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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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侵食 21 (#38~39)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/21[ Mon ] 22:53
「………やっぱり、思った通り、なんだね………」
アスランの反応を、己の中に沸き起こった疑問の答えだとキラは悟る。
しかしアスランは何も答えない。只沈黙したままキラを睨む。

「…君は、あのデータを…危険を侵してまで…僕達に託して………」
そこで漸くキラの眸に感情が戻っていく。
わざと感情を押し殺して問い掛けていたのだ。でなければきっと喚き散らしてアスランを問い詰め、責めたかもしれなかった。
だからキラは己の気持ちを殺し『機械』の如くアスランを詰問したのだった。

「………アスラン。君は…あのデータにあった…デュランダル議長の企みを…止めようとしてたんだね?。」

そこで一旦言葉を区切り、深呼吸をしながらキラは最後まで言い切った。

「そして、差し違えてでも…議長を止めるつもりだった…違う?」

アスランは更に眼光を鋭くして。キラを、ぎっ、と睨み付けた。

初めて『親友』に向けられた、本気の眼差し。
しかしキラは怯みもせずに。

「………否定、しないんだね」

悲しそうに、ぽつり、と告げた。

「…何故、判った」

睨んだまま、低い声音でアスランが問い返す。
「うん、判るよ。だってあのデータを見たら…。僕がアスランだったら同じ事をしていた、かもしれないから…」
つまりそれは、キラならば、違う行動を起こす、と。
そういう事を示してもいた。
「…どうして?。何で君がそこまで…するの?」
キラは判っていて、それでもアスランに尋ねる。

一時的でもあのデュランダルを信じ、付き従ったアスランならば、それが間違いだったと知れば絶対に己の選択を恨むだろう。
と同時に、間違った選択を選ぼうとしている世界を、未来を、それ以上進まぬように自ら犠牲となってでも阻止するだろう。

アスランは、そういう人間なのだ。

かつて彼の父がそうだったように。
アスランは罪を犯した父を許せず、それに従った自分をも許せず、己が罪を償う為にも犠牲となり命果ててでも世界を救おうとしたのだ。
あの時はカガリがアスランを生ある世界に引き止めてくれた。

しかし今また同じ事を繰り返さんとしている彼を、引き止められるのは『誰』なのだろうか。

キラはそれが自分ではない、と何故かそう思った。

もう、二人は、かつてそうだったように、共に歩めないのだ、と。

「………話しても、お前には判って貰えないさ…」

アスランが眼光をゆるめ、ふい、と顔を逸らして呟いた。
キラが今思っていた、二人の間に生まれた溝を、アスランもまた感じていた。

あの時岸壁で対面し、意見をぶつけ合い決別した時から付きまとっていた予感が、今現実となったのだ。
互いに道を選び、離れた今。
アスランが選んだものは間違っていたけれど。それに気付いた今もまた間違った道を歩もうとしているのかもしれないけれど。
もう以前のように、同じものを見て、感じ、歩む事は出来ないだろう。
例え見つめる先の未来は同じでも、その道程は違うのだと。

「…うん。そうだね。アスラン」

キラが小さく頷いた。

「でも、君は…生きなきゃ、駄目なんだよ?」
「………キラ」
「………もう誰も悲しませたくない、と思うなら…。アスラン。君は生きなきゃ駄目だ。君を失ったら悲しむ人はたくさんいるんだから…」

その言葉に、顔を背けたままのアスランの眸が切なさに揺れ動いた。
記憶の中に居る『誰か』を想いだす。

そっ、とキラの指が、自ら切り裂きひどく傷ついたアスランの左腕に触れた。
厚く巻かれた包帯の下に隠された、自傷された其処を、優しく撫でる。
「…君は本当に、自分の身体を大切にしなさ過ぎる。もっと、大事にして…アスラン」
キラに触れられた傷が、何故か熱く疼くようで。
アスランは目蓋を閉じた。
「何だって、こんな…ひどい事…」
自ら腕を切り裂くなど、キラには信じがたくて。
とても痛かっただろう、辛かっただろう傷を見つめる。
「…仕方ないだろう。そうしなければ…お前達には渡せなかった」
ザフトから逃れながら機密を隠し持つなど、そう簡単にはいかなかったから。
だから自傷してまでも持ち出す事を選んだのだとアスランは告げる。
しかしキラは静かな声音でそれを責めた。
「馬鹿。やり過ぎだよ、これは。…只でさえ、君は怪我ばかりするんだから…」
「………すまない」
本心からアスランを気遣っているキラに申し訳なくなり、アスランはぽつり、と謝罪を口にして。背けたままだった顔をキラに向けた。

そして二人の眸が、視線が、交わった時。

「………ねえ、アスラン。聞きたい事があるんだけど………」

キラが、また、感情を押し殺した眼で。

「その、傷。………下半身の、傷、は…誰に、つけられたの?」

言いにくそうに、だがしっかりとした声音で。

「…アスラン。ミネルバで、何をされたの?」

核心をつくかのように、問い掛けた。
Category [ 時系列(No.05)【侵食】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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