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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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TIGHTROPE (#30~31) 5
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/20[ Tue ] 00:03
「…ああ、そろそろレイが戻ってくるよ」
床にぺたりと座り込んだまま惚けているアスランに、シンが己の軍服を整えながらあっさりと言い放つ。
「…っ」
「早く戻らないと、見つかるんじゃない?」
彼の言葉にアスランの思考が急激にクリアになり、漸く現状を理解する。

まずい。本来ならば此処には居てはいけないのだ。早く立ち去らねばいけない。

しかしイカされ続けた身体は既に体力を失い、脚ががくがくと震えて思うように動かなかった。

「…っく、ぅ…」
それでも残された僅かの気力を掻き集めて、アスランは鉄格子を掴む。
「そうだ、戻る前にソコ、綺麗にしていってくれない?」
シンが睨んだまま指差した場所は、アスランが先程まで責められていた所で。零れてしまった、どちらのものか判らぬ唾液や精液の残液が点々と飛び散っていた。

つまりは自分で拭いていけ、という事だった。

悔しくて、でもシンの云うとおりにしなければばれてしまうのは明白で。しかし拭く物などなく、アスランは自らの上着の裾で床を拭いた。

惨めだった。もう、シンの顔を見る事も出来なかった。


ずる、と鉄格子に縋りながら立ち上がると、アスランは言葉もなくシンの居る牢に背を向けた。


「さよなら、アスラン」

シンの冷たい、声が突き刺さる。

でも何も云えず何も見ずに、アスランは震える脚を引きずるようにして、壁伝いに歩くと、薄暗い営倉から立ち去った。




一人残されたシンは彼がドアの向こうに消えるまでずっと、彼の後ろ姿を睨み付けていた。
その眸にはかつて愛しい者を見る眼差しは、今はなかった。あるのは、怒り、憎しみ。

悔しかった。
アスランが云った事は事実だと、シンも頭のどこかでは判っている。しかしそれでも納得できる程シンは狡い大人ではないし、この憤りは抑えつけられなかった。

確かに自分がした事は間違っているのかもしれない。でも弱り死に逝こうとするステラを放ってはおけなかった。

それでも。アスランならば判ってくれるのではないかと。自分の気持ちを理解してくれるのではないかと。
何故自分でもそう思うのか判らないけれど、信頼を寄せていた。

しかしアスランは違っていた。全く判ってくれなかった。
一方的に信頼し、そして裏切られた事は知っている。だがそれを理解できる程シンの心は安定していない。

だから、あの瞬間怒りが抑えられなかった。
愛情などかけらもなかった。
彼に対してしてしまった事への罪悪感も今はない。

あるのは怒りと憎しみと。

そして、哀しみ。



だから、さよなら、と云った。

自分の中で存在していた彼への羨望と恋慕に。
彼の姿をじっと見つめて。これが最後になるかもしれない、愛しいと感じていた、しかしこれからはそう思えないかもしれない、彼の姿を。
睨み付けるように、柘榴の眸に焼き付けて。

さよなら、と云った。


シンの幼い信望を、アスランは気付かずに裏切ったのだと。

薄暗闇の中で、シンは一筋の涙を零していた………。







あれからどうやって自室に戻ったのか、記憶が曖昧だった。

ぼろぼろの身体を引きずるように通路を進み、時折吐き気に襲われた事はうっすらと覚えている。
途中誰にも会わなかったのは幸運としか言い様がない。

痺れた指でパネルを操作しドアロックを開けて中に入った途端、急激な吐き気をもよおし、アスランはそれをなんとか抑えてシャワールームへと向かった。
バスタブにしがみつくようにして床に崩れ落ち、そのまま蹲って胃の中の物を吐き出した。

しかし以前シンに犯された時から殆どまともに食べていないアスランの胃には何もなく、吐き出せた物は先程の凌辱で飲まされた己の精液だけだった。
それを見て更に吐く。
全てを吐いて胃の中が空になった時には、深紅の軍服は胃液と精液で汚れきっていた。

ザフト兵の羨望の証である、赤服。
それを今己で汚している。しかも議長直々に選ばれたフェイスの証までつけた赤服を。

「………は、はは………」
もう、涙も枯れて出ない。
余りにも惨めだった。
本気で死にたいと、消えてしまいたいと、考える。
しかしそれすら出来ない自分が惨め過ぎた。

「はは………」

乾いた笑いが込み上げる。
汚れたままの姿で、アスランはよろ、と立ち上がり、シャワールームを出る。
そしてそのままで床に倒れこんだ。

今の自分には、受けとめてくれる床板ですら勿体ないと思えた。


『さよなら、アスラン』

シンの最後の言葉が不意に甦る。
無造作に投げ出された四肢。床に押しつけた頬がやけに冷たかった。

『さよなら、アスラン』

「………ああ、シン………」

ぽつりと呟くその眼は虚ろで。
完全に、闇を見つめていた。

既にもう、絶望すら、ない。
何も、ないんだ。自分には。



『さよなら、アスラン』

何度も繰り返される記憶。


「………ああ、シン………さよなら………」



アスランは意識が遠退きながらも、それだけを、呟いていた………。
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