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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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侵食 6 (#38~39)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/07[ Mon ] 23:32
アスラン・ザラの引き起こした衝撃はシンに絶望を、キラに動揺を与えて。

そして彼に関わった者達を揺り動かすも、『世界』は気遣う事もなく更なる悪夢を突き付ける。

地球軍に潜伏し諜報活動をしていたキサカによって偶然救出されたアスランを乗せ、AAは海底に潜みながらオーブへと向かっていた。
まだ先日の戦闘によって受けた艦のダメージは回復していない。
それを修復しながらも地球軍、ザフトどちらからも隠れるように静かに海深くを進んでいて、あと少しでオーブ国内の小さな島の地下に密かに建設された軍事ドックへと辿り着くという時に、その報が入ってきた。



ザフトが本格的に戦争を引き起こした『ロゴス』壊滅の為に動きだした、という報告。

しかしそれは表面上の名目でしかなかった。
『ロゴス』を匿っているとして、長い間対立してきた地球軍を討つ為に必要な理由でしかなくて。

争いをなくすとしてその地位に上りつめたデュランダル議長が、言葉巧みに民衆を操り今新たな争いを生み出そうとしていたのだった。

その知らせはAAにも届き、艦内は動揺に包まれる。

「そんな…!」

報を受けたカガリが嘆く。
まだ小さいその身体を怒りと悲しさでいっぱいに満たして、震える手をきつく握り締める。

オーブの長であるカガリだけでなくマリューやキラ達も知らされた時ひどく沈鬱な思いに襲われた。

ザフトと、デュランダルの宣言に感銘を受けて連合を脱退した元地球軍の艦隊が、地球連合の中枢であるヘブンスベースへと発進し始めた。
彼らが隠匿している『ロゴス』の構成メンバー引き渡しと全軍の武装解除の要求を携えての侵略開始だった。

しかしその誰もが気付いていないのだ。

争いを生み出し影で操り、それによる潤いを得ていたのが『ロゴス』というならば、今大戦の開戦のきっかけになった地球軍からの略奪だけでなく、先の大戦でおきたザフトからの略奪行為も彼ら『ロゴス』の謀略のひとつではないのか?と。
つまりは今嫌疑をかけられたオーブを含めた地球側だけでなくプラント側にも『ロゴス』がいるのではないか?という疑問。
そして何故デュランダルが闇に隠れたその組織を知っていたのか?という疑問。
これより争おうとする者達は誰も、気付かなかったのだ。
それぞれが植え付けられた捻じ曲がった信念に突き動かされて、気付く余裕すらなかったのだった。

気付いていたのはAAに居る者達と、オーブの地下ドックに停泊しているクサナギの者達、そして今宇宙に上がり潜伏しながらも全てを探っているラクスを乗せたヱターナルの者達だけだった。

「急がなければ、手遅れになる…!」

俯きながら呻くように呟いたキラの言葉に、管制ブースに集っていた者皆、頷いて。
AAはスピードをあげ、オーブへと向かった。



情勢が慌ただしく動きだすも、アスランは何も知らず知らされず、未だ昏睡したままで。
漸く危篤状態を脱したが意識は戻らない日が続いていた。
集中治療室を出て医務室へと移らされたが、翡翠の眸はまだ目蓋の下に隠されていて。
死にかけた身体はひどく痩せ細り顔色は青白いままで、酸素マスクは外されたものの栄養と鎮痛剤を送り込む点滴は欠かせない状態だった。

「…キラ!。アスランは…っ?」
医務室に入ろうとしていたキラをドアの前でカガリが呼び止めた。
急いで追い付いたのか、呼吸が荒い。
「………まだ、眠ったままだよ」
キラはカガリを見る事なく俯いてそう呟く。そんな彼の様子にカガリは沈黙するしかなくて。
AAに収容されてから一度もカガリはアスランに会わせて貰っていなかった。
どんなに願っても泣き叫んでも、マリューやキサカ、そしてキラが許さなかった。

まだ今は会わせる訳にはいかないと。
ひどく動揺している彼女に今のアスランの姿を受け入れさせるには余りにも酷すぎると。
そう判断したからだった。
一命は取り留めても、キラですら目を背けたくなる程の怪我で、しかもアスランの身体には。

カガリには云えない傷が、あるから。

「………まだ、会わせてはくれないのか………?」
「………………ごめん。今はまだ、我慢して………」

傷が少しでも癒えるまでは。
会わせてはあげられない。

キラは涙を滲ませるカガリをドアの前に独り置き去りにして、アスランの眠る医務室へと入っていった。



ふたつの簡易ベッドにはそれぞれの住人が居て。
一人は過日キラが撃墜しAAに収容した地球軍の捕虜、と表向きは繕われた立場の男だった。
しかし風貌も医学的にもキラ達がよく見知った男なのだけれど彼には記憶がなかった。
その為に扱いをどうすればよいか困り果て、未だに医務室に軟禁状態が続いていた。
キラが医務室に入ってきても男は何も云わず、ちらり、と見やるだけでカーテンを閉めて作られた空間に籠もる。
しかし今はその方が助かる。
記憶を失った彼に気を使う余裕がキラにはなくて、男もそれを察してくれていたらしい。
やはり記憶はなくとも人間性は変わらない。
きっと誰もいない時は彼は同室の病人をさり気なく気にしてくれているだろう。

男がカーテンを閉めたのを確認して、キラはもう一つのベッドに横たわる病人の元へ脚を向けた。

アスランは今も、目覚めない。
骨折による発熱が続き吐く息は苦しげなままだ。
きっとそれだけではないだろう。
彼の事だ、混濁した意識の中で己を責めてうなされているに違いない。
その証拠に時折呻き辛そうに眉をひそめている。

キラはアスランの変わらぬ様子を見て深く溜息をつき、ベッドの横にある椅子に腰掛けた。
綺麗な藍の髪が薄汚れて艶をなくしている。
この傷ついた身体を、目覚めた彼はどう思うのだろうか。
生き延びてしまった事を後悔するのか、それとも。

キラは、目蓋を閉じて、未だ眠り続けるアスランを、思って。

心の中で、淋しく泣いた。
Category [ 時系列(No.05)【侵食】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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