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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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千の夜とひとつの朝 07 (#40~42)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/12/06[ Tue ] 23:48
その時。不意に。

「おい」

と。開け放たれたカーテンの向こう、隣に並べられたベッドに居る男が声を掛けた。

「…あ、はい」
思ってもみなかった呼び掛けにアスランは男に視線を向けて答えた。
メイリンがベッドから起き上がる事すらできないアスランを気遣い、視界の邪魔にならぬよう、そっと身体をずらす。
すると普段は互いを気にせぬように閉められたカーテンが開いていて、その先にあるベッドの上に男があぐらをかいて座り、アスラン達をじっと見つめていた。手錠で戒められた手を脚の間に無造作に投げ出し、屈むような姿勢で俯き加減に、じろり、と見つめている。

「…お前達、ザフトに居たのか…?」

そう、男は低く呟いた。
一瞬アスランに対し、鋭い視線を向けて。

ぴり、と張り詰めたような、男が放つその気迫に、アスランは首だけを横に向けた状態で彼を見返す。
「…それ、が何か…?」
アスランは男の顔を凝視しながら答えるも、何故か違和感を感じていて。
ぼんやりとした思考でかつて初めて会った時より今まで、殆ど関わった事も少ないけれど彼に関する記憶を掘り起こした。
「確かに…俺は、ザフトに、戻りましたが…」
復隊したのは事実ではあるけれど、何故それを今聞かれるのだろうか。
しかし先程声を掛けられてからずっと、違和感は拭えなくて。

「…そうか。じゃあ、もしかして………ミネルバに、居た、とかじゃないよな…?」

そう云いながらも男の眼光は鋭さを増していく。

以前はこんな風に相手を見返したりするような人間だったろうか。
こんな、憎しみを相手にぶつけるかのような。

「…それが、どうかしましたか?」
アスランはわざとはぐらかすように答えてみる。
何となく男の、自分に対する視線が気になってしようがなかった。
メイリンはずっと不安げにアスランの傍に寄って黙ったままだ。
「…いや、俺にはあの艦とは、ちょっと色々あって、な…」
「え…?、それはどういう…」
「いや、気にしないでくれ」
思わず聞き返せば、男はその言葉を遮るように告げ、今度こそ笑った。
アスランも良く知る、大人の立ち振る舞いを感じさせながらも、何処か無邪気そうな、笑顔。
それまで張り詰めていた空気が一気に和らぎ、アスランはそれを見て何故か安堵する。

ああ、やはり、変わっていない。
さっきは何処か別人のように感じたりもしたけれど。
この人は、昔のままだ、と。
『フラガ少佐』は以前のままだった、と。

そうしてアスランは安堵感に流されるように呟いた。

「…フラガ少佐…」

しかし、その名を呟いた途端、男の笑みは強ばった。

「………何、お前まで、俺をそう呼ぶんだ?」

「………え!?」

アスランは驚きを隠せなかった。

何を、云っている?。
だって、貴方は。

そう、心で繰り返し、過去の記憶を手繰り寄せる。

「お前も、他の連中と同じように、俺を知ってるって?」

そういえば、何故この人は、こんな所に居るのだろう。
手錠で拘束され、まるで監禁されているかのような。

本当なら、此処ではなく、艦長と共に居て、そして、MSに乗って。
戦って、AAを守って。

「俺は『大佐』。地球軍所属、ネオ・ロアノーク大佐だ!」

そう、だ。

この人は、今、居る筈はないのだ。
この人は、MSに乗り込み、AAを守って。

死んだのだ。

アスランが漸く記憶を現在に手繰り寄せたのと、男が今の名を語ったのは、ほぼ同時だった。

「………あ、じゃあ、貴方、は………」

動揺に声が微かに震えた。

馬鹿らしさを感じる程、自分はこの艦に担ぎ込まれて以降ずっと頭が回りきっていなかったらしい。
常に襲う激痛と、そして様々な事に対する心痛で、正直そこまで考える余裕もなかったのだが。

「だから、俺は地球軍所属のネオ…」
「…っ、ネオ!?」

今度はアスランが男の言葉を遮った。

その名は聞いた事がある。
一度覚醒した記憶は連鎖反応するかの如く様々な過去も思い起こさせて。
確か、ミネルバに収容されたエクステンデッドの少女がうなされながら呟いていた筈だ。

では、この男がそうだと?。
この、どう見ても、フラガによく似た男が、あの艦に居た、という事なのか?。

ひとつ気付けば、疑念は一気に膨らんでいき、アスランは大きく目を見開いた。

「まさか、あの艦に、貴方は居たのですか!?」
「………やっぱり、お前達、ミネルバに居たんだな………」
「………………」

互いに、確信してしまう。

何度か刄を交えた『敵』が、今目の前に居るのだと、確信してしまった。
どうする、この身体では、もし今襲われても抵抗出来やしない。更にはこの場にいるメイリンを庇う事もできない。
横たわる身体を緊張で強ばらせながら最悪の事態を回避しようと思考を巡らせているアスランに、しかしネオと名乗った男は一瞬だけ鋭い眼をしただけで直ぐにそれを和らげた。
「………そんな、緊張するなよ。今更どうこうしようとは思ってないし、それに今、俺は『捕虜』だからな」
そう云いながら困ったように微笑い、かせられた手錠をアスランに見えるよう掲げてみせた。
そうしていると本当にフラガのままなのだけれど。
やはり違うのだろうか。
アスランは緊張を解きながら彼を見つめる。

「それに…ミネルバには、小さい借りもあったしな…」
「え?」

戦い続け、憎しみは抱いて当然だろうが、借りとはどういう事なのか。
アスランだけでなくメイリンも思わず声を洩らした。

「いや、インパルスの坊主に、な………」

その言葉に、アスランは心を大きく揺れ動かした。

今、なんと、云った。
インパルスの、パイロットの事を。
それは、つまり、シンの事。

「………シン?」
アスランの動揺に気付かないメイリンが、ついパイロット名を口にした。
「そうか、あの坊主。シンと云う名なのか………」
シンの名を知り、ネオは顔を俯かせ、視線を己の足元に落とした。

「………貴方は、インパルスの、パイロットに………会った事が、あるの、ですか………?」

動揺に震える声を振り絞りながら、アスランがネオに尋ねれば、彼はそれをあっさりと認めた。

「…ああ。一度だけ…な…」

ネオの回答に、アスランはひとつの事を考えていた。

まさか、あの時、シンに遭遇しながらも、殺さなかった男。
それが、目の前に居る彼、なのだろうか。



確かめなければ、とアスランは騒めく心を必死に落ち着かせた。
Category [ 時系列(No.06)【千の夜とひとつの朝】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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