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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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千の夜とひとつの朝 01 (#40~42)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/26[ Sat ] 22:42
夢を見る。
辛くて、辛くて。
ひどい悪夢を見る。

お前が、殺した。
彼を、殺した。

お前は、その罪を背負い、生きていけ、と。
もう一人の自分が、突き付ける。

彼を愛している『シン・アスカ』が、戦い、血に塗れた『シン・アスカ』に。

『アスラン・ザラ』を殺したのは、お前だ、と。
涙を流しながら、指差し泣き叫ぶ。

聞きたくない、と耳を塞いでも、責める声は止む事なく。

いつのまにか手にしていたナイフを握り締め、泣き叫ぶ自分の胸元めがけてそれを突き立てる。

だが。

「………シ、ン………」

胸を貫かれたのは、アスラン。

驚愕に眼を見開けば、彼は、ごぼ、と沢山の血を吐いて。
赤い唇から、ごぼごぼ、と血を吐き続けて。
シンを、どす黒い血に塗れさせて。

「…ぁ…い、し…て………」

そう呟いて、『アスラン・ザラ』は息絶える。

シンの目の前で。シンの手によって。

何度も、何度も。
繰り返し、シンはアスランを、殺す。

そんな、悪夢を、見続ける。



「…ン。シン…!」

誰かが呼ぶ声。シンを呼ぶ声。

「………ッ!」

揺れていた意識を急激に呼び起こされ、シンは身体をびくん、と跳ね起こした。
「………ぁ、あ………っ。」
未だ此処が『現実』か『夢の続き』か判別できないシンが、己を覗き込む人物の顔を見つめ、漸く正気を取り戻した。
「…レ、イ…?」
悪夢から呼び覚ましたのはレイだった。
彼が居るという事は、今自分が何処に居るのか、誰と居るのか、その『現実』に意識がやっと追い付いて。
「…大丈夫か?。うなされていたが…」
「………ぁ、うん、平、気…」
「そうか」
まだ身体の震えは止まらない。
がくがくと震える身体を自らの手で抱き締めながら、シンは辺りを見回した。
此処は『ミネルバ』で。自分は今レイと同じ部屋に居て。
己のベッドに横たわり、眠っていた筈だ。
しかし手にはまだナイフの感触と、肉を裂く感触がはっきりと残っていて。
がくり、と力を失うかの如く、シンは起こした身体を蹲らせて、ベッドの上でかたかたと震え続けた。
何かに怯えうなされる様子のシンに気付いたレイが心配して自分のベッドから起き、覗き込みながらシンを目覚めさせてくれたのだった。

「…レイ、ごめん。ありがと…」
あれ以来、殆ど毎晩のようにうなされる。
その度に同室のレイが起こしてくれて。
シンは身体を丸めながらぽつりと謝罪を口にした。
「…気にするな」
ぽん、とうなだれるシンの頭を優しく撫で、レイはそのまま自分のベッドへと戻っていく。

「………彼等、の事、か?」
不意にレイが呟いた。
ベッドに横たわり、毛布をかけて。
シンに背中を向けるように寝転がったレイが、シンに問い掛ける。
アスラン、と、メイリン。
レイが云う彼等は、その二人の事。
名を出さなかったのは優しさか、それとも。

刹那シンの肩が、びく、と揺れて。
柘榴の眼が泣きだしそうに揺れた。

「………俺、…俺…っ」
「彼等は『敵』だ。裏切り者を、俺達は討ったんだ」
呻くシンの言葉を遮るようにレイがひどく落ち着いた声音で言い切る。
弾かれたようにシンは彼を見たが、背中を向けたレイの表情は判らなくて。
何故か、レイが、恐ろしく感じて。
「判ってる…判ってる、けど…!」
素直にそれを認められない自分を、シンは自覚している。
愛しい人を、仲間を、仲間の肉親を、自分は討ったのだ。
例え裏切ったのだとしても、信じていた分感情は抑えきれない。
思わずレイに向かって声を荒げれば、やはり冷静に言い返される。
「お前がうなされ、悩んでいた『悪夢』は、それ、か…?」
「………レイ」
「…シン。お前は…優しすぎるんだ。それだと…戦うには辛すぎるぞ…?」
「………」
レイの言葉に何も言い返せない。
こんな、心を痛めていれば、戦う度に辛い思いをする。
向いていない、と云われたようなすらした。
「………俺が、代わりに討てば良かったな」
レイが、ぽつり、と云う。
「それなら、お前が苦しむ事もなかったかもしれない」
「…レイ。お前…」
「………だが、シン。忘れるな。『敵』を討つ度に迷い悩めば、いつか自分が討たれるぞ?。…迷いは、弱さになる…それでは…何も、守れない」
「レイ…ッ!」
それきり、レイは何も云わなかった。
眠りについたのか、背中を向けたままでは判らなかったが、しかしレイの言葉はシンの心に深く突き刺さる。

守りたい。大切なものを守りたい。

だから、選んだ道だ。
戦う、と自ら選んだ道だ。

いつか、こんな日がくる、と判っていた筈だ。
知る人を、いつか討つ日がくる、と。
なのに、それが現実となり、思い知らされた。
判っていた、つもりで、判っていなかった。

しかしそれでも。

守りたい気持ちは変わらない。
『世界』を、『平和』を。守りたい。

覚悟をしていたのに、その為なら自らの手が血に塗れても、と、覚悟していたのに。

守りたいものを、守りたい人を、失った今。

自分は何を守りたかったのだろう、と。
シンは膝の上に置いた自分の手を見つめる。

心配してくれたレイの言葉を心の中で何度も繰り返し。
彼の云う事は理解できる。
彼なりの励ましだとも判る。
でもまだ心が泣いているから。
シンは彼に、レイに、はっきりと断言できなくて。




夜を、独り、過ごす。

何を守りたいのか、何を失いたくないのか。
未だ光の見えない闇を、迷いに囚われたままで。

シンは、独りきりで夜を過ごし、朝が訪れるのを待っていた。
Category [ 時系列(No.06)【千の夜とひとつの朝】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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