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TIGHTROPE (#30~31) 2
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/20[ Tue ] 00:07
やがてアスランの部屋へと辿り着き、シンは気絶した彼を抱えたままで慣れた手つきでドアロックを解除した。
一瞬躊躇したが暗い室内に足を踏み入れ、シンは言葉を失う。


あの時の、ままだ。

二日前、己が彼を、犯した時のまま。

ベッドはシンの放った精液とアスランの流した血で汚れ、ぐちゃぐちゃに乱れたままで。
床には毛布が淋しそうに落ちている。

シャワールームもドアが開いたままになっていた。

一瞬にしてシンは理解する。

あの後、自分が逃げるように立ち去った後、アスランは動けなかったであろう身体で何とかシャワーを浴び、そして汚れたベッドに戻りたくなくて床で蹲っていたのだ、と。

シンの眸がきつく閉じられた。

確かに自分がした事だ。忘れた訳でもない。彼の悲鳴と終わった後の無残な姿が今も頭から離れない。

心配でたまらなかった。あれ以来部屋から出てこない人をずっと想っていた。
しかしそれは許されない事。何故なら落ち込む彼を更に追い詰めたのは…自分だから。

シンは一旦アスランの身体を床におろし、急いでベッドメイキングをした。汚れたシーツを捨て、新しい物へと交換する。整えた後、未だ意識の戻らぬアスランの身体から上着を脱がせてベッドに寝かせ、新しく用意した毛布をかけてやった。
あの時の惨状を消し去るかのように。

アスランはそれでも目覚めない。先程倒れた身体がひどく熱かったのを思い出す。
きっと自分が犯した場所が傷ついて、精神的にも追い詰められた為に発熱したんだと。
以外と弱い事を知っている。
知っていたのに…。

「くそ…っ」

思わず漏れた言葉。ベッドサイドに座り、アスランの顔を見つめる。触れようとして伸ばした手を、直ぐに握り締めて耐えた。

今更権利などない。彼に触れる権利など。

シンはひどく後悔していた。
でも心は後悔とは別の感情が渦巻いているのも確かで。
アスランが好きで。
でも彼の不様な姿に勝手に失望して。
支えてやりたいのに、まだ幼い自分は突き放してしまった。
そして犯して汚して…堕とした。

シンの中で二つの想いが錯綜し続けている。

あれ以来どんな顔で逢えばいいのか悩んでいたのに、ルナ達に同じ戦う者としての失望感を口にしていた。自分でもひどい言葉を吐いていたのは判っているけれど。
アスランに聞かれていたと判っても、一度溢れた感情は止められなくて。更に追い詰めてしまった。

自分を見つめた翡翠の眸が怯え、身体がかたかたと震えていたのに。

また、傷つけた。


「…俺、どうしたいんだろう…」

彼を愛したいのか、傷つけたいのか。

シンの中にある人間としての部分と戦士としての部分がぶつかりあっている。

彼を愛して、彼を汚して。自分は何を望むのか。
シンもまた、闇に囚われていた………。






夢を、見ていた。

『あの人、余り強くないよね』

人は何処まで堕ちる事が出来るんだろうか。
自分はもう、堕ちて堕ちて、堕ち尽くして。
もはや絶望しか残されていない、と思っていたのに。

『もっとしっかりしてくれないと』

まだ、堕ちていく。底へと何処までも、果てない先を目指して。

シンの言葉が更に突き落とす。

『動けたんだ。あんなにしたのに』

這い上がろうとするのを許さぬという、言葉。
誰よりも今大切な彼の人の、言葉。

『まだ足りなかった?』





しかし今。
夢を見ていた。

幸せと感じていた頃のように、彼が、居る。
ベッドに寝かされた自分の横に、彼が肩を落として座っている。

ああ、これは、夢だ。
でなければ彼が此処に居る筈がない。

以前と変わらない姿。
小さくて弱い背中。
守りたい、とそう思った彼。

闇から意識を取り戻したアスランは覚醒しきらないまま、ぼんやりと背中を向けたシンの姿を見つめていた。
これは夢だと、己が望む夢だと。

混濁した意識の中、必死に指を動かして。
彼を求めて手を伸ばした。

こんなにもぼろぼろにされても追い詰められても、心は彼を求めている自分が哀れで。
知らず涙が溢れた。頬を伝って雫は次々と零れ、アスランは静かに泣いた。

漸く指先が、シンの身体に触れそうになる瞬間。
アスランの指から力が抜け、ぱたりとシーツに沈んだ。

シンが縋るようなその指先に気付く事なく。



アスランの意識は再び堕ちていった………。





やがてアスランが目覚めた時、室内は誰も居なかった。

あの時シンに屈辱的な言葉を投げ掛けられて、そのまま気が遠くなったのは覚えている。
誰かが気絶してしまった自分を部屋まで連れてきてくれたのだろう。
しかし、起き上がらぬままに見回した室内が以前と変わらず綺麗にされている事に気付く。

普通なら倒れた自分を医務室へ連れていくだろう。だがそうではなく、真っすぐ自室へ運んだ『誰か』。
汚れたままのシーツを片付け、整えたベッドに寝かせてくれた『誰か』。

アスランは未だ怠い身体を無理に起こし、膝を抱えた。

では、あれは。
夢ではなかった?。

シンが、居た。
確かに、居たのだ。

己の身体の惨状を知っている当人でなければ、隠すように此処には連れては来ないだろう。

ああ、夢ではなかったのだ、と。

「………っ、ぅ…う」

そう実感した途端アスランの眸から涙が溢れた。膝を抱えて顔を埋めるようにして、アスランは泣いた。

「ぅ…っ…、シ、ン………」

夢ではなかった事を嬉しく思いながらも、今此処に彼が居ない事が哀しくて。




アスランは声を殺して、止まらない涙を零し続けた。
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Category [ 時系列(No.02)【TIGHTROPE】 ]
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