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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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侵食 1 (#37~38)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/11/03[ Thu ] 23:08
どぉん、と。

何かが爆発する音。
そして。

どん、という音。

水でしかない筈の海面に叩きつけられ、何かが破壊される音。

やがて沈みゆくそれを壮大な母なる海は、闇夜の中狂暴な一面を見せ付けるかの如く飲み込んでいく。



そうして、アスラン・ザラはメイリン・ホークを巻き添えにして海へと消えていった。



やがてその様を上空で見つめていたふたつのMSがザフトに属した軍港へと帰投していく。
今も鳴り止まぬ雷を孕んだ雷雲が激しい雨を降らせ海を狂わせるかのように荒れさせている。
その荒れ狂う高波の隙間を潜り抜ける一艘の船。
甲板の灯を全て消し暗闇の中を漂うその船は、MSが完全に立ち去ったのを見計らうと、サーチライトを灯し、何かが沈んだポイントへと舵を切った。



最後の記憶。

モニターに映った、彼の、狂気に満ちた顔。
覚醒したかのような、全神経を研ぎ澄ます鬼神の顔。

そして彼に、何よりも愛しい、と告げた自分。

シンが刄を向けて襲い来る瞬間。

アスランは咄嗟にシートベルトを外しシートから離れると、コクピット内部の僅かな隙間で蹲るメイリンを無理矢理引きずるようにそこに座らせた。
そして恐怖で声すら出ない彼女を守るように覆いかぶさり、後ろを振り返ってモニターを見た。

無意識下でとった行動はほんの一瞬で。

『シン』

既に声は彼には伝わらない。

何かに取り憑かれたかねように襲い来るシンには、アスランの言葉は伝わらない。
それでも、云わなければ。
これが、アスランの、真実だ、と。

指を伸ばしシート横にあるボタンを押して。

『愛してる』

そうはっきりと告白した。

僅かにモニターに映るシンの表情に動揺が走る。
刹那、アスランが押したボタンに連動してパイロットを守るセーフティシャッターがコクピットを守護するかのように降り、視界は閉ざされた。

次の瞬間、シンの駆るデスティニーの刄がアスランの乗るグフを貫通して。
先程の僅かな動揺が、狙いをずらさせた。
貫通させる筈だった刄はコクピットを逸れて突き刺さり、それでも機体は完全に貫かれて破壊された。

ぐらり、と倒れこむように後ろへと傾いた機体は制御を失ってそのまま海面へと落下していく。

腹に刄を抱いたまま。

海面に叩きつけられる瞬間、胴体を中心とした爆発が起きる。

「きゃあああ!」
「………っぐ!」

メイリンの悲鳴とアスランの呻きが同時にあがり、そして爆発によって起きた衝撃がコクピットを襲った。
外がどうなっているのか、判らない。
完全に破壊された機体は既にモニターはブラックアウトして何も映さず計器類も沈黙している。
だが衝撃はコクピットに居る二人に襲い掛かり、メイリンはシートに蹲ってがたがた震えていた。
激しく揺れる内部で、アスランは巻き込んでしまった彼女を死なせまいと、大量の失血で遠退きそうな意識を無理矢理に保ち、彼女を隠すように己が身で庇う。

しかし爆発の直後に海面に叩きつけられ、機体は無残にも粉々に粉砕された。
勿論それはコクピットにも衝撃は訪れ、周囲の計器類が崩れて落下してくる。

「…っ、ぐぅ!」
落ちてきた何かの破片がアスランの額に激突し、痛みと共に薄い皮膚を切り裂いた。
「…っう、う…」
ぼたぼたと血が滴り落ちてアスランの視界を霞ませていく。
海面に落下し水中を沈んでいく中で再び爆発がおきたらしい。
どん、と衝撃が襲い、耐え切れなくなったアスランの身体がぐらりと傾いて。
強かに胸部をシートの背もたれに打ち付けた。

「うぁぁ!」

アスランが叫ぶ。

のしかかる重力にシートは胸部に食い込み、そして。

ばき、と。

何かが砕ける音がした。

「が、は…っ!」

その音は、アスランの体内から、聞こえた。

またコクピットが激しく揺れて更にばきばき、と折れる音がする。

「ぐ、う…ぅ…っ」

どうやら、肋骨が幾本か折れて砕けたらしい。
途端に呼吸が出来なくなった。
息をする度にひゅう、と喉が鳴り、肺に激痛が走る。

ずる、とその場に崩れ落ちたアスランの身体が怯えたメイリンの膝に寄り掛かる。

「ぁ、あ…あーっ!」

その所為でメイリンは一層錯乱し甲高い悲鳴をあげて。
激痛と失血で意識を失いかけたアスランがそれによって失神するのを踏み止まれた。
「………っ、メ、リン………っ」
ひゅうひゅうと擦れた吐息と共に無理矢理起き上がり、アスランは再び彼女を庇うようにしてシートを覆う。

水中を沈みゆく中、ぼろぼろと崩れる壁や何かの部品がメイリンを庇うアスランの背に降り落ちる。
それでもアスランは必死に彼女を庇い、そして。

「………………シ………ン」

そう呟いて、ごふ、と血を吐いた。
Category [ 時系列(No.05)【侵食】 ]
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