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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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侵食 10 (#38~39)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/11[ Fri ] 23:34
シンにだけ唯一残った、アスラン・ザラという存在。

出会う前から識っていた。
彼程知られた人はいなかった。
密かに憧れもあった。
そして出会う時がきて。
最初はいらついて、反発して、逆らって。
なのに無意識に彼を気に掛け、姿を追い、いつしか求め始めて。

やがてその想いに答えてくれた。
嬉しさ、切なさ、心地よさ。
彼と共に居た時間に感じた全ての感情、記憶。

今でも鮮明に思い出せそうなのに、しかし曇ったかのようにぼんやりとしていて。

二人を巻き込んだ『世界』の歯車が激しく回りだした時から、シンの感情は歪みだし彼を心身共に傷つけて。

その過ちに気付き始めたのに。
彼が、消えてしまったから。
己が、消してしまったから。

シンは自分の中に刻まれたアスランの記憶をぼんやりとしか思い出せなくて。

それでも、縋る心は彼を求めて、探して、足を此処へと向かわせていた。

その度に絶望を突き付けられ、更に記憶を濁らせてしまうのだけれど。

「…ねえ、シン」
シンの心が此処ではない何処かにあるのを知りつつもルナマリアが話し始めた。

「この間は…ごめん、ね………」

小さく呟いた。

シンを責めた事、アスランとメイリンを撃った事実を責めた事。
それを、ルナマリアは謝罪した。
ルナマリアとて思わぬ形で妹を失い、しかも犯罪者の烙印を押された妹の為に監禁するかのような尋問をうけたのだ。
シンとは別にショックを受けていたし、それをシンにぶちまける権利もあるだろう。
しかしルナマリアはシンをそういった意味では責めなかった。
自分も同じ立場ならば軍人として、赤を纏う者として責務を果たせねばないから、シンの行動を責められない。
しかし自分も憧れていたアスランを、シンと想いを通じ合わせていたアスランを撃った事を、責めた。
それはどんなにシンを追い詰める形になろうと、云わねばならぬと思ったから。
だが云うべきタイミングを誤ったかもしれないと、今のシンの状態を見てルナマリアは謝罪したのだった。
ルナマリアの言葉にぴくり、と僅かに肩を震わせる少年を、ルナマリアはそっと、抱き締めた。

それしか、すべを知らない。
他に何も思い浮かばない。
それでも。

共に大切な人を、失ったのだから。
ルナマリアはシンによって奪われ、シンは自分自身によって奪われ、悲しみは多少違えど、深さは同じ。

だから、抱き締めた。

「………ル、ナ」

アスランとは違う、女性の柔らかい身体に抱き締められ、その肩に頬を預けながら、ぽつ、とシンが言葉を発した。
ルナマリアがシンの黒髪を優しく撫でつつ彼の言葉を聞く。

「………うん」
「…俺、好き、だったんだ…」
「シン…」

「アスランの事…好き、だったんだ………」

「…うん。…知ってる…」

シンの告白にルナマリアは知っていた、と告げた。
シンは知られていた事に動揺しなかった。

「…ど、う、して…こうなっちゃったの、かな…」
「…シン」
「…俺…っ、俺…、ぅ、う…ぇっ、…え…っ」

最初は他人事のように語り、しかし声は次第に震えていき。

シンは泣きだした。

ルナマリアの背に腕を回し、思い切り強く掻き抱いて。
肩に顔を埋めて、嗚咽を漏らして泣き始めた。
その様子にいたたまれなくなったルナマリアも静かに涙を零し、それでも彼を抱き締め髪を何度も撫でる。

「ぅ、うーっ。ア、ス…ランっ、…アスランーッ。うっ、うあぁーっ!」

やがて嗚咽は激しくなり、シンは大声で泣きじゃくりだす。
今まで吐き出せなかった想いをもはや止められず、黙って受けとめてくれるルナマリアに甘えて。

今、この感情を吐き出さねば、壊れてしまう。

そうして、シンは泣き続けた。

まるで幼子のように、かつて家族を、そしてステラを失った時とは違う感情で、


シンは、アスランを『殺した』事実を受けとめる為に。



泣いて泣いて、泣き続けた。
Category [ 時系列(No.05)【侵食】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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