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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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月ひとしずく 08 ( #43~45)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2006/02/07[ Tue ] 22:41
「…どうぞ、入って?」
「あ…、うん」

ロックを解除した扉の向こう、ルナマリアに割り当てられた個室にシンは招き入れられた。
室内の設備などはシンがレイと共に過ごす部屋と大差なく、一人用だから若干狭いだけで特に違和感はなかった。
先に中へと入っていったルナマリアの後を追うように、シンも部屋の中へと足を踏み入れる。
ルナマリアはベッドに、シンは備え付けられた椅子へとそれぞれ腰掛けて互いに向かい合った。

「………」

目線はかっちりと合わさっても、どちらも云いだすのを躊躇っているのか直ぐには口を開こうとしなくて。
不自然な沈黙が流れだす。
「ねぇ、シン、話してよ…」
「いや、ルナから先に話して?」
「…もう、仕方ないなぁ…」
互いが抱える重大な話を切り出せずに押しつけあえば、このままでは埒があかないとルナマリアが口火を切った。

「前に、ね…アスランが艦長に許可を貰って艦を降りて人に逢いに行った事があるの」
「………え?、嘘、何時?」

いきなりアスランの名を出され一瞬だけシンの胸が痛んだが、しかし『ラクス・クライン』に関わる事となれば彼の名が出てもおかしくはない。
私情を無理矢理思考から引き剥がしてシンはルナマリアに尋ねる。
「うん…確か、ダーダネルスでの戦闘が終わった後、艦を修理する為に軍港に停泊していたでしょう?」
「ああ、うん。そういえば…」
ルナマリアに云われ、ぼんやりと記憶が蘇る。
まだ然程時間は経過していない筈なのに、何故だろうか、酷く昔の出来事のようで。
確かオーブ軍が地球軍と同盟を組んでから初めて戦闘を仕掛けてきた直後だ。
先の大戦でその名を轟かせたあの『フリーダム』が突如現れ、戦況をより混乱に叩き落とした。
その所為でハイネは命を失い、仲間が死んだ事と、かつての仲間が歯向かってきた事でアスランが酷く落胆していたのをシンは覚えている。
「…あの時?」
だがシンも仲間をなくした悲しみと、オーブが敵となった事、そして『フリーダム』が戦場を掻き乱した事への憤怒が渦巻いていて、当時の記憶は部分的に曖昧な所もあって。
自分以外が何をしていたのかよく覚えていなくて、シンはルナマリアを見つめながら聞き返した。
するとルナマリアはうん、と頷いて。
本題が近づいたからか彼女の表情が強ばっていくように見えた。
「丁度シンはレイと一緒に連合が廃棄した研究所の捜索任務を受けていたわよね?」
「ああ、うん…」
ルナマリアに云われ、シンの中で一人の少女の記憶が鮮明に甦る。
潜入した廃墟の中でレイが突如倒れ、一度艦に帰投した後にアスランと共に再調査に向かったのだ。

そうして、出会った少女。
悲しき運命を背負わされたステラ。

その後シンを襲った悲劇はルナマリアもよく知っている。
それをきっかけにシンとアスランの間で何かが狂い始めたのもルナマリアは気付いていたから。
「………あ、ごめん。思い出させちゃった、ね…」
そんなつもりはなかったのだけれど、と彼女が苦笑した。
丁度時期が重なる為に避けては通れない話題でもあって、ルナマリアはたじろぎつつも、しかし話すのを止めようとはしなかった。
シンも彼女の気遣いを悟り、いいよ、と先を促した。
今聞くべき事はアスランの事でもステラの事でもないからと。
「えぇと…。シンが潜入捜査に行く前にね、アスランが艦長に許可を貰ってミネルバを降りたんだけど…その時、私も艦を降りたの」
「…え?、ルナも一緒に?」
アスランが艦を一時的に離れていた事も知らなかったけれど、ルナマリアもだったとは知らなくて。
シンが驚いて尋ね返せば、しかしルナマリアは首を横に振って否定した。

「違うわよ。私はアスランに気付かれないように後をつけて『尾行』したのよ…」
「尾行?」
「…ええ。艦長に命じられたの…。極秘任務よ、って」
「そんな…。艦長が…?」

彼女の言葉にシンは驚きを隠せなかった。
何故艦長はルナマリアにアスランの監視を命じたのだろうか。
結果的に彼はミネルバを離れてしまったけれど、当時は仲間だった筈だ。
そうだと思っていた。
しかし艦長は当時からアスランを疑っていたとでもいうのだろうか。
部下であるルナマリアに尾行を命ずるなど、シンには到底信じられなくて。

「…嘘。だって…」
「うん、私もその時は凄く驚いたから、シンの気持ちもよく判るわ。でも、艦長が危惧していたのも無理はないと思う」
「………」
「アスランは、あの艦…AAの仲間達に会いに行ったんだもの…」
「………え!」

今度こそシンは激しく動揺した。

今、何と云った?。アスランが『誰』に会いにいったと?。

目を見開き、唇をわなわなと震わせるシンの顔色は一気に青くなっていって。
確かに当時アスランはかつての仲間と戦場で再会し、しかも敵対という最悪の形での再会に酷く落ち込んでいた。
だがまさか隠れるようにして会いに行っていたとは思わなかった。

そんな事、聞いていない。
俺は知らなかった。

その事実にシンは愕然とした。

「俺…知らなかった、そんなの………」
「うん。艦長以外誰にも話さずに行ったみたいだからね…シンが知らなかったのも無理はないわ」

ルナマリアが驚きを隠せないでいるシンを気遣って教えてくれたが、シンは彼女を見る事も出来ず、俯いて唇を噛み締めていた。

そんな大切な事を知らされていなかったのが悔しいのか、怪しまれると判っていて明らかに危険な行動をしてまでも会いに行ったアスランの心情を悟れなかったのか悲しいのか。

混乱が酷くて今のシンには判らなかったけれど。

「会って直接聞きたかったみたい…。何故戦場に現われたのか、どうして混乱させるような事をしたのか」
ルナマリアが立ち上がり、俯いたままのシンの肩に手を置いて慰めるように呟いた。
シンが動揺する気持ちがよく判った。
彼が居なくなってしまった今、聞かされるには余りにも辛過ぎるだろうから。
「その時の会話を私は…盗聴していたんだけど…」
彼女の言葉にシンの身体がぴくりと震えた。
仲間の行動を疑い、同僚に尾行させた上で盗聴までも。
しかし会話の相手はあのAAに乗り込む者達。
ルナマリアから伝えられる内容は次々とシンを混乱に叩き落としていく。

「…シン、聞いて?」

優しい声音がシンへと降り注ぎ、誘われるようにシンは怖ず怖ずと視線をルナマリアに向けた。
神妙な顔つきでルナマリアは云った。

「アスランが会いに行った場所に来たのは…」

ごくり、と息を飲んで言葉の続きを待つ。

「オーブ代表のカガリ・ユラ・アスハと、ラクス・クラインと…」

漸くラクスの名が出る。
プラントに居る筈のラクスが当然居る筈はないから、恐らくは『本物』を指しているのだろうか。

「あと…誰、が、居たの…?」

恐る恐る尋ねたシンの顔は、きっと悪夢を見た子供のように怯えていただろう。

「…キラ、って、アスランは呼んでいたから…多分あの『フリーダム』のパイロットだと思うわ…」



そして、ルナマリアの唇から発せられた名前に、シンは現実の悪夢を見せ付けられたような錯覚に陥った。
Category [ 時系列(No.08)【月ひとしずく】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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