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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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月ひとしずく 06 ( #43~45)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2006/01/07[ Sat ] 23:44
世界中に驚愕が広がっていく。
ザフトとの必死の攻防戦を繰り広げたオーブ代表首長であるカガリ・ユラ・アスハの会見を妨害する形で突如流された映像。
其処にはデュランダル議長が我が手に治めた歌姫『ラクス・クライン』の姿があって。
あの『ラクス』が強引な手段でメッセージを伝える様に目にしていた者全てが驚きの声をあげる。
詳しく語られていなくとも、かつて先の大戦時にはオーブのカガリ・ユラ・アスハとプラントのラクス・クラインは手を取り合い、共に信念の為に戦ったという事実は皆知っている。
しかし今。
かつての仲間と袂を分かつかのように『ラクス』が『カガリ』の妨害をし、彼女の会見に反論してきたのだ。
優しい歌姫らしからぬ行動に、かつての同志よりもデュランダル議長を正しいと言い切るメッセージに動揺は広がっていく。
いかなる手段で電波妨害をしたのか判らないが未だモニター画面はカガリを映さず『ラクス』が其処に居るだけで。

「…アスランさん、あれは………!?」
「………ああ、『ミーア』だ」
「…『ミーア』…」

メイリンが驚愕に満ちた顔で問い掛ければ、アスランは沈痛な面持ちでモニターに映る彼女の本当の名を呟いた。
以前軍を脱する際手助けしてくれた時はメイリンをここまで巻き込むと考えていなかったから、その名を口にはしなかった。
だがAAと合流した本当のラクスを見て、真実を知らなかった筈のメイリンも今ではどちらが『本物』か判っている。
だからアスランは躊躇う事無く『ミーア』だと告げたのだった。
モニター画面の彼女は『ラクス』らしからぬ鋭い眼差しをしていて。
議長を讃える言葉を吐きながらもその心の奥底では泣いているのかもしれない。
アスラン達を逃がしてくれた時彼女は己がどう利用され捨てられるか覚悟していると云っていた。きっと恐ろしいだろうに、モニターの向こう側で必死に『ラクス』を演じる姿は滑稽で、しかし何より強く美しく思えた。

そして、また画面が乱れだす。
ざぁ、と鳴りだした音声が突然クリアになった瞬間、モニターに映し出されていたのは、先程まで其処にいた『ラクス』とは違う衣裳を纏った『ラクス・クライン』だった。

それを目にしたアスランはごくり、と息を飲む。

とうとう、始まるのだ。

世界が全てを、隠されていた事実を、知る時が来たのだ。

知らず握り締めた拳が熱かった。



「………な、に、あれ…ッ!?」

シンが声を震わせた。
休息を過ごしていた時に始まったオーブ側の演説をシンはルナマリアやレイと共にブリーフィングルームに設置されている巨大なモニターで見つめていた。
勿論他のクルー達もその場に大勢いる。
突然画面が乱れ、プラントにいる『ラクス』が映し出された時もどよめきは起きたが、しかし直ぐに皆『ラクス』の言葉に引き込まれて。
彼女の言葉に心酔していた場の空気を引き裂くかのように再び画面が乱れ。
そして映されたのは違う『ラクス・クライン』だったのだ。
騒めきの中、シンは隣に立つレイを思わず見た。
レイはひどく驚いた表情を浮かべ、そして直ぐにいつもの冷静な顔に戻った。
だがアイスブルーの眸にはぎらついた怪しい光が宿っていた事にシンは気付く。

すると逆側から腕を引かれ、そちらを見やればルナマリアが顎でモニターを差した。
レイや他の者達がいるから声にはしなかったけれど。

あれが、本当のラクスだと。
真剣な眼差しが告げていた。

その意味を悟り、シンは弾かれたようにまたモニターを見つめれば、其処にはカガリ・ユラ・アスハの隣に佇む『ラクス・クライン』がいて。
前にルナマリアが告げた内容が本当だったと認めざるを得なかった。

「………どういう、事だよ、これは…っ」

そう呟いて拳を握り締める。
モニターの向こう側では『ラクス』が淡々と語っている。
争いを好まないのは議長率いるプラントやカガリが守るオーブ共に同じである事。
それらが戦う現実に胸を痛めている事。
事実を知らず、知ろうとはせず、命じられるがままにオーブを討つのは間違っている事。
それらを『ラクス』は語り続けていた。
『本当』の『ラクス』は議長には賛同出来ないとまで告げていて。
一層どよめきが沸き起こる。

「嘘だ…、何だよ…これ…っ」

シンも余計混乱していくだけで。
まるで今まで信じてきた信念を踏み潰されたかのような衝撃。

やがて会見が終わり、皆が騒つきながらその場を後にしても、シンは何も映さなくなったモニターを睨み付けるかのようにじっと見つめていた。



ダン、と。デュランダルの拳が机上に叩きつけられた。
ぎり、と噛み締めた唇はなわなと震えている。
先を越された演説を強引な方法で遮り、こちら側に有利になるようにミーアに語らせた。
でなければ国政に復帰したカガリの発言によって窮地に立たされるかもしれないと焦ったのだ。だがそれまで冷静に事を進めていたデュランダルが初めて見せた焦りが完全に裏目に出た。
まさか必死に捜索していたラクスが、宇宙にいるだろうと予測していた彼女がいつのまにか地上に舞い降り、そしてカガリと手を組んだと知らしめる為にあの場に現れメッセージを伝えるとは。全く考えもしなかった為に焦りは怒りとなり、冷静さを欠いたデュランダルが荒々しく机を叩いたのだった。

これでは圧倒的にこちらが不利になる。
折角の切り札のミーアも、これではもう使えない。

「………全く、何て事をしてくれるのかね…『ラクス・クライン』…」

呻くように呟き、そしてデュランダルは机上の端末を開き、部下に回線を繋いだ。

「…ラクス、いや、もう今更、か。ミーアを、こちらに…」

別室で会見を行なわせていた部下にそう呼び掛け、ミーアに来るように伝えると回線を一方的に切った。
机に肘をつき、重ねた手の甲に額を乗せて。

「また、一から策の練り直しだな…」

そう呟いたデュランダルの眸は恐ろしいまでに冷えきっていた。
Category [ 時系列(No.08)【月ひとしずく】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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