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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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6 『素直なココロ』 2
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/29[ Sat ] 16:36
●06 二人三脚

「………アスラン?」

シンがこの場にそぐわないような、真剣な声で名を呼んだ。
それでもシンを見つめ返せないアスランを気にせずシンは告げる。

「今日は何月何日ですか?」

「…?。今日は………」

そう問われて先程寝室で見たカレンダーを記憶の中で再生させ、アスランは固まった。
そして錆付いたような不思議な動きでゆっくりとシンを見つめて。

翡翠の眸が大きく見開かれている。

「………シン?。もしかして………?」
「もしかしなくても、そうですってば!」
「………誕生日?」
「何でそこで聞き返すんですか!。あんた、自分の誕生日でしょう!」
「あ…、いや…それは」

ぎゃんぎゃん吠えるシンに反比例してアスランは益々狼狽えていく。

そういえば、とか。
ああ、だからか、とか。

ぐるぐると空回りする思考が言葉をうまく吐き出せなくしていくようだった。
「やっぱり、忘れてたんですね!」
「………あぁ」
とうとうシンは椅子から立ち上がり、未だ狼狽えながらも小さく頷いたアスランに身を乗り出して。
「どうしてあんたは自分の事となると激しく疎くなるんですか!」
「………」
またも図星をさされ何も云えないアスランはコーヒーカップを両手で持ったまま肩を竦めて小さくなる。
するとシンが椅子から離れて直ぐ向かいに座るアスランの元へ近づいて。

「………ねえ?。アスラン?」
後ろから椅子ごと彼を抱き締めて、寝癖で絡まった藍の髪に鼻先を埋めた。

「今あんたが何考えてるのか当ててみましょうか?」
「………シン」
「どうせ今更恥ずかしいだとか、祝ってもらうのがおこがましいだとか、考えているんでしょ?」
「………」

シンの問い掛けにアスランは沈黙で肯定する。窮地にたたされると普段口煩い彼が沈黙してしまうのは身をもって知っているから、シンは気にせず言葉を繋げる。

「あんた見た目通り頑固だから、素直に頷けないでしょうけど…でも、今日くらいそんなの考えずに素直に祝われて下さいよ…」

今自然と凄い事を云われたような気がしたが、シンの抱き締める腕に力がこもり、アスランは何も云えなかった。

「………今日は初めての誕生日、なんですから………」

シンの声が、微かに震えた。

抱き締められたアスランもその言葉に肌を震わせる。

辛いとしかいえない醜悪な争いの日々が終わり、未だ戦後の混乱が続く今。
本当はそんな祝い事などしている余裕はないのだけれど。

しかし、二人で初めて迎える誕生日なのだ。
出会った時は互いの誕生日など知らなかったし、当然こんな風に結ばれてもいなくて。
そしてシンの誕生日にはアスランはシンの傍には居なくて。

もう一度共に過ごせるなど思ってもいなかったこの日。

こんな、穏やかな時間。

「前に約束しましたよね?。ミネルバの、あんたの部屋で」

シンの言葉にアスランは、かつてミネルバに居た時に何気なくかわした会話を思い出す。

『あんた、誕生日も忘れて仕事してそう』
『…努力は、する』

しかし案の定アスランは忘れていて、シンは覚えていて。

「…だから俺、無理矢理休暇願い出したんです。あんたの分も」

さらっとシンが云った。

「出したのか!。しかも俺の分も!?」
「はい、出しましたよ!。出しましたとも!」

驚いて背後から抱き締めるシンの手を振りほどいてアスランは彼を見て叫ぶ。しかし返ってきたのは逆ギレしたシンの言葉で。
「何故!」
「だってあんた、絶対忘れてると思ったし、事実今日になってもそうだったし!」
「………う」
そう云われてはもう反論の余地はなかった。

それに、シンが出したアスランの休暇願いは、それを受理する評議会の長は。

「ラクスさんはにっこり笑って受理してくれましたよ」

そうなのだ。今、プラントの長は、ラクス・クライン。アスランのかつての婚約者で、その裏側もよく知る彼女なのだ。

シンの言葉にアスランは今度こそ撃沈する。

がくり、と力を失って椅子に座り込む。

「お前…なんて事を…。今度どんな顔して会えばいいんだ、俺は…」
「堂々としたらいいでしょ。どうせ知ってるんだし。彼女、俺達の事」
「だからだ…馬鹿」

ラクスだけじゃない。確実にオーブにいるカガリやキラにまで話は伝わる。
二人の低レベルな痴話喧嘩まで公的な回線を使って報告するような、ある意味強かなラクスだからこそ問題なのだと、アスランは痛くなる頭を抱えて考える。

「でもお陰で休暇とれたんだし、いいでしょ別に!」
全く気にしないのか、モラルが欠けているのか、シンはうなだれる、それこそモラルの固まりのようなアスランをまた背後から抱き締めて。

「…今日一日くらい、全部忘れて…何の肩書きも立場もない二人でいましょう。…ね?」
アスランの寝癖で巣食った髪にキスをした。

「………喜ぶべきか、悲しむべきか………」
「喜ぶべき、です。当然!」

まだうだうだとぼやくアスランにシンはきっぱりと言い切って。
身体を横にずらし、うなだれたアスランの顎をぐい、と掴んで上向かせて。

「………っん、う………」
いきなりその赤い唇を奪った。

朝にしては濃厚な舌を絡める口付けにアスランが僅かに手をばたつかせて抵抗するも、それは直ぐにキスに溺れる仕草に変わる。
シンはアスランの首元を、アスランはシンの背中を互いに抱き寄せて暫し互いの舌を貪っていた。

「………っ、は………っ」
漸く離された唇の端から溢れた唾液をシンの舌が舐めとって伏せられた目蓋に触れるだけのキスをする。
「ほら、もう納得したでしょう!。早く朝飯食べましょう」
まだ途中だった食事を促してシンは自分の席へと戻った。

「………シン」

キスの余韻から漸く我に戻ったアスランが俯いたままでシンの名を呼ぶ。


首を傾げて彼を見つめたシンに。


「………ありがとう………」




ぽつり、とそう呟いたアスランの頬は、赤く染まっていた。


お題配布元→http://roo.to/abandon/
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
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