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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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太陽 03(#43)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/12/11[ Sun ] 23:10
それは、ほんの僅かの時間だった。

戦い合う機体の間に割り込み、砲撃を食い止め、やめろと叫ぶ。

たったそれだけなのに。

互いの顔をモニター越しに見つめ合いながら、シンもアスランも、ひどく長いことのように思えていた。



「争いをなくしたいと!。そう、誰よりも強く思うお前が!。何故今オーブを討つ!?」

アスランの叫びにも似た問い掛けがシンの心を揺さ振る。

何も云えない。云い返せない。
思考が完全に停止して、戦う気力も削がれて。
ただアスランの言葉に、声に、姿に、流されていく。

「争いをなくす為に戦争を仕掛けた『ロゴス』を討つ。確かにその理屈は判る!。だが何故向けた刄がオーブを討つんだ!?」
「…っ、な、に!?」
「オーブは『ロゴス』だといつ誰が決めた!。話を聞かないから討つのか!。従わないから討つのか!」

アスランの言葉は更にシンを追い詰める。

判っている。彼は自分を死んだと。
殺したんだと、ずっとそう思って。
しかし今自分は彼の前に現われた。
だから混乱して、動揺して。

今もモニターの向こうで苦しげな表情でアスランを見つめ返している。
時折何かを云おうとして、しかし声にならなくて。あがいて苦しんで。
泣きそうなカオまでして。
そんなシンを更に追い詰めていくだけだと判っている。

でも、だからこそ。
今でなければならないのだ。
シンがオーブを討つ前に。
後に後悔しない為に。
今、シンを、止める。

「それでは『侵略』と変わらない!。違うか、シンッ!!」

アスランの想いが、言葉となってシンに襲い掛かる。
投げ掛けられた言葉にシンは必死に首を振る。

「………っ、違、う………っ!」
「お前が願った事は逆らう者を力で捻じ伏せ、従わせる事なのか!」
「…っ、違、違う…っ!。違うーッ!」

シンがぶるぶると身体を震わせて叫ぶ。
シートに蹲るように、アスランから眼を逸らして。

違う。そんな事、望んでいない。誰かが誰かを支配する。そんな世界、望んでなんかいない。

望んだのは、平和な世界。笑って退屈で大切な時間を過ごす世界。

かつてオーブに居た時のような。

そうして、シンは、はっ、と気付く。

自分が守りたいと願ったもの。
それはオーブに居た時のような時間を取り戻すこと。
それはつまり、今でもこの国を、オーブを、大切なものとして認識し続けていた事実。

以前アスランに問われた言葉を不意に思い出す。

君は本当はオーブが好きだったんじゃないか?

あの時は無性に腹が立って否定したけれど。
でも本当は、心の深層で、好きだったと。
そう思い続けていたのだ。
ずっと、ずっと。

「お前が本当に欲しかったもの。それは何だ!?。思い出せ、シンっ!。お前は、何が欲しかったんだーッ!!」

アスランがモニターの向こうで叫ぶ。
何故か泣きそうな顔をして、必死にシンに向かって叫び続けて。

判ってくれ、と。

しかしシンには彼の言葉は重くのしかかるだけで。

「………ぁ、あ、あぁ………」
「………シン」

突然アスランの声音が変化した。
その異変に震えながらも顔を上げ、シンはアスランを見た。

「シン………頼む、思い出して、くれ………っ」

アスランは、泣いていた。

否、涙こそ流してはいなかったけれど。
泣いているように見えた。

「お前に、オーブを………討って、欲しくない………」
「ア、スラ、ン」

先程までの頭ごなしに叱るような口調ではなく、泣き縋るような、声音。
シンの中でどす黒く渦巻いていた何かが白く染まるような。

しかし。

刹那、二人の間に何かの声が割り込んできた。

「いい加減黙れ!。この、死にぞこないが!」

レイの声だった。

『ジャスティス』が加わってからアスランの心情を察したのか『フリーダム』が『レジェンド』を引き付けるように射撃し、彼等に話す時間を与えていたのだ。
だが急に防御から攻撃に転じた『フリーダム』を振り切って、『レジェンド』が空中で停滞していた二人の機体に急接近してきたのだった。

「シン!。惑わされるな!。俺達を、ザフトを、裏切った奴の言葉に惑わされるなーッ!」

レイの叫びがシンを揺らす。

『レジェンド』のビームライフルが『ジャスティス』を狙い撃ちする。咄嗟にそれをかわせば、『デスティニー』から引き離された。
しかし今度は『ジャスティス』が威嚇で撃ち返し、『フリーダム』までもが友を庇うように前に飛び出し、『レジェンド』に迫り来る。

「………っ、レイーッ!」

仲間の危機にシンが漸く我に返った。
急いでビームライフルを構えながらレイの元へ駆け付けようとした時。

「シンッ!」
「…っ、くそっ!」

『ジャスティス』が『デスティニー』の進路を塞ぐように前に躍り出た。
指をかけたトリガーは止める事もなく、『ジャスティス』に向けて発射された。
だが撃たれた事にモニターの向こうのアスランは動じていなかった。

覚悟は出来ている、と。
シンと戦う覚悟は出来ているのだ、と。
そう告げるかのように。

「何でっ、何でだよッ!」
「シンッ!?」
「何でそんな事今更…っ!」

シンが叫ぶ。

判ってる。
オーブを討つと決意したのは自分だ。
だから判っているつもりだった。
なのに何故今。

どんなに苦しんで決めたか知らないくせに。
信じたいと縋る想いをまた裏切られたのに。
まだ、あの時の、家族を失った時の光景が、消えないのに。

苦しんで、あがいて、そして身を裂かれるような思いで決断したのに。

またオーブが道を誤るというなら、今度こそそれを自らの手で正してやるのだと。
そう決めたのに。

なのに彼はそれを止める。
彼の言葉が判らない訳じゃない。
何を討とうとしているか判っている。
けれど、自分の想いを知っていて、何故。

オーブの民である自分がオーブを討とうとし、プラントの民である彼がオーブを守ろうとするのだろうか。

「オーブを討つな、シン!。お前が討っては駄目だ!」

またアスランが叫ぶ。

もう言葉は届かないのだろうか。
そんな絶望にも似た想いにかられながらも。

しかしそのアスランの叫びは、シンの心を熱くして。




一気に沸き上がる怒りの炎が、シンの眼を更に赤く染めた。
Category [ 時系列(No.07)【太陽】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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