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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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月ひとしずく 04 ( #43~45)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/12/29[ Thu ] 23:40
「…え。…あ、あの…」
「………………キラ」

突然の訪問者達に、メイリンは戸惑いを隠せず、泣き腫らした赤い目で彼等を交互に見やる。
アスランは未だ痛む胸部の怪我を庇うように身を屈め、ベッドに座りながら視線をキラに向けた。
一瞬だけ、その視線が鋭く感じられたのは気のせいだろうか。
それを探る事を今は敢えてせずにキラはアスランに薄く微笑むと、その傍に佇む少女に声をかけた。
「アスランはね、どんなに辛くってもそれを他人には知られたくなくて強がるんだよ。だから大丈夫って聞くのはアスランには禁句なの。云えば悟られたくなくて余計無理するからさ」
「…そう、なんですか…?」
「うん、そうなんだ」
キラの告げる言葉に、不意に話し掛けられたメイリンはおどおどとした返事をして。
困り果てるメイリンに対しキラは、にこり、と笑い返す。

その笑みはとても優しげなのに。
初めて会った少年のあどけなさを残した青年に対し、戸惑いや恐れをうっすらと抱き、メイリンは思わず身構えてしまう。
それまではミネルバ側の視点で敵として捉えていたフリーダムのパイロットが、こんな若い青年だったから、余計恐れ戸惑うのかもしれない。
怯えるような表情をしたままのメイリンにキラは尚も笑みを深くし、安心感を抱かせようとした。

「………大丈夫だ、本当にもう…」
するとアスランがそう呟いた。
長い付き合いのキラだからこそ云える言葉なのだろうが、何となく小馬鹿にされたような気がして、アスランは立てた膝頭に肘をついた姿勢でキラを軽く睨み付けた。

「本当に?。まだ顔色悪いじゃない。アスラン、相変わらず意地っ張りだね」
「大丈夫だと、云っているだろ!。…っ、もう、平気、だから…っ」
「ふぅん。でも、ほら、苦しそうだけど?」
「………キラ。お前、そんな事を云いにきたのか…?」

少し声を荒げただけで痛む胸元を押さえるアスランを指摘するキラはいとも簡単に嘘を見抜いていく。
ぶつぶつと不満げに云うアスランの表情は拗ねた子供のようで。
隣でそれを見たメイリンはミネルバでの冷静な彼しか知らないから、初めて見せる年相当のアスランの態度に内心驚いていた。
「いや、そうじゃないけど…ね」
アスランを拗ねさせた張本人のキラは隣に立つラクスを見つめ、少し困ったように笑うと再び視線をアスランに戻した。
そして眸を細め、切なそうな眼差しでアスランを見つめて。

「………でも、本当に。良かった」
「え…?」
「君と、こうして又話せる時がきて」

キラの呟くような言葉にアスランは僅かに目を見開き、そして、ふい、と顔を背ける。

あからさまな態度だと判っている。

だが、今のキラの言葉を素直に受けとめる余裕はなかった。

「………………」

キラの視線から逃れるように壁に顔を向け、アスランは沈黙を守ったままで。
彼等の間に急に流れ出した険悪な雰囲気にメイリンは動揺しながら二人を交互に見やり、ラクスは困ったように微笑う。

「平和な時はいつでも話せるからって、特に深く考えたりしないけど…こういう時になって、初めて他愛もない会話が大切な時間だって判るから…」

ぽつり、ぽつりと語るキラの言葉は淡々としているように思えて、真実を言い当てていた。

今話しているから、明日も話せるとは限らない。
次の瞬間には二度と言葉を交わせなくなっているかもしれない。
世界を取り巻く現状は悲しいまでにキラの云う通り、信じている『永遠』など簡単に失われる流動的なものと化している。

だが、確かにそうだとしても。
アスランには頷けない。

まるで彼等の元を離れた自分を責められているように感じられて。
離れていたから話せなかった。
今手の届く場所に来たから話せるのだと、そう云われたようにしか思えなくて。
それに未だにまだ彼の選んだやり方を認められない。それはたぶんキラも同じだろう。
互いに同じ先を見つめているのに、進む道筋も方法も違っている。

それで想いを違えたのだ。
傍を離れたのだ。

だからまだキラの言葉を受けとめる事は簡単には出来なかった。
ひねた考えかもしれないが、キラの言葉を正面から受けとめられず、アスランは顔を背けたまま続く言葉を遮るかの如く言い捨てた。。

「………それで、何か、話があるのか…?」
「アスランさん…」

隣でメイリンが訝しみながら見つめているが、アスランは態度を変えなかった。
アスランのそんな態度をキラは何も咎めなかった。
今のアスランならきっと一度は敵対した自分の立場を考えて、素直に受けとめないだろうと思っていたからだった。
確かに嫌味に聞こえるかもしれない。
しかしそれは本音でもあったから。
本当にまたこうして話せると思っていなかったから。
だからキラは敢えて口にしたのだ。
アスランの態度にキラは苦笑を浮かべ、彼が居るベッドの横にある小さなモニターテレビの画面を指差して言葉を繋ぐ。

「…うん。テレビ、つけていいかな?」
「………?。どうして?」
「カガリが、ね。オーブに戻ったから…これから世界に向けて声明を発表するんだって」
「…カガリが?」

キラに云われ、アスランは自分の横の壁に埋め込むように設置されたモニター画面を見やる。
先の戦闘でカガリが亡き父ウズミが遺した新しいMSに乗りオーブの意志を示さんとばかりに戦場に現れ、そしてそれに同調したオーブ軍の者達と共に戦い再びオーブ指導者としての立場を強く誇示したのは、アスランも知っていた。
彼女の選び取った選択を、そしてこれから進むべき道を、世界に語るのだと。
オーブの長として語るのだと。

「一緒に、見よう?。アスラン」

迷い悩んだ彼女の決断を、共に見守ろうと。
キラはその為に此処に来たのだと、微笑みながらアスランに告げた。
Category [ 時系列(No.08)【月ひとしずく】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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