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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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月ひとしずく 07 ( #43~45)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2006/01/12[ Thu ] 20:12
やがて三者の演説はオーブに舞い降りた歌姫『ラクス・クライン』のメッセージで終わりを告げた。
とうとうその姿を現した本当のラクスの存在と、議長に仕える『ラクス』。
二人の同じ存在に世界は混乱の渦に叩き落とされたようで。
今まで信じてきた、本物だと思われた、あの『ラクス』は、その彼女の言葉は、脆くも崩れ去るように霞んでいく。
どちらを信じれば良いのか、どちらが本当なのか、演説を聞いていたミネルバクルー達も戸惑い騒めいていた。
これまで与えられていた戦いに挑む為の信念を揺らがせる事態に、当然の如く動揺は広がり各々議論を繰り広げていて。
勿論シンも混乱に支配されている。

「どういう事だよ、なぁ…?」

幾ら考えても答えは見つからない。
どうしたらよいのか判らなくて、ふと隣に居るレイを縋るように見れば。
彼は演説が終わりブラックアウトしたモニター画面をぎっ、と睨んでいて。

「…レイ?」
「………いや、何でもない」

その表情の凄まじさに怯むシンに漸く気付いたのか、表情を緩めていつもの冷静な彼に戻るとクルリと身をひるがえしブリーフィングルームから立ち去ろうとする。
シンも慌ててその後を追えば、ルナマリアも彼らの行く先を追い掛けてきた。そうしてドア付近で急にレイは立ち止まり、後ろをついてきたシンに対して話し掛けてきて。

「…シン。お前はこれからどうするつもりだ?」

そう問い掛けてくる。
レイの質問の意味が判らなくてシンは首を傾げて。

「どう、って…何が?」
「判らないか?。…ジブリールは潜伏先のオーブを脱し宇宙へと上がった。そうだな?。ルナマリア」

シンを見つめ語るレイが急にシンの隣に居るルナマリアへと、その冷えた眼差しを向けた。ルナマリアが一瞬戸惑いながらも頷いた。

「ええ、そうだけど…?」
「ではこれから我々も準備が整い次第ジブリールを追って宇宙に上がるだろう」
「そうだな。まだ正式には命令は下されてないけど…」

レイの語る内容は当然の事ではあった。
今ザフト全軍が最優先すべきことはジブリールの身柄確保なのだ。
例え肉体だけでもいい。
脱け殻となっていても『彼』を捕えたという事実が欲しい。
それは判るのだが、先程までの演説を共に見ていたのならば普通会話はその事に触れる筈だ。
ましてやあのラクス・クラインが二人も現われたのだ。
余計気になる筈なのに。
何故レイはそれには触れず、急にジブリールの事を云いだしたのだろうか。
それが気になってシンは顔には出さなかったけれどレイに対し小さな疑念を抱いた。
シンの気持ちを悟ったのか、レイは二人を交互に見つめ更に言葉を繋げる。

「我々も宇宙にあがるんだ。ならば当然あの艦も来るだろうな」

その言葉にシンは、はっ、とした。
まさか。彼が今告げたあの艦とは勿論AAの事だ。
AAはオーブ側に近い立場であり、となればあちら側に居るラクス・クラインも宇宙に来るであろう。

「レイ、それじゃ…」
「ああ。俺達は同時に二つの標的を追う事になるかもしれない」

ルナマリアもシンと同じ艦を思い浮べたらしく、驚いた表情で彼を見つめている。
ちらりと彼女を見やり、シンは俯いた。
ぎゅ、と拳を握り締める。

それだけじゃない。AAとラクス・クラインが来るのだとしたら。
当然『彼』も。

『アスラン』も宇宙にあがる。

生きてあの機体に乗り込んでいたのだ。
彼ならば例え何があっても追い掛けて来るだろうから。

だが、まだシンはその事実をルナマリアには云えてなくて。
話すタイミングを見定められないままで。

レイが今云わんとする事が何なのか判ったような気がした。

「………レイ」
「何だ、シン」

急に俯き沈黙したシンが小さく呼び掛けてくる。
レイはシンの心を読むかのような眼差しを向けて答えた。
その射るような視線を感じてシンは更に拳を握り締める。

「…後は、俺から…話す、から…」
「…そうか。判った」

呻くようにシンが告げれば、レイはその揺れ動く心情を汲み取ってくれたのだろうか、後は何も云わずにいてくれて。
話が見えず不思議そうにシンとレイを交互に見つめていたルナマリアと未だ俯いたままのシンをその場に残し、ブリーフィングルームを去っていった。

「………ねぇ、何?。レイが云いたかった事、シンは判ってるのね?」
「………………あ、あ」

明らかに様子がおかしいシンを気遣いながらルナマリアが尋ねる。
しかしまだ何といって伝えればいいのか言葉が見つからなくて、シンは俯いたまま小さく頷くしか出来なかった。

「取り敢えず…私の部屋に行こうか?。此処じゃ話しにくいんじゃない?」
「…うん。ありがとう…ルナ」

戸惑っているとルナマリアがシンの肩をぽん、と軽く叩いてそう促してくれた。
心遣いが嬉しいけれど、しかし今は辛かった。

「いいわよ。私もシンに話したい事あるし、ね…」

それは先程の二人のラクスの事だと直ぐに判った。
漸く顔をあげたシンに、ルナマリアは、ふわり、と優しく微笑んだけれど。
彼女の眸も戸惑いに揺れて見える。恐らく自分も同じだろう。
互いが知る事実はどちらに対しても驚愕する事に違いはないのだ。
それを伝えねばならない不安と。
知らねばならない恐怖がひたひたと静かに迫り来るようで。
シンはルナマリアと共に彼女の私室へと歩きだした。

今、この戦争の裏側に隠された真実のひとつを知る時がきたのだと。
そう、覚悟を決めながら。
Category [ 時系列(No.08)【月ひとしずく】 ]
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