1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
スポンサーサイト
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   --/--/--[ -- ] --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Category [ スポンサー広告 ]
太陽 05(#43)
TB[ - ]  CM[ 1 ]   Edit   2005/12/11[ Sun ] 23:07
「………ぅ、あ、あ………」

シンが小さく呻きながら顔をしかめた。

まるで今にも泣きだしそうな、カオ。

アスランもそれを辛い思いで見つめる。
視界が赤く染まっている気がしたが、まだアスランは額を流れる血に気付いていなかった。

「………シン?」

動きを止めた『デスティニー』を『ジャスティス』が悲しく見つめて。

アスランが優しい声音でシンを呼んだ。
ぴくん、とシンの身体が反応して。
呆然としていた眸に僅かに光が戻る。

「シン………」

また、呼んだ。

シンはモニター越しにアスランを見つめて。

生身ではない再会。
機体越しの再会。
こんな形でしか果たせなかった再会。

『敵』となってしまった、瞬間。

画面に映るアスランは、傷だらけな上に血まで流したひどい有様で。

でも、アスランは。

ふわ、と微笑って。

前と何も変わらない微笑みをシンに見せて。

ああ、好きだ。好きだったんだ。
彼が、アスランが。
大好き、だったんだ、と。
改めてその想いをシンに知らしめて。

「ア、ス、ラン………」

好き、だ。

たったそれだけの言葉が、云えなかった。
今となっては重すぎて、遠すぎて。

「シン」

アスランの唇が、静かに動いて。

開かれた緊急チャンネル。
誰に見られても、聞かれても、いいように、と。

声もなく、何かを、呟く。


「     」


「………………っ!」

シンが、眼を見開いた。

聞こえなくとも、言葉が、通じた。



そして。

青い空に、休戦を呼び掛ける信号弾が、打ち上がった。

「………ッ」

それに反応したアスランが息を飲むのが判る。つられてシンも現状を理解した。
戦闘はこれで終わりだと。

「…シン!」

『フリーダム』と戦っていた『レジェンド』が信号弾を合図に『デスティニー』へと近付き、撤退を促した。

「大丈夫か?」
「…あ、ああ」
「ならば戻るぞ」
短く言葉をかわし、シンはレイに促されるまま機体を旋回した。

「…っ、シンっ!」

アスランの声が、聞こえる。
まだ緊急チャンネルは開かれたまま。
モニターに彼の姿が映されたままだ。
しかしシンは眼を逸らし、損傷した機体を動かしてレイの後を追って飛び立った。

「シ、ンっ」

アスランの声が一瞬途切れる。

駄目だ。
まだ、話が、あるんだ。
云わなければならない事が、あるのに。

休戦を知らせる信号弾に安堵した所為か、一気に痛覚が蘇ってくる。
身体中が激しく痛みだす。
額を流れる血が、モニターに映るシンの姿を霞ませて。

「シ、…ン。お前、…メ、…リン…っ、殺…し、て…な…」

微かにシンが反応し、逸らしていた視線をアスランに向けた。

泣きだしそうなカオをしていて。

こんな呻く声では伝わらない。
はっきり云わなければならないのに。

モニターに映るアスランの姿を哀しげに見つめながら、シンは次第に遠ざかっていく。
それに追い縋るかのように、アスランはシートから身を乗り出してシンに叫ぼうとする。

「………ぐ、ぅ………っ!」

しかし、それは叶わない。

ズキン、と胸部の傷口がひどく痛んで。
パイロットスーツの中でぬるついた感触がした。
云えないままに、空の彼方に消えていくシンを赤く霞んだ視界でぼんやりと見つめながら。

「アスラン、アスラン!?」

モニターを通してキラの声が聞こえたような気がした。


「………………………シ、ン」

浅い吐息と共に、彼の人の名を呼んで。


かくん、と。


アスランは激痛に意識を引きずられるようにして。

追い掛けようと握り締めたレバーから手を離す事なく、シートに身体を沈めたまま、気を失った。



『ジャスティス』の手が握っていたビームサーベルが光を失った。
と同時に制御するパイロットの失神を表すかの如く、力を失い、空の中で、がくん、とバランスを崩した。
後ろに倒れこむかのように『ジャスティス』の機体が傾き、そして。

空から、墜ちる。

風を切るように落下していくも、体勢を整えようとしない『ジャスティス』をキラが追い掛ける。
「アスランっ、アスラン!」
何度呼び掛けても返事はなくて。
モニターも急にブラックアウトしたままだ。

完全に力を失った機体は巨大な鉄屑のように地上へと落下速度を早めていく。
キラは『フリーダム』のバーニアを全開にしてアスランに追い付き、海面に叩きつけられる寸前でその機体を抱き留める。
二機分の落下の衝撃をバーニアで中和させると、攻撃を避ける為に先程海の中に潜ませていたAAが海面に姿を現した。
そして『フリーダム』は『ジャスティス』を抱えたまま、帰投した。



アスランの記憶は、泣きそうな顔をした、少年の姿と。
青い空で眩しく輝く太陽だけが。
鮮明に焼き付いて、そして途切れた。
Category [ 時系列(No.07)【太陽】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
COMMENT
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2005/12/12 - Mon - 18:01      Edit






  
Web 拍手
少しでもお気に召して戴けたならぽちっと 押してあげて下さいw

Web拍手

気紛れでお礼SSを更新中。 お返事は日記の方で不定期にしてたりしてなかったり。 日記へはリンクコーナーからどうぞw。
カレンダー
最新記事以外のログはカレンダー日付からどうぞ。
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
サイトについて
当サイトはガンダムSEED DESTINYの二次創作小説サイトで、シンアスオンリーで活動中です。 女性向の同人的要素満載な上、性描写を思わせるSSも多数UPしております。 (もろそういうのは全てR18裏に隠しております) そういったものが苦手な方、及びシンアスに興味のない方は、閲覧つらいかと思われますので回れ右して下さいませ。 そして学校、会社等の公共施設での閲覧もご遠慮下さい。

現在仮オープン中ですが、いずれ正式に開設予定。 しかしこれからオフ生活が繁忙期に突入な為、 年内の開設はけっこうきつい今日この頃。
ブログ検索
メール
管理人へのご連絡はこちらから。シンアス同志少ないのでいただけると泣いて喜びます。 ご意見ご感想、好きなシンアスシチュ等何でもOKですのでお気軽にどうぞ。

メールフォーム

お返事は余程の事がない限り必ずしております。 シンアスシチュが管理人のツボにはまったら書く可能性大w。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。