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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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侵食 5 (#37~38)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/05[ Sat ] 22:29
ミネルバに帰投したシンは休む間もなくレイと共に艦長室へと呼び出された。
通路で出くわしたルナマリアをそのままに、先に辿り着いてドアの前で待っていたレイと合流し、そして艦の長であるタリアの待つ中へと足を進めた。

「………報告は先程、議長から聞いたわ…」
入室し、入り口で敬礼をするシンとレイを見つめる事なく、腰掛ける椅子を横にむけたままタリアはそう告げた。
きちんと彼らを見て話さねばならないと思うのに、それが出来ない。
タリア自身未だ動揺を抑えられず、そして金髪の少年を視界に映せば堪え切れずに問いただしてしまいそうで。

「改めて貴方達にもお話します」
重々しくタリアは口を開いた。

「…アスラン・ザラは、自室の端末からハッキングして軍中枢部のメインコンピューターから重要機密を探っていた、と報告がありました。そうして得たデータを隠し持ち、逃走したとの事です」
「………っ、そ、んな!」

シンは思わず慟哭した。
そんな、彼が。
何時の間に、そんな事を。

全てがおかしくなる前はそんな素振りは感じられなかった。では自分が彼を傷つけ始めてからだろうか。
しかし脱走する数時間前までは一緒に居たのに。
複雑に絡み合った想いを解してまたやり直そうと互いに願って、己の未熟さで傷つけてしまった彼を、抱いたばかりなのに…!。

シンは何も知らず、知らされず、置いて行かれたと悟った。
拳をきつく握り締める。

「そして逃走途中にメイリン・ホークの部屋へ立ち寄り、そこからこの軍港の警報システムに不正アクセスし、誤報を発生させて追撃する警備兵を撹乱した。これも彼女の部屋の端末からアクセスログが発見されたそうよ」
「彼女は情報処理のエキスパートで、その腕を買われてミネルバ所属になったクルーですから」

一度も視線をかわさないタリアを冷たい眸で見つめるレイが初めて言葉を発した。

「アスランが探っていた重要機密も、彼女が関わっていた可能性があります」
「…ええ、議長も同じ事を考えているわ。今メイリンについても捜査中だそうよ」

必死に感情を殺そうと苦しげに話すタリアと、対照的に何かの作戦を決めているかのようなひどく冷静なレイの言葉が、シンの頭をぐるぐると回っていく。
「でも…どうして、そんな…」
まだシンは全てを理解しきれなく、俯いた視線を彷徨わせている。
「恐らくアスランが向かう先は、あの艦だったのでしょう」
そう告げて、初めてタリアは二人を、シンを見た。

「かつて共に闘ったあのAAの元へ、彼が向かう先は其処しかないわ」

鋭い眼差しでタリアはレイではなくシンを見る。

アスランにとってかつての仲間が駆る『フリーダム』を、そしてシンが撃墜した『フリーダム』を乗せた艦。
アスランが向かおうとするならば其処しかない。
彼を知る者ならば見当がつく。
タリアの言葉にシンは眼を見開いて。
「………まさか!」
しかし、確かにアスランはあの艦に、そしてフリーダムに執着をみせていた。
シンには理解出来なかったそれが、今逆に確信に繋がる。
「…では、アスランは」
レイが動揺するシンをちらりと見て結論を語りだす。

まるで今判ったかのように、装いながら。

「AAは我々が討とうとしている『ロゴス』と繋がっていると嫌疑されているオーブと深い関わりがある。そしてアスランはこちら側の重要機密を隠し持って、その艦に向かおうとしていた」

レイの言葉にタリアはぐ、と唇を噛み締めて。
シンは驚愕して。

「つまり、アスラン・ザラは始めから『ロゴス』側の人間だった。…そういう事ですね?」
「………そういう事、らしいわ。今はまだ調査中だけれど………議長はそう疑っているわ」

嘘だ。
誰か、嘘だと。
そんな筈はないと。

シンは心の奥底に沸き起こった感情を爆発させてしまいそうで。
カタカタと震えだす。

アスランは、始めから『敵』だった?。
初めてシンを認めてくれた人で、初めて本気で好きになった人で。
想いを通じ合わせて、そして。
肌の触れ合いと繋がる事の意味を互いに教え合った人。

なのに、敵、だった………。

不意にシンの記憶の中に残る、一番最後に見た彼の姿と言葉が思い出されて。
色を失い、くすんでいく。

全てが、闇に染められていく。

「………とにかく、今は休みなさい。近い内に大規模な『ロゴス』討伐作戦が開始されるそうだから………」
タリアがぽつりと呟く。
休息を欲しているのは自分も同じだった。
例え短い間でも共に闘った者を失った喪失感はどうしても拭えない。
それはミネルバクルー全員にも云える事だった。

今は束の間の休息を。
傷ついた心を癒す時間を。

タリアの言葉で締め括られてレイは彼女に敬礼し艦長室を去っていく。
突き付けられた『事実』に我を失っていたシンも慌ててその後を追おうとして敬礼しようとした瞬間。

シンを見るタリアの眸が、切なげに揺れた。

「………シン、貴方は…アスランを………」

そこまで云いかけて。

「いえ、いいわ。………今更、もう………遅い事よね」
「艦長?」
「但し、これだけは覚えておいて」

不思議そうに見つめ返すシンに、タリアは『艦長』としてではなく、彼らを知る一人の『人間』として呟いた。




「貴方と共に居たアスランが、全て、嘘だったと………思わないでね?」



「でなければ、貴方も………彼も、かわいそうだから………」



タリアの言葉は、艦長室を出てからもずっと、シンの心にこびりついて離れなかった。

彼女の言葉の意味を、アスランの真意を。

シンが識る日は、まだ訪れない。
Category [ 時系列(No.05)【侵食】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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