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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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千の夜とひとつの朝 05 (#40~42)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/12/03[ Sat ] 23:37
足音を響かせ近づいてくる金の髪の少年。
僅かでも機密をばらしたルナマリアは当然の如く、シンですら近寄る彼に警戒し身構えてしまう。

「…そんな所で何をしているんだ?」

シンとルナマリアに気付いたレイが声を掛けてきた。
「いや、何でもないんだ。ただちょっと俺が当たり散らしてたから…ルナが、諫めてくれてたんだ」
「そうなのよ、シンったら壁まで殴り始めるんだもん!」
我ながら下手な言い訳だと思うけれど、しかしそれも真実のひとつだから。
シンはレイにそう告げる。
「…そうか」
レイは予想通りそれ以上追求する事もなく、立ち竦む二人の横を通り過ぎようとする。
「あ、レイ。部屋に戻るんだろ?。俺も一緒に行くよ!」
「ああ」
シンが慌ててレイの後を追い掛けていく。

ちらり、とその場に残されたルナマリアに視線を向けて。

後で、話を聞くから、と。
眼だけで意志を伝えて。

シンはレイと共に歩きだした。

立ち去っていく姿を、ルナマリアは静かに見つめていた。

話して良かったのか判らない。
けれど、シンにも知っていて欲しい。

きっと『あの時』の彼らの会話に、アスランの脱走の真実があるのかもしれないから、と。
ルナマリアは自分にそう言い聞かせ、シン達とは違う方向へと歩きだした。



やがてシンはレイと共に自室へと辿り着いた。
特に何を話す訳でもなかったが、それでも共に寝泊りするのだ。
会話がなくとも傍に居るのは不思議な事ではなかった。
室内へ入り、シンは自分のベッドへと腰掛けた。
レイはデスクに向かい、パソコンを立ち上げている。

一瞬シンの中に動揺が広がった。

あの中には、彼から、アスランから、届いていたメールがあった。
しかし同室のレイの目に触れる前に消し去ったから、未だに感付かれてはいない筈だ。
友達なのに、同僚なのに、彼を騙す結果に、シンは俯いて心の中でごめん、と謝罪した。

「…シン」
不意にレイが呼んだ。

「…え、な、何?」
思わず声が上擦る。

「この艦は…間もなくオーブへと向かう事になる。…そして、戦闘に…なるだろう」

レイが、動揺する事なく淡々と語りだした。

「一応ヘブンズベース戦の時のようにあちら側にも『要求』はする。だが、きっとそれは飲まれる事はないだろう」

「何で!」

レイの言葉にシンは勢い良く立ち上がり、彼に詰め寄った。
上から見下ろして言葉の続きを待てば、彼は態度を崩さずに落ち着いた声音で告げた。

「今オーブはセイラン家の手中にあると聞く。カガリ・ユラ・アスハは『フリーダム』に連れ去られて以来行方不明、となっているからな」

それは形式上、とはシンも判っている。実際はAAと行動を共にしているとも知っている。

「そして…セイラン家も、『ロゴス』のメンバーだからな。…確実に要求は受け入れず…戦闘になるだろう」

「そんな…っ、レイ!」

シンは声を荒げるも、レイの告げる事は間違ってはいなかった。

動揺するシンの様子を見て、レイが問う。

「………シン。お前に、オーブを、討てるか?」

先程のルナマリアと同じ事を尋ねられた。

だが明らかに彼女とは違う思いで、レイはシンにそれを確認している。
それが判るからシンは返答に一瞬躊躇った。
「………俺、俺は………」
「無理をするな。出来ないなら、出来ないと云ってもいいんだ」
「レイ………」
躊躇いがちに伏せられた視線をレイに向ければ、彼の胸元に光る『フェイス』の証が見えて。

シンの胸元にもある、同じ証。

その時シンは漸くレイが『フェイス』として、自分に出撃する覚悟があるのか、と意志を確認しているのだと気付く。

「出来ないならば、俺がオーブを討つ事になるが…いいか?」

それは至極当然の事実だった。

勿論ミネルバも出撃命令が下されるだろう。そうなればパイロットは当然MSで出なければならない。
この時パイロットには拒否権などないのだ。
例え母国でも、故郷でも、討たねばならない。
軍とはそういう場所なのだ。
だがレイは今シンに出撃の覚悟はあるか、と尋ねている。
それは故郷を討たねばならないシンを思いやっての事か、もしくは命令に逆らってかつてこの艦に居た先任の『フェイス』のように軍を捨てるか。
その選択を遠回しに迫っているのだろう。

「レイ…。俺は………」

「シン、無理するな。幾らお前でも、またあの国を焼くのは厭だろう」

その言葉にシンは眼を見開いた。

今でも鮮明に思い出せる、あの記憶。

硝煙と爆音に支配されたのどかな風景。
晴れ渡る空の下、ばらばらに飛び散った家族の肉体。

辛い辛い記憶。

「もしお前が躊躇い、討てないと決めたとしても、俺は責めない。艦長にもそう進言するつもりだ」

レイはどうやら本当にシンを思いやってくれていたらしい。
だが過去の凄惨な記憶に思考を奪われたシンには、レイの思いやりを気付く余裕など既になかった。
するとレイが立ち上がり、茫然としているシンの肩に触れた。

びくん、とシンが身体を震わせる。

「どうする………シン」

レイの言葉が、思考を突き動かす。

もう、あんな光景は見たくない。
けれど、今。
あの国は、過ちを犯そうとしている。
戦争を、終わらせまい、とする『ロゴス』を、匿っている。
ならば。

不意にシンがぎら、と眸を鈍く輝かせて。
真正面からレイを見つめ返す。

「………大丈夫、だ。レイ………」

唸るように呟かれた言葉。

「誰かが、あの国を…オーブを…討つ位なら…」

そして今。
シンは覚悟を、決めた。



「俺が、オーブを、討つ!」



はっきりと、レイに、己自身に、そう言い切った。


心に眠る未だ癒えない傷となった記憶を揺り動かされ、巧みに決断を促されたと。

シンはレイの本心に気付く事なく。



最大の過ちを、決断したのだった。
Category [ 時系列(No.06)【千の夜とひとつの朝】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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