。
だからシンの眉間にもしわが増えていて。
互いにしかめっ面で街路樹を並んで歩く。
喧嘩しても、顔を見たくないと思っても、こうして傍を離れないのは。

向かう先が同じだから。
住んでいる家が同じだから。

「…なんだ」
「いえ、別に…」
「じゃあジロジロ見るな」
「見てませんよ!。アンタ少し自意識過剰じゃない?」
「何だと!」

ああ、また繰り返しだ。

ちらちら見ていたのは本当だけど、でもそれを認めるにはシンの性格は素直には出来ていないからつい逆らってしまう。

「大体お前はどうしていつも素直になれないんだ!。さっきだって…ッ!」

一度は鎮静化した問題を掘り起こされた。

「うっさいな!。アンタだって人の事云えないじゃん!。いっつも大事な事は俺に云わないで勝手に決めて!。俺の意志は無視ですか、あんたにとって俺はそんなちっぽけなモンだったんですか!」

蒸し返された所為でシンの感情が一気に爆発した。
歩む足を止めてまくしたてるように一息で怒鳴りつけた。
アスランもシンに合わせて立ち止まる。

喧嘩の原因はアスランの一言だった。
評議会からの要請で今度親善大使として地球に移り住む事になった。
そんな大事な事をあっさりと告げられればシンだって当然ぶち切れる。

だってアンタ今俺と一緒に住んでるでしょ。
なのに何で俺に一言も相談しないで勝手に決めてるの。
しかも移住はもう直ぐってアンタ。

ぐるぐると感情が渦巻いて抑えられない。

シンも追い掛けていければ何の問題もないのかもしれないけれど。
シンだって軍に属したままだ。
一人で勝手に決められる筈などないから。

「アンタ、俺の事何だと思ってんですか!」

とうとう怒りが頂点に達してシンは目の前に立つアスランに叫んでいた。
アスランの眉間にまたひとつしわが増えた。

「………シン」

ぽつり、と呟かれた声音は低くて彼が怒っている、とシンは感じた。
す、と右手が上げられて思わず肩を竦めて身構える。
殴られる、ひっぱたかれる。
いつもいつもアスランにはそうされて叱られていたからつい条件反射で構えてしまう自分が、全然成長していない子供のようで情けなかった。

次の瞬間、くる、と思われた衝撃は。

ぽふん。

ツンツンにはねた髪が軽く押さえられるように頭のてっぺんをぽふんぽふんと叩かれた。

「………え?」

予想していなかった行動に思わず目を真ん丸にしてアスランを見つめれば、困ったような顔をして、口元の端を緩めて微笑んでいる姿があった。

「…アスラン、さん?」
「仕方ないな…お前は。そんなに俺が居ないと駄目なのか?」
「………だって」

漸くしがらみとか葛藤とかかなぐり捨てて、正直に向き合えて。
そうして一緒に過ごせるようになったのに。
怒ってばかりだったあの頃と違って、笑って居られると思ったのに。
なのにまた離れ離れ?

心の中で拗ねれば、アスランはシンの気持ちを簡単に読み取っていて。

また、ぽふぽふ、と。

「前とは違うだろう?」

前みたいに互いの想いがすれ違っている訳じゃない。
今は互いの本当の気持ちを知っているだろう。
そう云ってアスランはシンの頭をぽふぽふ叩く。

「確かに相談しなかったのは悪いと思うが…」
「………本当ですよ、もう」
「だが今更お前は俺を離さないだろう?」
「え?」
「例え地球とプラントで離れても、お前は俺を諦めないだろ?」
「………そう、ですけど…」

確かに今更彼を忘れられる筈などなくて、それを呆気なく指摘されてシンは俯いた。

「なら大丈夫だ。永遠に離れる訳じゃない」
「アンタは平気なの…?。俺と離れて」

くい、とアスランの服の裾を引っ張って尋ねれば。

「…うん、まあ…淋しい、とは思うが…だが通信で幾らでも話せるし、たまには会えるし…、それに」
「それに?」
「幾らでも理由をつけてお前も地球のどこかの基地に配属になればいい」
簡単にアスランは言い切ったけれど、軍はそう簡単に事を運べるものではないと知っているくせに。
「…簡単に云うなよな…」
「でも、するつもりだった、だろう?」

う、とシンは言葉を詰まらせた。

ほんの少し考えたけど。
銀髪の仏頂面な偉い人に頼めばどうにかなるかな、とか思ったけど。

それもあっさりとアスランは先読みしていた。
簡単に思考がばれていて悔しいような嬉しいような。
俺ってそんなばれやすい頭してるかな、とシンが上目使いでアスランを睨み付けた。

すると、ふわり、と影がよぎって。
触れるだけのキス。

「お前が俺から離れないって俺は思っているから、だから安心して向こうに行けるよ」
「………ちぇー」

負けた、と思った。
やっぱり大人だ。
抜けてるけど。
夜は俺が勝つけど。

「………判ったから、頭、叩かないでくれませんか?」

さっきからずっとぽふぼふされていて、子供扱いされているような気がして、けれど何だか落ち着くような感じもして。

「じゃあ早く帰りましょう。俺、急いで軍に申請しなきゃいけないから…」
「うん、うん」
「アンタの荷物もまとめなきゃいけないし…」
「うん、うん」
「って、人の話きいてます?」
「うん?。うん、聞いてるぞ?」

子供をあやすように頷かれてむっとしながら云えば、にっこりと笑ってまた頷かれた。
もう適わない、とシンは思いながら、大人なくせに、年上ぶるくせに、妙に可愛いこの人を離すもんか、と。



ぎゅ、とアスランの手を握った。
Category [ SS ノーマル・CP ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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