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侵食 22 (#38~39)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/21[ Mon ] 22:51
一瞬、何を尋ねられたのか判らなかった。
キラは、何を、聞いているのだろうか、と。

しかし本能で詰問の意味を悟り、アスランは横たえた身体を硬直させた。

「………キ、ラ…」

紡がれた言葉は、動揺でひどく擦れていて。
それが、キラに己が思っていた通りだった、と悟らせる。

「アスラン?。君は…ミネルバで、何を、されたの?。何で…あんな、怪我を…?」
はっきりと言葉にしないのは、キラなりの優しさなのだろうか。
だがそれでもアスランにもたらした衝撃は大きかった。

「…キラ、お前………っ」
「うん。知ってる。君がどんな傷を負っているのか、全部知ってる」

まだAAに担ぎ込まれたばかりで意識がないまま緊急手術を受ける事となったアスランの容体を、キラは全て医療スタッフから報告を受けたのだと。
その時に、脱走し撃墜された時に負ったとは信じがたい傷がアスランの身体にあった、と。
キラは当の本人に告げた。
アスランの顔が強ばっていくのが判る。

知られた。
キラに、知られてしまった。

そればかりがアスランの頭を駆け巡る。

知られたくなかった。
キラにだけは、知られたくなかったのに。

だが、瀕死の状態の自分を治療すれば厭でも気付かれるし、それは誰もが不審に思う筈だ。
そして報告するのも医師として当然の事をしたのだと、理解は出来る。

でも、キラにだけは、知ってほしくなかった。

かつての『親友』が、同じ『男』に犯され傷ついた身体だという事を。

知られてしまった。

「………この事は、カガリは勿論、マリューさんも他の皆も知らない。僕だけが医療スタッフから聞かされたんだ」

例えそうだとしても。
一番知られたくなかった者に知られた事実は変わらない。

感情を隠した眸で見つめてくるキラに、アスランはひどく怯え始める。
先程までの鋭かった眼光も意志の強さも、完全になりを潜めてしまっていて。
こんな、びくついたアスランを見るのは初めてだと。
そう思いながらもキラは非情に問い詰める。

今でなければ聞けないから、と。
自分が聞かなければならないから、と。

キラは尚も言葉を繋ぐ。

「…アスラン。君は、あのミネルバで、誰かに…犯された。………そう、なんだね?」

それ、はアスランにとって死刑宣告のようで。

薄く開かれた唇が、わなわなと震えだした。

「どうして、そんな…。君なら、相手を簡単に捻伏せられるでしょう?」

キラにはそれが判らなかった。
アスランが犯された、という事実も衝撃を受けたが、だが彼がそれを甘んじて受け入れるなど信じがたくて。
誰よりも自尊心が高くて、誰よりも清廉で。
例え誰かと身体を繋げたとしても、彼の清らかさは汚れないと。
心の何処かでそう思っていたのかもしれない。
「…相手が誰か、だなんて僕には判らないし、関係ない。…でも、ね。アスラン」
怯え震えだすアスランを哀れむような眼差しでキラは見つめて。
それまで押さえ込んでいた感情が一気に爆発した。

「君を犯した相手を、僕は…許さない」

今度はキラの本気の眼差しを、アスランが見つめる番となる。
許さない、と告げたキラの眸には確かに『憎悪』かあった。
それを感じ取ったアスランは漸く我を取り戻して。
未だ傷口が塞がっていない左腕を何とか動かして。
見えない相手を、アスランを犯した『男』を怒るキラの腕に縋りついた。

「…っ、キ、ラ…っ」

震えた声で、アスランが必死にキラを呼ぶ。
吐く息が荒々しいのは胸の傷の痛みだけではなかった。

「…っ、違、違う…っ。キラ、キラ…違うんだ…っ」
「何が違うの?。だってあの傷は…っ!」
「…そう、じゃない。違うんだ、キラ…っ!」

縋るアスランの手を強く握り返せば、彼の震えが伝わってくる。
ひどく動揺しながらも何かを伝えようとするアスランに、キラは眉をしかめて口を閉ざした。

「…っ、確かに、俺は…っ。ミネルバで…ある『男』に、犯された…っ」

アスランが真実を告白しながら翡翠の眸を揺らめかせて。

「でも、それは…っ。俺が、望んだ、事…なんだ」

アスランの言葉に、今度はキラが激しく動揺した。

「………え、ア、スラン?」
「…本当、なんだ…っ。好きで、愛していて、そして…っ。俺も、あいつも、望んだ事、なんだ…っ!」

そこまで告げて、急にアスランがひどく咳き込み、ひゅう、と喉を鳴らした。
胸の傷が激痛を呼び起こし、アスランは軽い呼吸困難に陥るも、それでも必死にキラに告げる。
「確かに…あいつは、艦を抜ける前、…俺を、ひどく…抱いた…っ。でも…っ!」
途切れ途切れに紡がれる言葉はキラの胸を締め付ける。

アスランは『嘘』を云っていないと。
『嘘』をつくのが誰よりも下手な彼が、こんな状態で自分を騙せる訳がないと。

「…っ、愛、して…るんだ、俺は、あいつ、を…っ!」

そして。

アスランの翡翠の眸から、一筋の涙が、零れ落ちた。

自分でも知らぬ間に、アスランは泣いて。

キラの前で、泣いて。
シンを想って、泣いて。

全てを、キラに、告げたのだった。
Category [ 時系列(No.05)【侵食】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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