1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
スポンサーサイト
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   --/--/--[ -- ] --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Category [ スポンサー広告 ]
侵食 24 (#38~39)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/24[ Thu ] 00:08
その時だった。

不意に訪れた沈黙が、隣のベッドから流れてくるモニターの音声を捉える。

『繰り返します。先程、プラント最高評議会はロゴス主要メンバーであるジブリール氏を隠匿したとして、オーブ政府に氏の身柄引き渡しを要求。それと同時に軍事機能の一切の停止と放棄も要求しました!。制限時間内に要求が受け入れられない場合は止むを得ず武力行使もありうる、との事です!』

キャスターの動揺を隠し切れない、戸惑った叫びに、キラもアスランも愕然とした。

「………っ、オーブ、が!」
「な、ぜ………っ。議長、こんな…ッ!」

キラはある程度覚悟をしていたけれど、アスランは先日のヘブンズベース戦を知らない為にひどく動揺をしていた。

つまり、ミネルバも、出撃する。
シンが、オーブを、討つ。
故郷を、自ら討つのだ。

アスランは憎悪に満ちたシンの表情を思い出して戦慄を感じおののいた。

「駄目、だ…っ。オーブを、射ったら、駄目だ…ッ」
「…アスラン!。ちょっと、駄目だよ!。アスラン!」
途端に上半身を無理矢理起こし始めたアスランをキラは慌てて制するが、アスランはその手を振り払い。

「…っ、ぐあ、ぁ…ッ!」

全身に走る激痛に叫びすらあげて尚、傷ついた身体を起こそうとあがいた。
肘をつき横向きに捻った身体が、ぐら、と傾いて。

どさり、と。
アスランの身体がベッドからずり落ちて床に身体を叩きつけられた。

「ぅ、アァァ………ッ!。ぁ、あ…ぐ、う…」

「アスラン!。大丈夫!?。駄目だよ、まだ動いたらいけない!」
床に蹲り、呻くアスランをキラが抱き起こそうとしたが、それでもアスランは必死に手を伸ばして。何かを掴もうとするかの如く、腕を伸ばし、ずるり、と床を這い始めた。
落下音に気付いた、隣の男がしめられたカーテンをあけ、現状を知り驚いている。
「おい、何やってるんだ、お前!」
しかしアスランは答えない。
痛めた左腕は動かせず、右腕だけで床を掴み這いずり回る。
脚も怪我を負い、まだ満足に立てない身体で、アスランはずるずると前に進もうとして。
「アスラン!」
「…ぅ、ぐ…ぁ…っ」
「駄目だよ!。傷が開くから!」
キラがアスランの身体を上から押さえ込んで。
「すいません、直ぐマリューさんに連絡を取ってもらえますか?。あとナースコールも!」
「え、あ、ああ」
突然の申し出に焦りを見せたが、男はさすがにまずいと感じたのか、モニター横のパネルを『慣れた手つき』で操作し、ブリッジを呼び出した。
「おい、隣の奴がじたばた暴れだしてるんだけど!。煩いからどうにかしてくれよ」
そんなふざけた口調でアスランの行動を報告した。モニターに映ったマリューが驚愕しながらも。
『…判ったわ!。今直ぐ医療スタッフを向かわせます。…でも、艦内無線の扱い方は…覚えて、たのね………』
哀しげな表情を浮かべて一方的に切られる。
マリューの言葉と、身体が何故か知っていた無線コードに、男は愕然とした。

キラはそれに気を配る余裕はなくて。
傷ついた身体で暴れるアスランを抑えるのに必死だった。
こんな身体の何処にそんな気力が残されていたのか。
アスランの執念めいた気迫に身じろぎそうになる。

「…っ、俺は…行くんだ…っ!。行かなければ、あいつは…っ。行かせろ、俺を…行かせてくれ…ッ!」

胸部の痛みに呻きながらも、キラに身体を押さえ込まれても、尚も手を伸ばして先へ進もうとするアスランに、キラは動揺しながらも。

こんな身体で、誰を、恐らく彼を、止めようとするのか。
アスランの想いの深さに、抗う意志の強さに、キラは何故か、哀れだと。
そう、感じて。

「………君は、何処に、行くの?。彼を、置いてきた君が…ザフトを捨てた君が…。行ってどうするの…?」

「………っ、キラ………!」

事実を無残にも突き付けられる。

「今の君には………守る力も、その為の機体も、ないでしょう?」

その機体を壊したのは自分だけれど。
でも、そう云わなければ、アスランは。
命すら捨ててしまう。
きっと、彼の為に。
だから告げた。
君には行くべき処はない、と。

キラが哀しく告げると、アスランは翡翠の眼を見開いて。

がくん、と。床に崩れ落ち、こうべをたらして。
意識を手放した。

急に弛緩する身体を、キラはそっと抱き起こし、ベッドへと寝かせる。

「………っ、け………」
「え?。アスラン?」

今意識を失ったばかりのアスランが何かを呻く。
キラが耳を寄せて擦れた声音を鼓膜に拾う。

「………キ、ラ、行け………っ。行って、シ、ンを………と、め、て………」

そう、確かに、呟いて。
今度こそアスランは沈黙した。

彼の言葉を聞いたキラは決意する。
迷ってはいけない。
自分も、守る力を、機体をなくしたけれど。
でも、すべがない訳じゃない。
アスランもこの傷尽き果てた身体で想いを貫こうとしたのだ。
ならば自分もまよってはならない。
アスランから託された想いを、今は引き継ごう。
今、二人の想いは、同じだ。

「………うん、アスラン。判ったよ!」

気絶したアスランにそう誓って。
駆け付けた医療スタッフに後を任せて。

キラは駆け出した。

今この艦で唯一機体を持つカガリの元へ。
そして。
恐らく力を、新しい機体を、極秘に造り出している、ラクスの元へ。

キラは一心不乱に走り続けた。
Category [ 時系列(No.05)【侵食】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
COMMENT






  
Web 拍手
少しでもお気に召して戴けたならぽちっと 押してあげて下さいw

Web拍手

気紛れでお礼SSを更新中。 お返事は日記の方で不定期にしてたりしてなかったり。 日記へはリンクコーナーからどうぞw。
カレンダー
最新記事以外のログはカレンダー日付からどうぞ。
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
サイトについて
当サイトはガンダムSEED DESTINYの二次創作小説サイトで、シンアスオンリーで活動中です。 女性向の同人的要素満載な上、性描写を思わせるSSも多数UPしております。 (もろそういうのは全てR18裏に隠しております) そういったものが苦手な方、及びシンアスに興味のない方は、閲覧つらいかと思われますので回れ右して下さいませ。 そして学校、会社等の公共施設での閲覧もご遠慮下さい。

現在仮オープン中ですが、いずれ正式に開設予定。 しかしこれからオフ生活が繁忙期に突入な為、 年内の開設はけっこうきつい今日この頃。
ブログ検索
メール
管理人へのご連絡はこちらから。シンアス同志少ないのでいただけると泣いて喜びます。 ご意見ご感想、好きなシンアスシチュ等何でもOKですのでお気軽にどうぞ。

メールフォーム

お返事は余程の事がない限り必ずしております。 シンアスシチュが管理人のツボにはまったら書く可能性大w。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。