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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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TIGHTROPE (#30~31) 1
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/20[ Tue ] 00:09
死にたいと願う位、辛かった。
何もかも失ったと思う程、絶望していた。

アスランを、今救うものは、何も無かった。






キラにセイバーを墜とされ、シンに身体を蹂躙された現実はアスランの精神を苛んでいた。
シャワールームで泣きじゃくった後惚けたようにベッドへと戻り、でもシンに犯された名残が残ったままの場所で眠りたくなくて、毛布を引きずり落とし床に蹲って寝ていた。

次に眼が覚めた時には肉体の疲労と精神的なショックで発熱しており、怠さに更に身体が動かなくなっていた。

自分でも心がこんなに弱いと思わなかった。
でも今、何かをしようという思いは全く失われ、只茫然としているだけだった。



一体どの位そうしていたのだろうか。

急にドアの向こうから、インターフォン越しに名を呼ばれた。

『アスランさん、アスランさん…』
高い、でも燐とした、声。『アスランさん、大丈夫ですか?』
…ああ、この声は。
ルナマリア、か。
何度も呼び掛けられてアスランは漸く声の主を認識した。そして半ば無意識床に寝転んでいた身体を起こす。
未だ凌辱の跡が残る身体は更に熱を増していて、床で寝ていたせいで節々がひどく痛む。
『アスランさん?』
「………ああ、大丈夫だ」
自分でも不思議な程はっきりとそう答えていた。インターフォンの向こう側からルナマリアの安堵する息が聞こえてくる。
『…良かった。アスランさん、ずっと部屋から出てこないって聞いて…心配していたんです』
「…すまない、もう大丈夫だから」

何処が大丈夫なのか。自虐的に笑みを浮かべる。

そういえば彼女も自分の機体を大破し怪我をしていたはずだ。ふ、と思い出し、そんな彼女にすら同情される己が惨めだった。

『あれからもう二日も食事、取られていないんでしょう?。何か持ってきましょうか?』
「…いや、いい。…もう少ししたら行くから…」
そう答えるとルナマリアが残念そうに頷いて何処かへと立ち去っていく。

彼女の言葉を思い出し、時間の経過を漸く知る。惚けた頭を軽く振ってアスランは無理矢理理性を繕った。確かにずっとこのままでは居られない。皆に不審がられるだけだ。まだ身体は辛いが、それでも何とか立ち上がる。

何一つ身につけていない身体。
何も持たない、全て失った身体。

それでも。今はまだ。
この艦に居る内は『アスラン・ザラ』でいなければならない。
床に投げ捨てられたままの軍服を着て、シンに与えられた傷を隠して。
アスランは漸く部屋を出た。



周囲に悟られぬよう、普通を装って艦内を歩く。
無理をする事は慣れている。身体の傷はやがて癒えるものだ。そう言い聞かせて。
だが実際は歩くのも辛かった。全く慣らさぬままにシンに犯された其処は裂け、擦られ続けたせいで腫れあがっている。多分放置していたせいで化膿し始めているだろう。発熱もそれからきているのかもしれない。
しかし治療など出来る筈もなく。医務室に向かえば全て知られてしまうのは明白だった。艦内という限られた空間で凌辱されるというのは、相手もまた内部の者だと簡単に悟られる。
どんなに辛くともこのままでいるしか、アスランにはすべがなかった。

漸く食堂に辿り着いて中に入ろうとした瞬間、声が聞こえた。


どんな時も傍にいた声。
ひどくひかれた声。
今は聞きたくなかった、声。


「あの人、余り強くないよね」




刹那、目の前が暗くなった。

「シンっ!」
「だって、ルナもそう思わない?。あんな簡単に墜とされて、さ」
「でもそれは相手があの『フリーダム』だったから…」

シンの声。『フリーダム』。


アスランを更に闇へと突き墜とす、モノ。

「しかし、ルナマリア。彼は『フェイス』だ。彼に期待するのは普通だろう」
「レイ…」
「実際この間の戦いでは余り戦果はなかった」
「………」

恐らくパイロット三人が揃っているのだろう。しかし唯一の援護をしていたルナマリアですらレイの言葉に反論を失う。

もう、やめてくれ、とアスランの心が声なき悲鳴をあげる。

「もっとしっかりしてくれないと困るよね、仮にも『フェイス』で俺達の『隊長』なんだからさ」

シンの冷たい言葉。アスランは眼を見開いて、次の瞬間ふらり、と身体のバランスを崩して壁に当たる。
その際におきた物音で中に居た三人がこちらに気付いた。

「………あ、アスラン、さん………」
ルナマリアが驚いて声を掛ける。その向かいに座るレイはいつもの如く顔色ひとつ変えず、シンは………。
「………ああ、生きてたんですか、あんた」
そう云って立ち上がり、アスランへと近づいてきた。アスランは血の気が引いていくのが自分でも判った。
「………シ、ン」
彼がきつい眸を向けながら近づいてくる。


恐い。恐い恐い恐い。

まだ身体はあの時の恐怖を忘れていない。無意識に身体が強ばる。

「アスラン」
目の前に立たれて小さく名を呼ばれた。
柘榴の眼から視線を反らせない。
するとシンの手がアスランの首元を掴み、ぐい、と己の方へと引き寄せた。
「………ッ!?」
「動けたんだ、あんなにしたのに」
小さく、アスランにしか聞こえない声でシンが云った。
「まだ足りなかった?」
目の前で怯えるアスランに、シンはくすり、と笑みを含んだ言葉を吐く。
「………っ、シン………ッ」
驚いたアスランが言葉を失い、辛うじて彼の名を口にした瞬間。
視界が急に遠くなり、がくん、とアスランの身体から力が抜けた。
何とか保っていた精神が、今シンを目の前にして、更にひどい言葉を吐き出されて。
限界を越えたのだった。

「………ぁ」

がくりと倒れこむアスランの身体は前のめりになり、咄嗟に伸びたシンの腕に支えられた。
「アスラン!?」
さすがにシンも驚き、突然倒れた彼の全体重を受けとめ損ねてその場に座り込む。顔を覗き込むと既に意識はなく、薄く開いた唇から浅い吐息を洩らしていた。
「アスランさん!?」
ルナマリアが慌ててアスランに近寄ろうとする。
「ちょっと、シン!。あんた何したの!?」
シンの腕の中でぐったりとしているアスランに手を伸ばそうとした時。


「触るな!!」

シンの怒声が響いた。


「………シ、ン」

「…この人に、触るな…!!」

紅い眸がルナマリアを睨む。
まるで手負いの獣のようなその気迫に彼女が身を退くと、シンは失神したアスランの身体を渾身の力を込めて両手で抱き抱える。
そして恐ろしいまでの形相を浮かべたまま、食堂から彼を連れて立ち去っていった。
後に残されたルナマリアは茫然と立ち尽くし、それを静かに見つめていたレイの眸に何かが宿っていた。
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