1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
スポンサーサイト
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   --/--/--[ -- ] --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Category [ スポンサー広告 ]
千の夜とひとつの朝 10 (#40~42)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/12/08[ Thu ] 22:56
やがておぼつかない足取りで漸く辿り着いたブリッジに姿を現わすと、その場に居た誰もが驚愕した表情をしてみせた。
当然だろう。
動けない筈の、瀕死の重傷を負ったアスランが、共に担ぎ込まれたザフトの少女、メイリンに支えられてまでもブリッジにやってきたのだから。

「アスラン!。貴方、大丈夫なの!?」

入り口に一番近い席についていたミリアリアが声をあげた。
勿論他のクルーの視線も一斉に向けられる。

「大丈夫、だ…。それより、マリュー艦長」

気遣いを見せるミリアリアに一瞬だけ微笑うと、アスランは直ぐに視線をブリッジ中央に居るAAの長であるマリューに告げる。

「どうか俺にも、何か手伝わせて戴けませんか!」
「でも、アスラン君、あなた…。そんな身体じゃ、無理だわ…?」

マリューが心配そうに言い返す。

アスランは未だ青白い顔をしていて、しかも少女に支えられていないと自立できない身体なのだ。
今この場に居ないキラがもし此処にいたら、無茶をする彼を怒っていたかもしれない。
しかしアスランは断固として首を縦に振らない。
「大丈夫です。CICに座る位、俺にだって出来ます!」
そう、はっきりと言い切ったアスランは、今も苦しげな息を吐いているのに、眼差しは燃え盛るように熱く。意志の固さを皆に告げていた。

包帯の巻かれた身体でも、何かしたいのだ、と。

「お願いします…ッ!」

そうして頭を下げだしたアスランに周囲は溜息をつき、マリューは困惑した表情を浮かべながら答えを下した。
「…判ったわ。貴方がそこまで云うのなら…。でも、無理はしないでね?」
やはりこんな時まで優しく気遣うのはマリューの人間性だろうか。
不意に医務室に一人残されたあの男を思い出した。
「ありがとうございます。しかし…医務室にあの人を一人置き去りにしてしまったのですが…」
詳しい事は判らないけれど、記憶が違えているらしい男を置いてきた事を詫びると、マリューが一瞬だけ表情を曇らせた。
「いいの。気にしないで…?」
そう云われ、アスランは再び頭を下げ、ブリッジ最下層にあるCIC席につくべく、脚を動かした。



ゆっくりと進み、身体に響かぬよう静かに腰掛けると、アスランは深く息を吐いた。
そして支えてきてくれ、今も隣に立つメイリンを見上げ、優しい声音で話し掛けた。

「メイリン。君はこの艦から降りた方がいい」
「え?。アスランさん?」
「これからオーブを守る為、AAは戦闘配置につく。それがどういう事か、判るだろう…?」

そう、悲しそうに告げたアスランの言葉の意味を、メイリンは直ぐに悟った。

つまり、敵だったオーブを守る為に、自国の軍、ザフトと戦わねばならないのだと。

戦闘に加わらなくとも、その凄惨な現状を、オーブ側から見なければならないのだと。

アスランはそう伝えたのだ。

一瞬だけ眼を見開くも、メイリンは真摯な表情でアスランを見つめ返した。

「厭、です。…私は、降りません」
「メイリン!?」

アスランが驚いた声を上げた。

「判っています。この艦が、何処と戦うか…。でも!。今はこの艦から離れたくはありません!」

メイリンはきっぱりと言い切った。

「今のザフトは、もう…何をしたいのか、私には判らないんです。戦争を止めたいと云いながら、結局敵対する者を攻撃している。今のザフトが、正しいとは…思えないから…」

「………メイリン」

「それにこの艦の人達は敵である私に優しくしてくれた。だから私、何が正しいのか、間違っているのか、ちゃんと見極めたいんです!」

メイリンの言葉は上層部のマリュー達にも艦内無線で聞こえていて。

皆、敵軍の少女の決断を黙って聞いていた。

「………判った、メイリン」
「アスランさん!」
「結局、俺は君を修羅に巻き込んで後ろを振り返る事すら出来なくしてしまったな………」

しかしアスランはメイリンの決意を哀しげに聞いていて。
うなだれながら何度目か判らない謝罪を口にした。

「気にしないで下さい。アスランさんのお陰で判ったんですから。これからは命令じゃなく、自分で考えて決めなきゃ駄目なんだって」

アスランを慰めようとメイリンは笑って告げた。



そうして、とうとう。
ザフトとオーブの戦闘が今。
始まろうとしていた。

シンが自ら志願し、オーブと戦うと決めた事を知ったタリアが驚愕する。
既に機体に乗り込み待機している彼を回線で呼び出すも、返事は返ってこなかった。

返ってきたのは、レイの言葉だった。

シンと同じように機体に乗り込んだレイが、タリアに告げた。

『艦長、今はシンをそっとしておいて下さい』

「ならば尚更、シンを止めなければいけないでしょう!。判っていて何故貴方は…ッ!」

シンが不安を抱えたままだと暗に指摘したレイにタリアは声を荒げた。

判っていながら何故止めなかったのだと。

しかしレイはあっさりと言い返す。

『シンとて、フェイス。自らの信念の元、考え、動き、ザフトの為に戦う者の証です。その立場になった今、自分自身で決め、そして動くというならば、私にも艦長、貴方にも止める権利はないでしょう』

「………レイ、あなた」

タリアは正直この瞬間、レイを不安定なシンを戦場に送り出した彼を恐ろしいと感じながらも、しかし心の何処かで哀れだとも感じた。
彼が議長であるあの男に異常なまでの忠誠を誓っているのは知っていたけれど。
仲間である者までも巻き込み、それでも尚議長の為に尽くすレイを、可哀相な子供だと。

愛を知らない子が彼に父性を求めているようで。

タリアはそれ以上何も云わず回線を切った。



そして発進許可がオーブ領海間近に配置していたザフト全軍に下された。

勿論、シンも。
戦え、と。
オーブを、討ってくるのだ、と。
命を下される。



そして、広い空と海の境界線を、『デスティニー』が飛び立っていった。
Category [ 時系列(No.06)【千の夜とひとつの朝】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
COMMENT






  
Web 拍手
少しでもお気に召して戴けたならぽちっと 押してあげて下さいw

Web拍手

気紛れでお礼SSを更新中。 お返事は日記の方で不定期にしてたりしてなかったり。 日記へはリンクコーナーからどうぞw。
カレンダー
最新記事以外のログはカレンダー日付からどうぞ。
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
サイトについて
当サイトはガンダムSEED DESTINYの二次創作小説サイトで、シンアスオンリーで活動中です。 女性向の同人的要素満載な上、性描写を思わせるSSも多数UPしております。 (もろそういうのは全てR18裏に隠しております) そういったものが苦手な方、及びシンアスに興味のない方は、閲覧つらいかと思われますので回れ右して下さいませ。 そして学校、会社等の公共施設での閲覧もご遠慮下さい。

現在仮オープン中ですが、いずれ正式に開設予定。 しかしこれからオフ生活が繁忙期に突入な為、 年内の開設はけっこうきつい今日この頃。
ブログ検索
メール
管理人へのご連絡はこちらから。シンアス同志少ないのでいただけると泣いて喜びます。 ご意見ご感想、好きなシンアスシチュ等何でもOKですのでお気軽にどうぞ。

メールフォーム

お返事は余程の事がない限り必ずしております。 シンアスシチュが管理人のツボにはまったら書く可能性大w。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。