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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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君にキスしよう 1 『シン』
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/12[ Mon ] 23:57
「アスランさん…好きです」
「………シ、ン?」
「あんたが、好きなんだ………」

ガーネットのような眸の紅が涙を滲ませて更に彩を増していた。

突然の、彼からの告白。

その炎のような紅、に心を、焼かれた。





「シン!!」
「………」
「おい、シン!!」

いつもの、日常だった。シンがアスランにつっかかって、それを咎めるアスラン。元から反抗的な態度が多い、人付き合いの下手なシンではあったが、何故かアスランには怒りをぶつける事が更に多くて、アスランもまた正直に彼にぶつかっていくものだから二人の激突は今更な日常だった。
だから周りは余り気に留める事もなく、今も格納庫で怒鳴るアスランと、それを無視しているシンの姿を溜息まじりにちら、と見つめるだけだった。

「………っ」
やがてシンがその場から逃げるように背を向けて歩きだした。
「おい、シン!!」
いつもならもっと噛み付いてくる彼が余り反論をしない事に疑問を抱いたアスランが後を追い掛ける。
二人が去った後の格納庫はようやくいつもの雰囲気を取り戻していった。



どうしてかなんて、自分でも判らない。
最初は逢えて嬉しかった。過去の英雄達に余り興味のない自分でも知っている存在-アスラン・ザラ-と出逢えたのだから。でもそれ以上に彼に対しての怒りが強かった。
第二次ヤキン・ドゥーエ戦では公式には記録に残っていないから、その時彼が愛機をジェネシスごと爆破させて数多の人命を救った事と、その後ザフトから亡命して表舞台から姿を消した事だけは人々の噂で聞いて知ってはいたけれど。
その、彼が。今、オーブのアスハと共に、居る。アスラン・ザラではなく、『アレックス・ディノ』という偽物の存在として。
それが、シンにとっては過去の傷をも刺激される程怒りを増幅させた。よりにもよって、シンにとって今最も憎むアスハと、だ。何故憧れである、彼が。
前大戦時に彼に起きた事実を史実しか知らないシンには全く理解出来なくて。


だから、第一印象は最悪で。




「シン」
部屋へと戻るシンをその前の通路でようやく捉まえる事が出来た。アスランがシンの腕をぐい、と掴んで己の方を無理矢理向かせる。しかしシンは俯いたまま、何も云わない。
「………シン?」
様子がおかしい、と鈍さには定評があるアスランでもようやく気付く。
「おい、どうした?」
そう云って肩に手をやろうとして………それは、叶わなかった。

突然の事に、一瞬思考が止まる。
急にシンがアスランの身体を通路の壁に押しつけて、逃げられぬように彼の頭を挟むように両手をついてきた。
「シン…?」
「…アスランさん、好きです」
「………ぇ」
シンの言葉に益々頭が回らない。茫然と立ち尽くすアスランに畳み掛けるようにシンは云い続けた。
「あんた、が………好きだ」
シンの真摯な眸に鼓動が激しくなる。

「あ、ああ。」
ようやく動きだした理性でアスランが声を発すると、シンも、ごくり、と息を飲んでその言葉の続きを待った。
「俺も好きだぞ、シン」
「アスラン、さん………」
アスランの言葉を受けて一瞬シンの顔が嬉しそうに綻んだが、その直後に続く彼の言葉に凍り付く。

「大事な後輩だからな」

「………………ッ」
「だから、お前が心配なんだ、俺は………」
そこまで云って、アスランは言葉を失った。シンが見た事もない、切なそうな表情を浮かべていたからだった。
シンは泣きそうになるのを必死に耐え、どこまでも鈍感な彼の腰に手を回した。
「………判んないの?」
そう云ってもう片方の手でアスランの頬に触れた。そっ、と優しく心の激情を隠すのに必死になりながら。


「俺の『好き』とあんたの『好き』は………違うんだよ?」


「………………え?」

さっと頬を染めながらも切ない表情のシンを間近で見ても、アスランはその真意に気付けずにいた。そんな彼に焦れてシンはアスランの首に抱きつき、背伸びをして………唇を奪った。

ほんの一瞬の、触れるだけの、キス。

「…、んッ」
「…っ、これで判った?」
また、泣きそうな顔でシンが呟くと驚いたアスランがシンの身体を引き剥がす。
「…な、何…っ!?」
ようやく、理解、した。
シンの気持ちを、シンの告白を。…その、意味を。
一気にアスランの顔が赤く染まりたった今奪われた唇を指で隠しながらたじろぐが、背後の壁に阻まれて逃げられない。アスランの狼狽える姿に更にシンが顔をしかめ、今度こそ耐えきれなかった涙がうっすらと眸を潤ませた。
「…云っとくけど、俺本気だから!!。あんたの事!!」
そう叫んで、シンは茫然とするアスランに背を向けて自室へと入っていった。
一人取り残されたアスランは、完全に思考が凍り付いて、ただ立ち尽くしていた。



悔しい。
堪らなく好きなのに。それを必死の思いで伝えても、理解してくれなかった彼の鈍感さに。
勢いでキスした自分を、本気で狼狽して逃げようとした彼の態度に。
………そんな彼を、言葉もなく拒まれた今でも、好きな自分に………。

シンは部屋に入るなり、堪え切れずに泣いた。
ドアに背をつけて俯くと、涙が足元にぱたぱたと落ちていく。

「………っ、ぅ………ぅ」

涙を止める気にもならなかった。それだけ深く、心が傷ついていたから。
口元に手首を押しつけ、漏れる嗚咽を噛み殺すだけで精一杯だった。

多分、今も壁を隔てた向こうに立ちすくんでいるだろう彼に、聞かれたくはなくて。
それがシンの唯一出来る強がりだった。

「ぅ…っ、うぅ………っ」

そのまま、ずるずると座り込んでシンは蹲る。
室内は暗闇に閉ざされたままだった。今この瞬間、同室のレイが居ない偶然を心から感謝して。



いつからだろう。
最初は敵意をむき出しにしていたのに。
アスハと共にいる彼に一方的に敵意を抱いて、勝手に失望して。

なのに。
ユニウス落下事件の時の彼を見て、やはり彼は英雄だと、そう称されるだけの力を持った男なのだと。
改めて彼の凄さを見せ付けられて。
多分、それが、始まりだった。

その後ザフトに復隊して『フェイス』の『アスラン・ザラ』として、シンにとっての憧れの存在としてミネルバに合流した日から今日までずっと。
シンにとってはちぐはぐとも思える彼の言動にいらつきながらも、眸は知らずに彼を追っていた。


居るとうっとうしい、でも、………居ないと、淋しい。


そんな不安定な気持ちを抱えてきた。
彼への想いをいつのまにか自覚してからは更に彼を気にして、彼に気に掛けて欲しくて。

何度告白しようか、秘めたままでいようか、迷い悩んだか判らない。

だから今日の告白だって、自分でも云った後に内心驚いてる。勢いで云うつもりなどなかったから。

駄目だと覚悟はしてたけれど………やはり辛い。


辛すぎて………たまらない。


「………っ、ア、スラ…ンさん………ッ」


シンの、彼を呼ぶ声は、その想いと共に闇に消えていった。
Category [ 時系列(No.00)【番外編・短編集】 ]
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