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千の夜とひとつの朝 02 (#40~42)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/29[ Tue ] 23:39
翌日、シンは軍上層部から出頭命令を受けた。

これまでの功績を讃える為、艦長のタリア、そしてレイ、ルナマリアと共にジブラルダル基地のある一室に招かれる事となったのだ。

足を踏み入れた其処は多くの軍人が居た。皆、地位ある軍人や、上司にあたる艦長クラスの者達であり、彼等に囲まれるように、デュランダル議長がその中心に居る。
中に招き入れられたシン達がドアの付近で敬礼すると、軍人の一人が近づいてきてシン達に告げた。
日頃の功績を讃える為に此処に来てもらったのだ、と。
議長自ら誉め讃える為に、と。

それは軍人として栄えある事。
素晴らしく名誉な事。

だがシンの表情は何処かぎこちない。
周囲はそれを緊張による物だと捉えたようだったが、実際は違っていたのだと、誰も気付かないでいた。

「………により、シン・アスカにネビュラ勲章を授与する」
「本当に、おめでとう。シン」

深紅の軍服に留められた勲章。
シンにとって、二つ目になる勲章。

名を呼ばれ、前に進み出たシンの胸元に議長自ら留め付ける。
きらり、と輝く証は、かつて、アスランも手にした物だと聞いた事がある。
先の大戦時に『ストライク』を撃破した戦闘を讃え授与した筈だ。
それを今、シンも手に入れた。

『親友』を討ち、勲章を授かった男。
その彼を、『恋人』を、討ち倒し、同じ勲章を貰ったシン。

なんて皮肉な結末なのだろうか、と。
シンは己の胸元に輝く金の勲章を只ぼんやりと見つめていた。
今この場に呼び出されたタリア艦長やレイ、ルナマリアも各々勲章を受け取っている。
本当なら、皆と共に喜ぶべきだ。軍人ならば、そうである筈だ。
しかし、どうしても素直には喜べない自分が、今も居て。

複雑な想いを抱いていると、議長が突然立ち竦んでいるシンの肩を、ぽん、と叩いた。

「…シン?、どうしたんだね?」
「………あ、いえ。何でも、ありません。ありがとうございました。今後もご期待に添えるよう、頑張ります!」

不思議そうに目の前に立つ議長に問われ、シンは慌てて頭の中を占領していた感情を掻き消し、プラントの長である議長に敬礼する。

この人に期待されている。
それはとても喜ばしいし、誇りでもある。
そう思う気持ちに嘘偽りはない。

だから、シンは期待に答えようと、精一杯の感謝を込めての敬礼をしたのだ。
議長が、ふ、と微笑い、シンの敬礼に頷いて答えると、視線をシンから後ろに待機しているレイへと向けた。
「…それから、レイ・ザ・バレル、もう一度前へ」
「………、はっ!」
議長に促され、レイが敬礼するとシンの隣に立つ。
それを見届けて、議長が二人に小さな箱を差し出した。

「これは私から君達に対しての、感謝の証だ」

す、と差し出された、小さな箱にはシンプルな装飾が施され、中に敷き詰められた深紅の布に包まれるかのように納められた物があった。

「………っ、議長!」

箱の中の物を見たシンが思わず声を上げるも、隣に立つレイはまるで判っていたかのように、全く動揺を見せない。

「シン・アスカ、そして、レイ・ザ・バレル。両名を今この時より『フェイス』と認め、その証である徽章を授ける」

議長が神妙な声音で二人に告げた。

彼からもたらされた小さな箱に納められていた物。

それは『フェイス』の証である徽章。

かつて『アスラン・ザラ』が掲げていた物。

それを今、議長は二人に与えると。

突然渡されたそれに、シンは驚愕し、勿論何も聞かされていなかったタリアやルナマリアも驚きを隠せなかった。

「議長!、これは…っ」
「何だい?。不服なのかな、シンは?」
「いえ、そんな!。そうではありませんが…」

差し出された徽章を受け取れずにシンが議長を凝視していると、彼は僅かに困ったような笑顔を返す。
シンは慌てて議長の言葉を否定しながら首を振り、そして戸惑いながらも手を伸ばして徽章を受け取る。
レイは既にそれを手の中に納めていた。

「君達は本当によく頑張ってくれているし、これから熾烈を極めるであろう戦極で、私は君達の力なくば乗り切れない、とも思っている」
「…議長」
「光栄に思います、議長」
議長の言葉に未だ動揺したままのシンを尻目に、レイは素直に感謝の気持ちを述べる。

「必要とされている。その事を誇りとし、今後もどうか我等同胞の為に『力』を間違わずに使って欲しい」

間違わず。
その言葉に、シンの眸が刹那揺れたが、議長は気付かないふりをした。

そう、誰よりも強い『力』を持っていたのに、裏切った彼のように。
与えた『力』を間違った方へと使った彼のように。

お前は、なるな、と。

議長は言葉の裏にそんな意味を込めていたのだ。

「はっ、議長の為に、そして我が『プラント』の為に僅かながら尽力致します!」
レイの宣言が力強い声音で発せられると、議長は満足した表情を浮かべ、視線をシンへと向けて。
「…っ、俺、あ、いえ、私も微力ながら頑張ります!」
議長の視線に促されるようにシンも彼に誓った。

手の中の『フェイス』の証が、やけに重々しく感じられた。

自ら手を伸ばし受け取ってしまった以上、もう、逃げられない、と。

議長に逆らうつもりもないし、今も彼を信じ心酔すらしているが、しかし。


迷いを捨てなければならない、と。
目の前の現実から逃げてはならない、と。




光り輝く『フェイス』の徽章が告げているようだった。
Category [ 時系列(No.06)【千の夜とひとつの朝】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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