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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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侵食 23 (#38~39)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/24[ Thu ] 00:11
そうして、アスランは全てを語る。
カガリと共に出向いたアーモリーワンでMS奪取の混乱に巻き込まれ、偶然ながらも乗り込んだミネルバで出会った、黒髪の少年。
それが、『シン・アスカ』。アスランの、愛した少年、だと。
ミネルバから下りオーブに帰った際束の間の再会を果たした時にはまだ互いに想いを抱いておらず、だからキラには彼の事は語らなかったのだと。
やがてオーブを離れザフトに戻るという修羅の道を再び選び、乗り込んだミネルバでシンと共に過ごして。
最初は反発され手のかかる存在だった彼がいつのまにか気になりだし。
彼に告白され、そして自分も彼を選んだ事。
キラやカガリと袂を分かつ形になった時、かつての仲間と今の仲間が剣を交え戦う現実に、心を痛めた事。
そして、シンが、自分の中に渦巻く怒りや憎しみにあらがえず、負の感情に飲み込まれ、アスランをひどく抱いた事。
己の事に必死で思い悩むシンを受けとめ切れず苦しめてしまった事。

アスランはキラに語る。

伏せた目蓋を時折震わせ、涙を拭う事すらせずに。
吐き出される吐息が、胸部の激痛により荒々しくなり、もうこれ以上の会話は無理だと身体は伝えるも、アスランは言葉を続ける。
今話さなければ駄目だと。
苦しみ喘ぎながらアスランはキラに話す。

ただ一つ。シンが暴走したきっかけ、だけは。
そのきっかけ、でもあるキラには、まだ今は話せなくて。
自分自身心の整理がつかないのに、話せない。話せる訳などない。

「………そ、う…。アスラン…本当に、好き…だったんだね?」
「…っ、そう…だ。俺は…彼を………シン、を………っ」
アスランの告白にキラは半ば呆然としながら聞いていた。
それは当然だろう、とアスランは内心考える。
親友が、同性と心を通わせ、身体まで繋げたなど、一体どこの誰ならば受け入れられるだろう。
自分がキラの立場でも、きっと動揺するに違いないから。
背徳の関係だと判っている。
種の存続に逆らう行為だとも理解している。
それでも、想いは止められない。
例え今、キラに詰られても、アスランはシンを想う気持ちは壊せない、と。

「でも、どうして…そんな、好きなら…ひどい事、されたの…?」

突然キラが核心を突く。

アスランは言葉に詰まって、一瞬見開かれた涙に濡れた眼をキラから逸らした。
その反応に、キラが悟る。

「………もしかして、その子、あの『インパルス』のパイロット…?」

キラの言葉に、アスランはびく、と肩を震わせ。思わず起き上がろうとするが胸部の痛みに呻き声をあげる。

「…だから、彼は、荒れて、君に…?」

キラにも判る事だった。
ミネルバからすれば己の存在は、『フリーダム』は、憎悪の対象でもおかしくはなかろう。
それが『インパルス』のパイロットならば尚更だ。
何度か戦い、そして『フリーダム』を撃墜された。
ぶつかる毎に感じた憎悪は確かに自分に向けられたもの。
アスランを愛し、そして蹂躙したというなら、彼が『インパルス』のパイロットならば、全ての事が一致する。

「………じゃあ、アスラン。君は辛かった、でしょう?」
「………キ、ラ」
「君の好きな人が、僕を撃墜して………。それに、僕は、君を」

そこで一瞬キラは言葉を切って。

何を云おうとしているのか悟り、それ以上云うな、と動揺するアスランを見つめ返して。

「僕は、君を、撃墜したから」

かつて『親友』で、しかし本気で『殺し合い』までして。
それでも互いを許し、和解して同じ道を選んだ二人。

アスランはキラの意志を否定し決別を選び。
キラはアスランの意志を否定し撃墜した。

再びすれ違った『事実』を、キラは避ける事なく真正面からぶつけてきた。
AAに運び込まれ、ろくに話せる状態ではなかったから必然的に避けてきた事をキラは今告げる。
それを受けたアスランが表情をなくして。ただキラの眼を、見つめ返して。

恐らく全ては、それ、が原因だろう。
あの頃から『インパルス』の戦闘の仕方が変化を見せ、時にはキラすら恐怖を感じる程の気迫を背負い戦っていたのだ。
ザフト、地球軍どちらの陣営も様子を伺い監視してきたから、殆どの戦闘を見てきて、かつての自分を見るような感覚に陥った覚えがある。
ならばキラが思う通り、シン、が変わり始めたのは恐らくその頃ではないだろうか。
そう考えて問い掛けた言葉は、アスランの反応で当たっていた、と確信できた。
しかし。それでも。

「………うん、判った。君が、彼を、好きなのも。そして…どんなにひどい事されても、今でも、好き…って事も…。判ったよ。でも、アスラン」

「………っ、キラ」

「でも………僕は、あの時、君を撃ち落とした事、今でも間違ってない、と思ってる。例えそれが原因で君達の関係がおかしくなったとしても、僕は…自分を信じて戦った。だから…それ、は謝罪しない」

「………………」

はっきり、とキラは目を背ける事なく、言い切った。
望まぬ戦いだったけれど、己の信念の為に戦った、と。間違っていない、と。

キラの言葉を受けたアスランもまた、表情を固く強ばらせて。

「………ああ。お前に落とされた事は、責めるつもりはないし、それが元であいつと…こじれた事も、俺達の問題だ。お前…には、関係、ない」

苦しげな息と共に強く言い切る。

「確かに、俺は…道を間違えた。でも、あの時…ミネルバで、感じた事までは…否定したく、ない…」

「………うん。アスラン。そう、だね」

アスランの言葉にキラは頷いてみせる。

オーブはキラの故郷。
プラントはアスランの故郷。
それを守りたい、と願った想いは、互いに同じだ。
平和を願う意志も同じ。
ただ守りたいものが、違ったから。

再びすれ違っても、それは互いに認め合った。

「………だから、アスラン。もう一度、考えよう。どちらも守りたいものがあるなら………どうしたらどちらも失う事なく、争いを止められるのか、考えよう………」

キラが口調をそれまでの燐としたものから、普段の優しいものへと変えて呟く。
確かに、キラの云う事も判る。願いは同じなのだ。
それは、キラだけでなく、シンも同じ。
皆、同じ願いを持つのに、ぶつかり合う。
キラの言葉に、まだアスランは頷く事ができなかった。

キラの、カガリの願い。そしてシンの願い、自分の願い。
まだ、全てを叶えるすべをアスランは知らなくて。

頷けなかった。
Category [ 時系列(No.05)【侵食】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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