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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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侵食 9 (#38~39)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/11[ Fri ] 23:37
プラントの長たる者、デュランダルによって地球軍の中枢である基地『ヘブンズベース』進攻を命じられ、ミネルバは他艦隊と合流するべく凍る海原へと辿り着いた。
既にあちら側には『ロゴス』メンバーの引き渡しと武装解除を『要求』として提示している。
しかしその『要求』を例え受け入れようが受け入れまいが、どちらにせよ海を埋め尽くす艦隊を陣取らせた現状が生み出す結末は変わらないだろう。
血を流すか流さないか、それだけの違いで『ヘブンズベース』をデュランダルの支配下に置く結末だけは変わらない。
それをこの作戦に賛同している者達は気付いていないのか、血気盛んに戦いの準備を進めていた。
それはミネルバ内部でも同じで、極一部を除いて皆慌ただしく各々の作業を進めていた。

まるで、過日の脱走など、なかったかのように。

皆、心痛める暇すらなく、目の前に迫る日々変わりゆく情勢に掻き回されていた。

「やはり、戦いは避けられぬ…かな。タリア艦長」

デュランダルが告げた。
真正面に立つタリアは答えない。

この進攻の軍司令部は最新艦のミネルバに配置され、議長自ら指揮をとる為に乗艦していたのだった。
艦長室の椅子に座り、この部屋の元の主人であるタリアに尋ねれば、タリアは表情を殺した眸で彼を見つめ、しかし何も云わない。
デュランダルも彼女の態度を予測していたのか、それとも始めから返答を求めていなかったのか、そのまま言葉を続けた。
「戦わなくて済むなら、これ以上ない良案なのだがね…」
その声は諦めを含んだ言い回しに聞こえて、だがタリアにはその言葉に隠された何かを探るかの如く眼を一瞬細めた。

彼が今、何を云おうと、彼女には正しくは聞こえてこない。
かつて愛した男の言葉は、歪んで聞こえていた。



「………シン、此処に居たの…?」

不意に背後から名を呼ばれてシンが振り返ると、いつのまにかルナマリアが傍に居た。

過日の出撃以来さほど時間は経過しておらず、シンはまだあの時の悪夢に囚われたままだった。

どうしても拭えない。
彼を、撃った衝撃。
彼の、流した血流。
そして、己の、慟哭。

それらがシンにまとわりついて消えない。
艦長に一通りの報告を済ませ、その足でかつて住人が居た、今は誰も存在しなくなった部屋へ向かい、改めてシンは彼が居なくなった事を実感せざるをえなくて。
以来殆ど自室にすら戻らず、彼が居た部屋へふらりとやってくる事が多くなっていたのだった。
あと数時間で出撃だという今もシンは其処に居て、ルナマリアは思った通りの場所でシンを見つけたのだった。
「………ルナ」
シンがぼんやりとした目付きでルナマリアを見つめた。
がらんとなった室内に残された、今はシーツすらひかれていないベッドサイドにシンは蹲るように腰掛けていて、ルナマリアはその目の前に立ち止まると、明かりも付けられていない薄暗い室内をぐるりと見回した。

「………何も、なくなっちゃった、わね………」

ぽつり、と呟かれたルナマリアの言葉に一瞬だけシンは反応したが、直ぐにまた無気力な状態に戻る。

室内は、始めから誰も、何も、なかったかの如く、痕跡を残していなかった。

アスラン・ザラ、が此処に居た、痕跡。

脱走の報を受け、シンによって撃墜されたあと、保安部の人間によってアスランの部屋は直ぐ様封鎖され隅々まで捜索されたのだった。
しかしどんなに室内を荒らすように捜し回っても何も今回の事に関する証拠は残っていなかったらしい。
アスランが逃亡する前に処分し、破壊していたと後から聞かされた。
アスランが不正アクセスによって侵入したデータバンク等には痕跡はあっても、それと符号させるアスラン側の証拠となるべき物は一切なかったらしい。
それでもアスランが犯した罪は、課せられた罰は、翻される事なく。
やがて彼が居た時の物は全て没収かもしくは処分され、何もかも消えていった。
元からトランクひとつで乗艦したのだから私物は極端に少なかったけれど、配給された生活品や常備されていた家具ですら処分されて。

本当に、何もない空間になっていて。

シンはそれでも此処に来る。

以前とは変わり果ててしまったのに、その事実にもひどく落ち込んでいるのに、それでもシンは来るのだ。

アスランが居た、過去の空間へ。

「………シン」

ルナマリアがシンの横に腰を下ろし、だが視線を向けずに名前を呼んだ。
やはり返事は戻ってくる事はない。

何処か遠くを見ているようにシンは隣の女性に反応ひとつ示さない。

事実、シンは己の記憶に残された、アスランの痕跡を手繰り寄せていたのだ。
Category [ 時系列(No.05)【侵食】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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