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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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君にキスしよう 3 『彼と彼』 2
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/16[ Fri ] 23:15
「…っ、もう、いい!!」

シンの感情が、爆発した。
必死に押さえていたのに、アスランに掴まれた腕が熱すぎて止められなくなった。
アスランをようやく真正面から見たシンの眸は紅さを増して、潤んでいた。
今にも溢れそうな涙を隠さずに、ぎっ、とアスランを睨み付けている。
「シ…ン」
彼の迫力に言葉を詰まらせてしまった。
「もういいよ!!、ほっといてくれよッ!!」
「おいっ、シン…だから」
「聞きたくないッ」
物凄い剣幕でアスランの言葉を拒む。もう、止まらなかった。

「どうせあんた、俺の事嫌いなんだろ!?。いつもあんたに逆らって、怒らせてっ。こんな奴、普通は嫌になるよな!!」

アスランに話す隙を与えない程一気にシンの言葉が吐き出される。
「そんな事、自分でも判ってたよっ。どうせ嫌われてるって!。でも、仕方ないだろ。いつの間にかあんたの事好きになってたんだから!!。好きで好きでたまらなくなってたんだから!!」
ありのままの言葉で告げるシンを、アスランは黙って見つめていた。
こんなに激情をぶつけられるのは、かつての仲間、イザーク以来かもしれない。しかし彼とは違う。シンの激情はアスランにむけられた、恋慕。生まれて初めてぶつけられた感情だった。
「自分でも何でなのか判らないけど、あんたがいいんだっ。あんたでなきゃ駄目なんだよ!」
シンの激しい程の恋心に、アスランの中で何かが芽生える。

「でもっ!、………あんたは…俺の事…嫌いだろ」
急にシンが俯いた。先程までの勢いは失われ、声が途切れがちになっていく。
「判って、るよ…聞かなくても…。だから…云わないでよ…聞きたく、ない………あんたの口、から………っ」
そう云ってシンは黙り込んだ。肩を震わせる様が、泣いているのを表していて。アスランが、彼の名を呼んでも首を振って、その先を聞く事を泣いて嫌がった。まるで、子供だ、と。
シンを見てアスランは思う。

駄々をこねるような彼。
好きなのに、気持ちとは裏腹に逆らってしまう彼。
それでも…眸は知らず姿を探してしまう、彼。



ああ。だから。だからこそ、アスランは彼を、シンを…気にしていたのだと。

嫌いになるならとうの昔に嫌いになっていただろう。しかしそんな風に思った事はなくて。手が掛かるとは思っても、彼の視線を、気持ちを、存在を拒む事もなくて。
告白された時は突然すぎて動揺してしまったけれど、不思議と…嫌悪感はなかった事に今更ながら気付く。鈍感だと認めざるをえないだろう。

「…シン」
「………っ」
「シン、シン…」
「…っ、やだ…っ」

優しい声音で彼のまた逃げられないように両腕を掴んで、人の名を呼んでもシンは顔を背けたままで。

そんな仕草すら。

「………シン」
もう一度名を呼び、アスランはシンの首に手を回すようにして、そっと抱き締めた。刹那、驚いて顔を上げたシンは、もう涙でぐちゃぐちゃだったけれど。

そんな彼の顔を見て、アスランは改めて自覚する。


つい先程気付いたばかりの気持ちを。


泣き顔をしたシンの耳元に自らの唇を寄せて、アスランは囁いた。

小さく、本当に小さく、シンに囁く。




『俺も、お前と………同じ、だから………』



「………………え」

シンが、濡れたままの柘榴色の眸を瞬かせた。
「え、………え?」
突然すぎて、頭が回らない。
囁いた後のアスランは、自覚した想いを、たった今告げた想いをどうしたらいいのか判らなくて、彼もまた混乱してシンの肩に顔を埋めた。

「う、そ…。それ、って」
身体が震える。混乱したままの理性より身体が先に反応している。
「…ね、今っ、何て云ったの!?」
思わずシンが聞き返すと、今度はアスランが顔を背けた。しかし、その頬はうっすらと赤く染まって。
「…いや、その…」
アスランにしがみついてくるシンが彼の言葉をじっとまっている。
「だから…同じ、だって………」
顔を背けたまま答えると、急にシンががくん、とその場に座り込む。驚いてアスランが視線を向けた。

「シン?」
「………ッ、やっ、たぁーッ!!」
座り込んだまま、シンが叫んだ。嬉しくて、どうしようもなくて。
「シン、お前…」
思った以上の喜びようにアスランが少し呆れたような声を出す。するとシンが再び立ち上がり、アスランの腕をぐい、と掴んで。
「嬉しいです、俺」
「あ、あぁ…」
「信じらんないくらい嬉しい!」
「…お前なぁ…」
「だって、完全に駄目だと思ってたんですよ!?」
まるで子犬のように体全体で喜びを表現するシンを見て、アスランの中に芽生えたばかりの気持ちが告げている。

『愛しい』と。

「なのにまさか…」
「シン、もういいから…」
まだ騒いでいるシンの唇に指をあて、言葉を封じて。そっと彼の肩に両手を置いて顔を近付けながら目蓋を閉じる。

「今、証拠を、やるから…黙れ」

そんな、彼らしい言い草で。

シンも彼の行動を察して少し背を伸ばして、濡れた眸を閉じた。


直ぐ近づいてくる、しかしゆっくりと感じられるような早さで、二人の唇が。



重なった。







沈みゆく夕日に照らされながら、重なった唇から、想いが伝わる。
ただ触れるだけのキス。
でも、気持ちいい位幸せな、キス。


まだ始まったばかりの、二人。

ずっと想いを寄せていた彼と、告白されて漸く自分の気持ちに気付いた彼。

多分これからもスピードの違いが生じるだろうけれど、きっと直ぐに追い付くだろうから。




いつのまにか沈んだ夕日が、祝福するかの如くやんわりと彼等を包んでいた。
Category [ 時系列(No.00)【番外編・短編集】 ]
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